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《櫻井ジャーナル》

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2014.07.03
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 歴史の潮目が大きく変わった可能性がある。

 ニコラ・サルコジが2007年の大統領選挙における不正行為の容疑で7月1日、朝の9時前から夜の11時40分まで警察で取り調べを受けた。サルコジの家族はアメリカの情報機関と緊密な関係にあり、サルコジが大統領に就任した段階で英米派がフランスで主導権を握ったとみられていた。そして、フランスはNATO軍事部門へ復帰することになったわけである。今回の一件はフランスとアメリカとの関係に変化があったことを暗示している。

 ところで、フランスがNATOの軍事機構から離脱したのは1966年のこと。その4年前、シャルル・ド・ゴール大統領をOASと呼ばれる秘密組織のメンバーが暗殺を試みて失敗している。このOASはアメリカの破壊工作(テロ)組織につながっていた。

 このテロ組織とは、第2次世界大戦中に米英の情報機関が創設したゲリラ戦部隊のジェドバラを源流とし、戦後にOPCとして復活、後にCIAの内部へ吸収されて計画局になり、作戦局へ名称変更、そして今はNCS(国家秘密局)と呼ばれているもの。

 OPCの局長だった人物がフランク・ウィズナー。その息子、フランク・ウィズナー・ジュニアの結婚した相手がサルコジの義理の母、クリスティーヌだ。この女性は貴族階級の出身だが、コルシカを拠点とする麻薬組織を仕切っていたアシール・ペレッティの秘書だったことがある。

 一方、サルコジは1982年にペレッティの姪と結婚、弁護士として「コルシカの友人」のために働くことになった。義理の母になるクリスティーヌとも親しい関係を維持、その新しい夫の下でアメリカの手先になる。

 サルコジが大統領になる前、フランスはアメリカと一線を画していた。そのひとつの結果として、フランス政府は2003年のイラク攻撃に反対している。当時の大統領はジャック・シラク。そのシラクの姿勢に怒ったウィズナー・ジュニアたちはド・ゴール派を乗っ取り、さらにリベラル派を潰す作戦を展開した。後にシラクは刑事訴追され、2011年に執行猶予付きながら、禁固2年が言い渡されている。

 つまり、サルコジはアメリカのフランス支配を象徴する人物。その象徴が刑事訴追される可能性が出てきたわけだ。

 フランスの支配層がアメリカに怒った理由のひとつとして指摘されているのは、アメリカが言いがかりをつけて国立パリ銀行に対して89億7000万ドル支払えと要求したこと。

 そうしたことがなくても、ウクライナの問題ではEUを破滅へ導く方向へアメリカは突き進んでいて、懐柔されたEU幹部だけでは怒りを抑えきれなくなっている。そうした流れの中、フランス、ドイツ、ロシア、そしてウクライナの外相が会談、新たな停戦の実現を目指している

 こうした動きに対し、あくまでも軍事力で東部や南部を制圧しようとしているのがネオコンに動かされているアメリカ政府、あるいはその手先であるウクライナのネオ・ナチ。フィリップ・ブリードラブNATO欧州連合軍最高司令官/在欧米空軍司令官は、ロシア軍に対抗するとして、バルト三国、ポーランド、ルーマニアのアメリカ軍を増強すると主張している。この人物、ロシアが攻めてくるからアメリカ軍にカネをよこせと叫んでいた。

 こうした発言と呼応するように、ウクライナの新しい国防相、ワレリー・ヘレテイはクリミアを軍隊で奪還すると語ったようだが、つまり軍事侵攻するという宣言。すでに「西側」のメディアもキエフの親米政権が東部で行っている攻撃をナチスの焦土戦術に準えるようになっている、つまり住宅地が攻撃されて住民が殺されている実態が伝えられ始めたわけで、実際にクリミアへ軍事侵攻したなら駐留しているロシア軍と衝突する可能性があるだけでなく、アメリカの孤立度は一気に高まるだろう。

 ウクライナだけでなく、イラクでの戦闘もアメリカとISIS/ISIL/IEILとの関係が知られるようになり、イラク政府とアメリカ政府との関係は悪くなっている。すでにシリア軍による空爆をめぐり、アメリカ政府が批判したのに対し、イラクのヌーリ・アル・マリキ首相は歓迎すると発言、アメリカ政府がF-16戦闘機の供与を遅らせている中、ロシアが5機の近接航空支援機Su-25を提供、さらにイランからもSU-25が飛来している。

 安倍晋三政権による集団的自衛権の行使に関する閣議決定は、1940年の「日独伊三国同盟」と似た意味をもってくるかもしれない。





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最終更新日  2014.07.04 04:56:14



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