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《櫻井ジャーナル》

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2015.03.12
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 東電福島第一原発が「過酷事故」を起こしたのは2011年3月11日、4年前のことになるが、今でも放射性物質は環境中へ放出され続けている。事故直後に炉心はメルトダウン、溶融物がどのようになっているかも不明のままだ。建屋の外で1センチメートル程度の燃料棒の破片が見つかったと報道されているのだが、2011年7月28日に開かれたNRCの会合で、新炉局のゲイリー・ホラハン副局長は、発見された破片が炉心にあった燃料棒のものだと推測している。

 事故で放出された放射性物質の総量はチェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表されているが、その算出方法に問題があるとも指摘されている。計算の前提では圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっているが、今回は水が沸騰していたとみられ、ほとんどの放射性物質が環境中に漏れ出たと考えるべき状況。トーラスへの爆発的な噴出で水が存在していても吹き飛ばされ、除去できないとする指摘もある。

 いずれにしろ圧力容器内の放射性物質がストレートに外部へ出た可能性が高いと言うことであり、原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

 福島第一原発の事故は史上最悪だということ。1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故の場合、その人体への影響が本格的に現れてくるのは20年から30年後、つまり2006年から2016年のあたりからだと見られていたが、すでに深刻な影響が出ている。

 ロシア科学アカデミー評議員のアレクセイ・V・ヤブロコフたちのグループがまとめた報告書『チェルノブイリ:大災害の人や環境に対する重大な影響』によると、1986年から2004年の期間に、事故が原因で死亡、あるいは生まれられなかった胎児は98万5000人に達する。癌や先天異常だけでなく、心臓病の急増や免疫力の低下が報告されている。

 福島県の調査でも甲状腺癌の発生率が大きく上昇していると言わざるをえない状況。少なからぬ子どもがリンパ節転移などのために甲状腺の手術を受ける事態になっているのだが、原発事故の影響を否定したい人びとは「過剰診療」を主張している。手術を行っている福島県立医大の鈴木真一教授は「とらなくても良いものはとっていない」と反論しているが、手術しなくても問題ないという「専門家」は、手術しなかった場合の結果に責任を持たなければならない。どのように責任をとるのかを明確にしておく必要がある。

 事故直後、福島の沖にいたアメリカ海軍の空母ロナルド・レーガンに乗船していた乗組員にも甲状腺癌、睾丸癌、白血病、脳腫瘍といった症状が出ているようで、放射線の影響が疑われ、アメリカで訴訟になっている。カリフォルニアで先天性甲状腺機能低下症の子どもが増えているとする研究報告もある。

 言うまでもなく、福島第一原発の敷地内で作業している人びとへの影響も懸念され、実際、少なからぬ死者が出ていると噂されている。敷地内で死亡しなければ原発事故と無関係と言うことにされ、全国の大学医学部で「献体」として処理されているとも言われているが、真偽は不明だ。





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最終更新日  2015.03.12 23:08:26



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