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《櫻井ジャーナル》

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2015.08.16
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 WTI原油価格が値下がりしている。6月に1バーレルあたり約60ドルまで回復していたのだが、今は約42ドル台だ。2014年7月の前半には約100ドルだったものが急落、今年の初めには50ドルを切り、5月には60ドルを回復したが、また値下がりしている。

 原油相場の値下がりが加速したのは昨年10月からだが、その直前、9月11日にアメリカのジョン・ケリー国務長官はサウジアラビアのアブドラ国王と紅海の近くで会談、そこで原油相場を引き下げる相談をしたと言われている。サウジアラビアは生産コストが安く、値下がりはイランやロシアにダメージを与えるはずだった。1980年代の半ばに成功した作戦をまた使ったのだが、今回は失敗したと言えるだろう。

 このとき、ロシアの通貨ルーブルも急落している。例えば、原油相場が1/2になったとして、その時に1ドルあたりルーブル価格が2倍(ルーブル安)になったなら、ルーブルで計算すると石油取引の収支に変化はない。しかも、ロシアや中国を中心とする国々、例えばBRICSはドル離れを進めている。アメリカによる原油や為替の相場操縦は、そうしたドル離れを促進することになったはずだ。

 原油安がアメリカやサウジアラビアへダメージを与えることにアメリカ支配層は気づいたようで、下げ止まり、反転するかに見えたのだが、サウジアラビアがロシアへ接近した後、6月下旬から再び下がり始め、アメリカのシェール・ガス/オイル業者が深刻な事態に陥っている。原油相場の急落で採算がとれなくなり、倒産の危機が訪れたのだ。ゼロ金利政策で経営破綻が表面化していないだけで、関係者は9月に連邦準備制度理事会が金利をどうするかを見守っている。金利を上げた場合、10月に倒産ラッシュになる可能性があるからだ。

 そうなった場合、巨大銀行は「大きすぎて潰せない」うえ、「大きすぎて処罰できない」ということで政府が助けてくれると高をくくっているかもしれないが、全体としては「リーマン・ショック」よりも酷い事態になるとも言われている。

 サウジアラビアも危機感を強めているはずだ。2015年の予算は1バーレル80ドルを想定して作成されているので、今の状況が続くと赤字国債を発行しなければならなくなるとする人もいる。イエメンに対して始めた干渉戦争が泥沼化、戦費もかさんでいる。

 サウジアラビアの増産が値下がりの原因だとするならば、生産調整すれば良いように見えるが、一説によると、ジョン・ブレナンCIA長官の手下がサウジアラビアの石油会社、Aramcoを説得してフラッキングさせ、減産できない状態になっているともいう。

 生産を効率化するために高圧の食塩水を注入しているので、圧力が均衡する前に石油の採掘を止めると石油が食塩で汚染され、使い物にならなくなると言われている。この説が正しいなら、サウジアラビアは油田を放棄するか、5年の間、生産を継続するしかないという。

 金融資産を取り崩し続けなければならなくなると、投機市場に吸収されていたドルが流出することになり、基軸通貨の地位からドルが陥落、アメリカは基軸通貨を印刷できるという特権を失い、アメリカの支配体制が大きく揺らぐこともありえる。ネオコン/シオニストなどは、アメリカが「唯一の超大国」となり、自分たちが世界を支配するという計画を実現できないなら、全面核戦争で人類を破滅させようとしかねない。





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最終更新日  2015.08.17 17:34:19



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