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《櫻井ジャーナル》

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2015.09.27
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 アメリカはサイバー・スパイ国家であり、電子的な破壊活動も行っている。その規模や悪質さは中国の比でない。電子的な情報活動を行うため、アメリカの支配層は1949年に秘密裏のうちにNSA(国家安全保障局)を創設した。その3年前にアメリカはイギリスと協定を結び、UKUSA(ユクザ)という連合体を組織している。

 協定が結ばれた年にイギリスはGCHQ(政府通信本部)を組織、NSAと連携することになる。この2機関の下でカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国の機関が活動、各国政府ではなく、アメリカやイギリスの命令に従って動いている。つまり、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは国家内国家だ。

 NSAの存在が明るみに出たのは1972年のこと。この年、ランパート誌の8月号に掲載された記事の中でNSAの元分析官はNSAが「全ての政府」を監視していると内部告発している。西側の「友好国」もターゲットだということであり、自身の電話が盗聴されていたことを知ってドイツのアンゲラ・メルケル首相が驚き、怒るのは不自然だということ。そんなことは知っていたはずだ。

 GCHQの活動をジャーナリストのダンカン・キャンベルとマーク・ホゼンボールがタイム・アウト誌で暴露したのは1976年。その結果、アメリカ人だったホゼンボールは国外追放になり、キャンベルは治安機関のMI5から監視されるようになる。

 キャンベルは1988年にECHELONという全地球規模の通信傍受システムの存在を明らかにした。アメリカの上院議員、ストローム・サーモンドの電話をNSAが盗聴していたとロッキード・スペース・アンド・ミサイルの従業員だったマーガレット・ニューシャムが内部告発、その話が基になっている。盗聴に使われたのはイギリスにある巨大通信傍受基地メンウィズ・ヒル。(Duncan Campbell, 'Somebody's listerning,' New Statesman, 12 August 1988)

 このシステムについてはニッキー・ハガーが本(Nicky Hager, "Secret Power," Craig Potton, 1996)にまとめ、ヨーロッパ議会も報告書を出している。報告書の中で監視のターゲットとされているのは反体制派、人権活動家、学生運動指導者、少数派、労働運動指導者、あるいは政敵だとしている。巨大資本やそうした組織に巣くう人びとの利益に反する可能性がある人たちだ。

 アメリカでは通信傍受だけでなく、1970年代から情報の蓄積と分析をするシステムの開発も急速に進歩している。その一例がPROMISで、アメリカの司法省や情報機関だけでなく、日本の法務省も注目している。(日本の場合、マスコミや「市民運動家」はこの問題に興味を示さなかった。例外は山川暁夫氏のみ。)

 このシステムを開発した会社に接触したのは後に名古屋高検の検事長になる敷田稔で、その当時、駐米日本大使館に一等書記官として勤務していたのが原田明夫。原田は後に法務省刑事局長として「組織的犯罪対策法(盗聴法)」の法制化を進め、事務次官を経て検事総長に就任した。PROMISに関する報告は1979年と80年に「研究部資料」として公表されている。

 アメリカでは学歴、銀行口座の内容、ATMの利用記録、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関する記録、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードのデータなどあらゆる個人データを収集し、分析するシステムが開発されている。

 さらに、どのような傾向の本を買い、図書館で借りるのか、どのようなタイプの音楽を聞くのか、どのような絵画を好むのか、どのようなドラマを見るのか、あるいは交友関係はどうなっているのかといった情報を集め、「潜在的テロリスト」を見つけ出そうともしている。

 電気、ガス、水道などの使用状況を警察は昔から調べてきた。ミスがあるから役に立たないと言うことはできない。最近ではIC乗車券(PASMOやSUICAなど)、GPSが組み込まれたスマートホン、街中に設置されたCCTVなどで個人を追跡することは容易になった。「住民基本台帳ネットワーク」は個人情報を集め、分析して国民を監視するベースになるだろう。

 教育の崩壊も原因しているのだろうが、日本の巨大企業では技術/研究部門に入ってくる新人の能力が急速に低下、中国やインドの若者の採用を増やしたいという声を10年以上前から聞くようになった。アメリカも生産力や開発力をなくしている。アメリカのライバル企業の技術情報を盗むこともNSAの役割だろう。

 内部告発者のエドワード・スノーデンはCIAで働いた後、ブーズ・アレン・ハミルトンという会社にいた。この会社は情報機関と関係が深く、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正に関わっているという噂がある。エネルギーや為替の相場をアメリカは操作しているとも言われている。NSAがイスラエルの8200部隊と手を組んでサイバー攻撃を仕掛けていることも知られている。その一例がイランの核施設を攻撃したウイルス、スタックスネット。

 アメリカがサイバー問題で他国を批判するというのは茶番、その茶番をもっともらしく伝えるメディアは救いがたい。スパイ機関とメディアは情報操作、洗脳の仲間であり、仕方がないのかもしれないが。





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最終更新日  2015.09.28 05:19:12



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