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《櫻井ジャーナル》

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2016.08.07
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沖縄の東村高江周辺で沖縄防衛局はヘリパッド建設工事を再開、反対派はテントを張って抗議活動を続けている。そのテントを安倍昭恵、つまり安倍晋三首相の妻が三宅洋平に付き添われ訪問、住民の反発を招いたようだ。彼女が何を考えているのかは不明だが、誰かが「悪い安倍」と「良い安倍」を演出、「安倍政権にも希望はある」と宣伝しているようにも見える。

 似たことをアメリカは手先の武装勢力を使って軍事侵略する場合に使ってきた。例えばシリアの場合、「残虐な独裁者」に立ち向かう「自由の戦士」という筋書きを西側メディアは広めていたが、途中で「残虐な独裁者」を宣伝している人物の嘘が発覚、政府軍の化学兵器使用も嘘だということが明らかになってしまった。

 そこで残虐行為を繰り返す武装勢力、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が登場し、2014年8月にはジェームズ・フォーリーなる人物の首を彼らが切り落とすところだという映像が公開された。

 ダーイッシュは当初、イラクで活動、その当時はISIと呼ばれていた。この集団は2006年にAQI(イラクのアル・カイダ)が中心になって編集されている。AQIが創設されたのはイラクが先制攻撃され、サダム・フセイン体制が崩壊した後の2004年だ。

 2014年1月にダーイッシュはイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言し、6月にはモスルを制圧する。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その映像が世界へ流れて有名になった。

 フォーリーの「殺害」はイラクでダーイッシュを攻撃している勢力をアメリカ軍が支援していることに対する報復だというのだが、ナイフはフォーリーの首の前で6回ほど動いたものの、血は吹き出さず、実際に切っているようには見えなかった。そこで、カメラの前では殺されていないと推測する人が少なくない。

 この「惨殺」の翌月、アメリカ軍はシリア政府の承諾を受けず、同国で空爆を始めるのだが、最初に破壊されたビルは、その15から20日前の段階で蛻の殻だったとCNNのアーワ・デイモンは翌朝の放送で伝えている。その後、アメリカ軍はシリア社会の基盤施設を破壊、非戦闘員を殺傷、反政府武装勢力には物資を「誤投下」することになる。

 アメリカ軍の情報機関DIA(国防情報局)が2012年8月に作成した文書によると、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けている。アル・ヌスラはAQIの別名で、実態は同じだという。

 そうした報告を受けた上でアメリカ政府はバシャール・アル・アサド政権を倒すため、侵略軍への支援を続けた。2012年の報告書が作成された当時のDIA局長、マイケル・フリン中将はアル・ジャジーラの取材に対し、ダーイッシュの勢力が拡大したのはオバマ政権が決めた政策によると語ったが、それはこうした背景があるからだ。またウェズリー・クラーク元SACEURは、アメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと語っている。

 AQI、アル・ヌスラ、ダーイッシュの実態は同じで、タグが違うだけ。イギリスのロビン・クック元英外相によると、アル・カイダはCIAが訓練した「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル、つまり傭兵リストにすぎない。アル・カイダはアラビア語でベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。

 シリアに限っても、体制転覆を目指している戦闘集団にはAQI、アル・ヌスラ、ダーイッシュ、最近ではいくつもの「穏健派」が出現、アメリカの支援を受けているが、その戦闘員はアル・ヌスラなどと渾然一体で、恐らくアメリカの特殊部隊も一緒にいると言われている。

 アメリカは戦闘員を分離するので、それが終わるまでロシアは空爆しないでくれと言っているようだが、分離する気はないだろうし、その気が合っても不可能だろう。そうした集団のひとつ、ヌール・アル・ディン・アル・ジンキは13歳になるパレスチナ難民の子どもの首を切り、その映像が最近、インターネット上を流れている。

 手先の武装集団に何らかの問題が生じたとき、新たなプロジェクトで必要なとき、アメリカの支配層はタグを付け替えて人びとの目を眩ましてきた。安倍夫妻を見ていると、その手口を思い出す。クリントン夫妻の場合、夫のビルが大統領だったときに戦争へと誘導していたが、政府の人事にその意思が反映されていた。そうした影響力を行使できないのならば、安倍昭恵がどのような考えを持っているとしても、特別扱いする意味はない。





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最終更新日  2016.08.07 18:33:04



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