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《櫻井ジャーナル》

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2016.11.09
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 アメリカの大統領選挙で「過激な主張」の持ち主であるヒラリー・クリントンが敗北、ドナルド・トランプが次期大統領に選ばれた。この結果、アメリカとロシアとの間で核戦争の始まる可能性は小さくなり、とりあえず最悪の事態は避けられたようだ。

 しかし、クリントンを担いでいた金融資本、戦争ビジネス、ネオコン/シオニスト、アル・カイダ系武装集団を操ってきたサウジアラビアなどペルシャ湾岸産油国などのネットワークは存在し、「アメリカの関東軍」とも言うべきNATOも健在だ。

 トランプも支配システムから独立しているとは言い難い。クリントンと違って彼は核戦争には否定的で、巨大資本が国の上に立ち、支配するための協定、つまりTPP(環太平洋連携協定)、TTIP(環大西洋貿易投資協定)、TiSA(新サービス貿易協定)の3点セットに反対しているが、ネオコンの資金を受け取っている。

 タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、トランプに対する最大の寄付者はシオニストのシェルドン・アデルソン。第2位はロシア系ユダヤ移民の息子であるバーナード・マーカスだ。

 アデルソンはアメリカのラス・ベガスとペンシルベニア、東南アジアのマカオとシンガボールでカジノを経営、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。そのネタニヤフ首相はアメリカ議会で行った演説でイランを攻撃すべきだと主張、出席した議員からスタンディング・オベイションを受けている。

 そのネタニヤフ首相はテル・アビブでは3万人とも4万人とも言われる抗議のデモ隊に迎えられた。その好戦的な政策がイスラエルを危険な方向へ導くと懸念する人びとは少なくない。参加者の中には元モサド長官のメイル・ダガンや元副長官のアミラム・レビンも含まれていた。

 ダガンはモサドの長官だった2010年にネタニヤフ首相からイランと戦争を始める準備をするように命令されたことがある。この決定は全閣僚が参加した会議で決められたわけでなく、閣内で開戦に賛成していたのは首相に近い7名だけだったとされている。そこで軍も情報機関も命令を拒否したようだ。

 もっとも、クリントンに高額の寄付をした人の上位5位まではユダヤ系。ドナルド・サスマン(2080万ドル)、JBとマリー・カトリン・プリッツカー(1500万ドル)、ハイムとチェリル・サバン(1250万ドル)、ジョージ・ソロス(1180万ドル)、そしてS・ダニエル・エイブラハム(960万ドル)だ。そのほかフィルムメーカーのスティーブン・スピルバーグ、ファッション・デザイナーのラルフ・ローレン、Facebookのダスティン・モスコビッツなども高額寄付者。トランプの場合、これほどではないというだけだ。

 今後、どのような展開になるかは不明だが、とりあえず投票ではトランプが勝った。その一因は支配層の内部にもクリントンやその周辺にいるグループの好戦的な考え方を懸念する人がいる、おそらく増えていることにある。現在の投票システムを考えると操作は難しくないようなので、支配層の内部でクリントンを大統領にするという決定が翻されたと推測できる。

 2011年10月から15年9月まで統合参謀本部議長を務めていたマーチン・デンプシー陸軍大将はアル・カイダ系の武装集団やそこから派生したダーイッシュを危険な存在だと考えていたが、アサド大統領の排除を優先しているバラク・オバマ大統領はデンプシー議長の警告に耳を貸さなかったという。そこで、デンプシー議長は2013年秋からアル・カイダ系武装集団やダーイッシュに関する情報を独断でシリア政府へ伝え始めたとハーシュは書いている。

 2012年から14年までアメリカ軍の情報機関DIAの局長を務めたマイケル・フリン中将は退役後、アル・ジャジーラのに対してダーイッシュの勢力が拡大したのはバラク・オバマ政権が決めた政策によると語り、ダーイッシュを押さえ込むためにロシアと手を組むべきだと主張している。

 フリンが局長だった2012年8月、DIA(国防情報局)は反シリア政府軍の主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとする報告をホワイトハウスに提出している。その報告を知った上でオバマ政権は反シリア政府軍を支援した。ロイターによると、トランプに外交政策に関するアドバイスをしているのはこのフリンだ。

 2013年2月から15年2月にかけて国防長官を務めたチャック・ヘイゲルもデンプシー大将と似た考え方の持ち主で、アル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)を危険視、ロシアとは手を組むべきだと考えていた。今回の大統領選挙の結果を受け、ヘイゲルはロシアとの関係を修復すべきだと主張している。

 ネオコンをはじめとする好戦派の「核戦争も辞せず」という姿勢は離反を招き、アメリカは孤立しはじめている。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はその象徴。1932年、日本の支配層が従属していたアメリカのボス(ウォール街)はホワイトハウスで主導権を失い、クーデターも失敗、日本は迷走した。似た状況になっている。





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最終更新日  2016.11.10 00:23:11



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