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《櫻井ジャーナル》

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2017.05.13
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アメリカのドナルド・トランプ政権はクルド軍に対する軍事支援を強め、トルコ政府は反発している。アメリカはこれまで侵略と手先として使ってきたアル・カイダ系武装集団やダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)に見切りをつけ、自国軍を占領のために投入するほか、クルド軍を新たな手先にしようと目論んでいるようだ。



バラク・オバマ政権はリビアやシリアの体制を転覆させ、傀儡政権を樹立させるためにサラフィ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を傭兵として使った。1970年代終盤にオバマ大統領の師匠にあたるズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで行った戦い方と同じだ。その戦費を出していたのがサウジアラビアやカタールのようなペルシャ湾岸産油国で、イギリス、フランス、イスラエル、ヨルダン、トルコなども協力してきた。

アル・カイダやダーイッシュといったタグをつけているその傭兵集団はアメリカなどが侵略軍へ供給していた対戦車ミサイルのTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーで政府軍の大きなダメージを与え、勢力を拡大していたが、2015年9月30日にシリア政府の要請を受けてロシア軍が攻撃を開始してから戦況は一変した。

ロシア軍は戦闘機だけでなく地中海やカスピ海から巡航ミサイルを撃ち込み、アメリカが提供している武器でも破壊できない新型のT-90戦車も投入された。改良したT-72も有効のようで、政府軍進撃の一因になっている。

役に立たなくなった傭兵にアメリカは見切りをつけたのか、クルド軍への支援を強めているのだが、それによってNATO加盟国であるトルコを怒らせることになった。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の政治顧問はクルド軍に対する攻撃を継続するだけでなく、アメリカ軍に対する「誤爆」の可能性にも言及している。さらにエルドアン大統領はウラジミル・プーチン露大統領に対し、新型防空システムのS-400を購入したいという意向を伝えたようだ。

トルコ政府はアメリカ/NATOから離脱してロシアへ接近しているように見えるが、それが本当になったなら、アメリカは重要な戦略的拠点を失うことになる。軍事面だけでなく石油パイプラインの建設が再浮上する可能性もあるだろう。そうなるとアメリカのEU支配が難しくなる。

オバマ政権はシリアとイランを分断するため、「穏健派」を支援すると称してダーイッシュを作り上げた。2012年8月にDIA(国防情報局)が作成した報告書の中で、シリア政府軍と戦っているのはサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系のAQIであり、「穏健派」はいないことをアメリカ政府へ知らせていた。2014年1月にイラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国が宣言され、6月にその武装集団はファルージャやモスルを制圧しているが、こうした展開はアメリカ政府の政策による。

DIAは東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者たちの支配国が作られる可能性があると警告していたが、実際にそうした状況が出現したのだ。それをロシア軍が壊そうとしている。そこでサラフィ主義者に替わる存在としてクルド勢力だ。その一部は以前からイスラエルの支援を受けている。






最終更新日  2017.05.13 05:40:10

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