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《櫻井ジャーナル》

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2017.08.10
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アメリカ政府は朝鮮のミサイル実験を口実にして東アジアの軍事的な緊張を高めようとしている。シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒し、傀儡体制を樹立するという目論見は失敗、ウクライナでも何か目論んでいる可能性があるが、東/東南アジアでは動きが具体的になっている。

リビアと同じように、シリアでもアメリカはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を主力とする傭兵部隊を地上軍として使い、アメリカ/NATOの航空機で支援すると戦術を使おうとしたが、ロシア軍がシリア政府の要請で介入したことから計画は失敗、「転進」を図っている。

フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイなどでサラフィ主義者が活発に動き始め、ミャンマーは米英の傀儡、アウン・サン・スー・チーが君臨し、ロヒンギャと呼ばれるイスラム教徒を弾圧、そうした状況を利用してロヒンギャの中へサラフィ主義者が潜り込み始めていると言われている。勿論、中国の新疆ウイグル自治区にもシリアなどで戦闘の経験を積んだサラフィ主義者が戻っている可能性も高い。

フィリピンでは5月23日にミンダナオ島のマラウィ市でマウテ・グループやアブ・サヤフ、つまりダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)とつながる武装集団が制圧、市民を人質に立てこもっている。ミンダナオ島でダーイッシュ系の集団が活動していることをアメリカ軍は知っていたが、何もしてこなかった。

そのフィリピンでCIAとフィリピン軍はコミュニスト党の指導者、ホセ・マリア・シソンを暗殺し、ロドリゴ・ドゥテルテ政権を倒そうとしていると民族民主戦線(毛沢東主義)は主張している。アメリカ軍の動きが胡散臭いことは事実だ。

例えば、マラウィ市が制圧された後、アメリカ軍は特殊部隊を派遣、フィリピン政府から要請に基づいてその作戦にアドバイするとアメリカ大使館は説明しているのだが、ドゥテルテ大統領はアメリカ側に支援を頼んでいないとしていた。ドゥテルテは朝鮮のミサイル発射実験を批判しているが、その実験がどのような状況を生み出すかを考えれば、当然だろう。

朝鮮のICBM(大陸間弾道ミサイル)発射実験をアメリカや日本では宣伝している。まず7月4日、中国の習近平国家主席とロシアのウラジミル・プーチン大統領はモスクワで会談していたときに朝鮮はICBMの発射実験に成功したと発表したが、アメリカ太平洋軍やロシア軍は発射直後、中距離弾道ミサイルだとしていた。日本の稲田朋美防衛相も5月14日に発射したのと同じ中距離弾かその派生型だと語り、聯合ニュースによると、韓国の国家情報院もICBMではないと判断しているようだ。

そして7月29日、朝鮮中央通信はICBMの発射実験に成功したと伝えた。発射されたのは28日の深夜。「火星14」の改良型で、998キロメートル飛行、最高高度は3724.9キロメートルに到達、アメリカ本土の全域が射程に入ったと主張されている。が、アメリカのミサイル専門家、マイケル・エルマンによると、映像からミサイルの本体は再突入の後、高度4〜5キロメートルで分解しているように見え、まだ再突入の技術を獲得できていない。この2回のミサイル発射がICBMの実験だったとするならば、両方とも失敗だったと言えるだろう。

ロシアや中国と核戦争しようとしているアメリカの好戦派だが、朝鮮の失敗したICBMの実験には騒いで見せている。H. R. マクマスター国家安全保障補佐官は8月5日に「予防的戦争」、つまり先制攻撃を含むオプションがあると口にし、ドナルド・トランプ大統領は8日、世界が見たことのないような火と猛威を目にすることになると脅した。その8日には自衛隊のF-2戦闘機2機がアメリカのB-1爆撃機2機と演習のために九州の周辺を一緒に飛行したという。なお、マクマスターはネオコンのデビッド・ペトレイアスの子分、つまりヒラリー・クリントンに近い。

こうした脅しを受けた挑戦はグアム攻撃の可能性に言及したが、それ以上に注目すべきことは中国の艦隊演習。黄海で演習を繰り返し、バルト海ではロシアと合同艦隊演習を行っている。中国もアメリカが狙っている相手が自分たちやロシアだということを承知しているだろう。






最終更新日  2017.08.10 02:24:51


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