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《櫻井ジャーナル》

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2017.09.25
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ロシア国防省がアメリカ軍の特殊部隊とダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)との関係を示す衛星写真を公表した。同省によると写真は9月8日から12日にかけてデリゾールの北にあるダーイッシュの陣地を撮影したもので、そこにはアメリカ軍の特殊部隊が使う装甲車や装備が写っていると説明されている。アメリカ軍とダーイッシュとの関係は知られている話。それ自体は驚きでないが、ロシア軍が今の時点で公表したことは興味深い。





本ブログでも指摘しているようにダーイッシュの敗北は決定的だが、この戦闘集団はあくまでもアメリカ、イスラエル、サウジアラビアを中心とする勢力が編成した傭兵にすぎない。そこで、この3国同盟は新たなプロジェクトをスタートさせた。クルドを使った新たな侵略戦争だ。

イラクのクルドは遅くとも1960年代からイスラエルの指揮下にあり、その関係は今でも続いている。さらに、今年6月頃からはシリアのクルドがアメリカの影響下に入ったと伝えられてきたが、その情報は正しかったようだ。





現在、クルドはアメリカを後ろ盾にしてユーフラテス川より北の部分を支配、シリア政府軍の渡河を妨害している。クルド系のSDF(シリア民主軍)はシリア政府軍のユーフラテス川渡河を妨害するためにダムから放水、ハマの北東部ではアメリカを後ろ盾とする武装勢力がシリア政府軍を攻撃して包囲、ロシアの空軍と特殊部隊が反撃してアメリカ側の戦闘員850名が死亡、多くの戦闘車両が破壊されたという出来事があったことも本ブログでは伝えた。

リビアやシリアに対する侵略を始めたのはバラク・オバマ政権。2011年春のことだが、その翌年にはアメリカ軍の情報機関​DIA(国防情報局)が反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘する報告書​をホワイトハウスへ提出している。オバマ政権が主張していた「穏健派」は事実上、存在しないということだ。その中で、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。それがダーイッシュという形で現実になったのは2014年前半のことである。

こうした事態が影響したのか、報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将はダーイッシュが売り出された直後の2014年8月に退役させられてしまう。そのフリンは翌年の8月にアル・ジャジーラの番組へ出演、​ダーイッシュが勢力を拡大できたのはオバマ政権の政策によると発言​したが、これは事実である。

2015年9月30日にシリア政府の要請で軍事介入したロシア軍はダーイッシュやアル・カイダ系武装勢力を本気で攻撃、こうした傭兵部隊は劣勢になった。あくまでもシリア政府軍を叩き、バシャール・アル・アサド政権を倒すことを目的にしていたアメリカ軍とは戦争の目的が根本的に違ったのだ。手駒の傭兵が劣勢になるのを見て、オバマ政権は特殊部隊をシリア北部にある7つの基地へ派遣する。トルコ政府によると、アメリカはクルドが支配している地域に10カ所以上の軍事基地を建設済みだという。

サラフィー主義者が支配していた地域を現在、クルドが制圧しようとしているが、そのクルドにはアメリカのほかイスラエルとサウジアラビアが存在していることも公然の秘密。クルドの「独立国」が誕生したなら、そこは3国同盟の「満州国」になるだろう。そのためにもデリゾールでの戦闘は重要だった。

その戦闘を優位にするため、アメリカを後ろ盾とする武装勢力がハマの北東部でシリア政府軍を攻撃して包囲、ロシアの空軍と特殊部隊の反撃で多くの死傷者を出したわけだが、この戦闘はロシア軍とアメリカ軍が直接、衝突する可能性が高まったことを示している。そこで、​両軍の幹部が中東で差しの話し合い​をしたのだろう。

これまでロシア軍はイスラエル軍との交戦を避けてきたが、そうした状態が今後も続く保障はない。中東では圧倒的な軍事力を持つイスラエルだが、ロシアが相手ではひとたまりもないだろう。そこで​イスラエルにアメリカは恒久的な軍事基地を建設​、ロシアはシリアに基地を作るようだ。ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派は1992年にたてた世界制覇計画を強引に進めようとしている。日本にもアメリカ軍の恒久的な軍事基地がいくつもあるが、これは中国やロシアを締め上げるための出撃基地。明治時代から日本はダーイッシュと同じように、アングロ-シオニストの傭兵として扱われてきた。例外はアメリカでウォール街と対立していたニューディール派がホワイトハウスの主導権を握っていた期間だけだ。





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最終更新日  2017.09.25 04:49:45



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