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《櫻井ジャーナル》

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2018.01.19
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アメリカ軍はシリアに居座るとレックス・ティラーソン国務長官はスタンフォード大学でのスピーチで語った​。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)が復活するのを防ぎ、中東全域で政治状況を変化させることが目的だという。ちなみに、ダーイッシュをほぼ壊滅させたのは、シリア政府の要請で2015年9月30日に軍事介入したロシア軍だ。

現在、シリアへ侵攻、占領しているアメリカ軍の数千名(正確な数は不明)と言われ、14カ所に基地を建設したと伝えられている。このうち12カ所は北部、2カ所は南部にある。中にはイギリス軍、フランス軍、あるいはクルド系の武装勢力も使用している基地も存在する。シリア政府軍やロシア軍の攻撃を受けていた地域からアメリカ軍、あるいはCIAが救出したアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュの戦闘員の一部がそうした基地に運び込まれ、そこから出撃しているという情報もある。

シリアに対する侵略戦争が始まったのは2011年3月のことだが、その前の月にリビアでも戦闘が開始されている。​リビアにおける反政府軍の主力はLIFGだが、この組織はアル・カイダ系​。途中、NATO軍と連携していることも明白になった。

しかも、2011年10月にムアンマル・アル・カダフィが惨殺された後、反カダフィ勢力の拠点だった​ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗​が掲げられ、その様子はYouTubeにアップロードされた。その事実を​デイリー・メイル紙​も伝えている。

2001年9月11日移行、「アル・カイダ」はテロリストの象徴になり、アメリカが軍事侵略する口実に使われていたが、元々は1970年代の終盤からアメリカが始めたアフガニスタンでの秘密作戦から生まれた代物。1997年5月から2001年6月までイギリスの外務大臣を務めた故ロビン・クックが2005年7月に指摘したように、​アル・カイダはCIAが訓練した「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル​にすぎない。アル・カイダはアラビア語でベースを意味するが、「データベース」の訳語としても使われる。ちなみに、この指摘をした翌月、クックは保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて死亡した。享年59歳だ。

ダーイッシュは2014年に売り出された武装集団だが、その2年前、2012年8月にそうした勢力の登場は警告されていた。リビアのカダフィ体制が倒された後、リビアからシリアへ戦闘員と武器/兵器がシリアへ運ばれていることが発覚、バラク・オバマ大統領は「穏健派」をなるタグを持ち出して誤魔化そうとした。自分たちが支援している反シリア政府軍は「穏健派」だから問題ないというわけだ。

しかし​、DIA(国防情報局)は2012年8月、反シリア政府軍の主力はサラフィ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団だと指摘​、つまりバラク・オバマ政権が宣伝していた「穏健派」は存在しないとホワイトハウス向けの報告書に書いているのだ。しかも、東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告されていた。つまり、ダーイッシュの出現を見通していたのだ。本ブログでは何度も書いてきたが、この報告書が作成された当時のDIA局長がマイケル・フリン中将。ドナルド・トランプ政権の最初の国家安全保障補佐官だ。

現在、アメリカ軍やCIAはシリア政府軍と戦う新たな戦闘集団を編成しているようだが、その中にはダーイッシュの戦闘員や幹部も含まれている。シリアでの不法占領を継続する理由としてダーイッシュを持ち出すのは笑止千万な話だ。

アル・カイダ系武装勢力やダーイッシュがシリア政府軍やロシア軍に敗北した後、アメリカ政府は新たな手先としてクルドを使おうとしている。それに反発、すでにクルド系武装勢力に対する攻撃を始めているのがトルコだ。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は2016年6月下旬、15年11月24日のトルコ軍機によるロシア軍機の撃墜を謝罪してロシアへ接近している。そして2016年7月15日にエルドアン政権の打倒を目的とした武装蜂起があったが、これは失敗する。武装蜂起の直前、ロシアからクーデター計画に関する情報がトルコ政府へ伝えられたとも言われている。

このクーデター計画の背後にはアメリカでCIAに保護されているフェトフッラー・ギュレンがいて、アメリカ中央軍のジョセフ・ボーテル司令官やジョン・キャンベルISAF司令官が関係しているとトルコ政府は主張している。

アメリカ軍やCIAはトルコ軍とクルド勢力との軍事衝突を防ぎたいかもしれないが、アメリカ軍とトルコ軍、NATOに加盟するふたつの国の軍隊が衝突する可能性もある。このまま軍事的な緊張が高まった場合、周囲を敵に囲まれた形になるクルド勢力とアメリカ軍はどのように戦うつもりなのだろうか?





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最終更新日  2018.01.19 00:01:13



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