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《櫻井ジャーナル》

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2018.11.07
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 アメリカの支配層はフェイク・ニュースで人心を操作している。その重要な道具が有力メディアだということは言うまでもない。日本にはアメリカの有力メディアを「言論の自由」の象徴だと錯覚、崇拝している人もいるようだが、実態はプロパガンダ機関、つまりフェイク・ニュースの発信源だ。

 第2次世界大戦が終わった直後に情報をコントロールする目的でモッキンバードというプロジェクトが始められたことは本ブログでも繰り返し書いてきたが、1991年12月にソ連が消滅した後、西側ではあからさまな偽情報が伝えられるようになった。これはウォルフォウィッツ・ドクトリンに基づくネオコンの世界制覇計画と連動している。

 有力メディアが戦争熱を煽るが、1993年にアメリカ大統領となったビル・クリントンは戦争に消極的。そうしたこともあり、この年の9月2日には有力者の公開書簡がウォール・ストリート・ジャーナル紙に掲載された。署名した有力者にはイギリスのマーガレット・サッチャー元首相、アメリカのジョージ・シュルツ元国務長官、フランク・カールッチ元国防長官、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官、ポール・ニッツェ、ジョージ・ソロス、あるいはネオコンとして知られているジーン・カークパトリック、アルバート・ウールステッター、ポール・ウォルフォウィッツ、リチャード・パールが含まれていた。その後、クリントン大統領はスキャンダルで苦境に陥る。

 クリントン政権が好戦的な方向へ開示を切ったのは、ヒラリー・クリントンの友人でブレジンスキーの教え子でもあったマデリーン・オルブライトが国務長官へ就任した1997年1月以降。オルブライトは1998年秋にユーゴスラビアへの先制攻撃を支持すると表明した。

 1998年10月にクリントン大統領はリチャード・ホルブルックをユーゴスラビアへ派遣、コソボから軍隊を引き揚げなければ空爆するとスロボダン・ミロシェビッチ大統領を脅し挙げた。ミロシェビッチは10月の終わりに撤退計画を発表しているが、アメリカ支配層は空爆へ突き進む。

 コソボにあるユーゴスラビアの警察署で45名が虐殺されたという話が1999年1月に流されるが、これは嘘だった。死者が出たのは警察側とKLA(コソボ解放軍、UCKとも表記)との戦闘の結果で、その様子はAPのテレビ・クルーが撮影していた。

 偽情報の発信源であるウィリアム・ウォーカーはアメリカの元エル・サルバドル駐在大使。大使時代の1989年にエル・サルバドルではカトリックの指導的立場にあった司祭6名とハウスキーパーやその娘がエルサルバドル軍によって殺害されたが、この事件に関する調査をウォーカーは妨害している。教会が脱出させようとした目撃者にウォーカーたちは接触し、証言内容を変えなければエルサルバドルに送り返すと脅したのだ。そして1999年3月、NATO軍はユーゴスラビアに対して全面攻撃を加えた。

 なお、1999年3月にクリントン大統領を追及していた検察側の中心的な証人反クリントン・キャンペーンを展開しているグループからカネを受け取っていることが判明、検察側が偽証工作を行った疑惑も出て来た。(Murray Waas, 'Behind the Clinton cocaine smear,' SALON, March 26, 1998)

 2003年3月にジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃するが、その口実にされた「大量破壊兵器」の話が嘘だということはブッシュ政権の閣僚たちも認めている。その嘘でイラクは破壊され、100万人程度の市民が殺されたと推測されている。

 バラク・オバマ大統領が2011年にアル・カイダ系武装勢力(サラフィ主義者やムスリム同胞団が中心)を使ってリビアやシリアへの侵略戦争を開始、リビアではNATO軍がその武装勢力を空爆で支援した。この辺の事情は本ブログで繰り返し書いてきたので、今回は割愛する。この侵略戦争では人権や民主といったタグが使われたが、いずれも嘘だった。

 オバマ政権は2013年から14年にかけてウクライナでクーデターを実行している。その手先になったのはネオ・ナチ。民主的に選ばれた政権を暴力的に排除、今でも破壊と殺戮を続けている。このクーデターをロシアからの侵略だと宣伝してきたのも西側の有力メディアだ。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィは8カ月ほどで倒されたが、シリアのバシャール・アル・アサド政権は倒れない。オバマ政権が直接的な軍事介入の準備を整えた2015年にロシア軍がシリア政府の要請で介入、アメリカなど侵略勢力の手先になっていたアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)の支配地域は急速に縮小、アサド政権の打倒は無理な状況になっている。

 アメリカ支配層は富を独占するために破壊と殺戮を繰り返し、その実態を隠すためにフェイク・ニュースを流し、その嘘を暴く情報を「フェイク・ニュース」だと攻撃してきた。事実をチェックすれば有力メディアの嘘はすぐわかるのだが、権威好きの人びとには有力メディアのフェイク・ニュースは効果的なようだ。

 アメリカの支配層にはビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、ドナルド・トランプといった歴代大統領も含まれている。支配層には一種の派閥があり、今は対立が激しくなっている。オバマやヒラリー・クリントンを担いだ勢力はトランプやウラジミル・プーチンを悪役に仕立て上げ、自分たちは善人づらしているが、フェイク・ニュースという点ではこの反トランプ派の方があくどい。

 こうした反トランプ派の有力メディアが展開してきたロシアゲートは証拠が示されていない。単なる言いがかり。いや、証拠はそれがフェイク・ニュースだということを示しているのだが、アメリカの有力メディアを崇拝している人にはその実態が見えていない。

 第2次世界大戦後、そうしたフェイク・ニュースをつかった人物がアメリカで猛威を振るった。その人物とは上院議員だったジョセフ・マッカーシー。その背後にはFBI長官だったJ・エドガー・フーバーがいた。「マッカーシー旋風」はマッカーシー上院議員だけで行ったわけではない。

 フーバー長官は映画の影響力を認識、ハリウッドの情報収集と弾圧を展開する。そのときに手先になったひとりがロナルド・レーガン。後のアメリカ大統領だ。ハリウッドはカリフォルニア州にあるが、1943年から53年にかけてカリフォルニア州知事を務めたのが後にジョン・F・ケネディ大統領暗殺に関する委員会の委員長に就任するアール・ウォーレン。その関係でフーバーとウォーレンは関係が深かった。言うまでもなく、現在のハリウッドは支配層の宣伝機関、偽情報の発信源にすぎない。






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最終更新日  2018.11.07 00:20:41



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