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《櫻井ジャーナル》

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2019.03.09
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 ベネズエラで3月7日に大規模な停電があった。グリ水力発電所が電力を供給できなくなったことが原因で、国の大半が影響を受けたという。ニコラス・マドゥロは破壊活動があったとしている。

 詳細は不明だが、何らかの破壊活動があっても不思議ではない状況だとは言える。現在、アメリカ政府はマドゥロ政権を倒す工作を実行中で、その指揮官に任命されたのはエリオット・エイブラムズ。

 ウゴ・チャベスが大統領選挙に勝利した1998年からアメリカ支配層は政権を倒すために何度かクーデターを試みている。そのひとつが​2002年のもの​だが、その黒幕はオットー・ライヒ、ジョン・ネグロポンテ、そしてエイブラムズだ。

 ライヒはキューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務め、ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在大使としてニカラグアの革命政権に対するCIAの秘密工作に協力、2001年から04年までは国連大使、04年から05年にかけてはイラク大使を務めた。

 エイブラムズもニカラグアの秘密工作に参加している。CIAの工作には麻薬取引がつきもので、ニカラグアを含むラテン・アメリカの場合はコカインが利用された。

 ニカラグアの工作は周辺国、例えばエル・サルバドルでの工作と一体の関係にある。そのエル・サルバドルで実行された「汚い戦争」ではCIAの手先になっていた軍人や警官が1980年3月にカトリックのオスカル・ロメロ大司教を暗殺、その年の12月にはカトリックの修道女ら4名を惨殺、81年12月にはエル・モソテの村で住民900名から1200名を殺している。

 ​2月13日に下院の外交委員会へ出席したエイブラムズ​はイルハン・オマール下院議員からエル・モソテの村での虐殺について1982年2月に上院外交委員会で虚偽の証言をした過去を指摘された。

 エイブラムズはイラン・コントラ事件と自身の関わりについて議会へ情報を隠した罪を1991年に認めているが、ジョージ・H・W・ブッシュ大統領の恩赦で刑務所行きを免れた。破壊、殺戮、麻薬取引を含む秘密工作に連座していた人物が今、ベネズエラのマドゥロ政権転覆工作を指揮しているのだ。

 アメリカ支配層はマドゥロとすげ替える人物としてフアン・グアイドを用意しているが、庶民を中心とする国民の多数はマドゥロを支持、軍もアメリカの説得に応じなかったと言われている。2月23日には「人道的援助物資」の演出も失敗した。イギリスの富豪が主催するコンサートで人を集めることもできなかった。国民を揺さぶり、何らかの工作の前段階として停電を仕掛けても不思議ではない状況にベネズエラはある。






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最終更新日  2019.03.09 03:20:09



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