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《櫻井ジャーナル》

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2019.05.07
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 アメリカ海軍は2隻の駆逐艦、プレブルとチャン・フーンを5月6日に南シナ海南沙諸島近く、中国が領有権を主張する海域へ入れ、航行させた。その前日、ドナルド・トランプ米大統領はツイッターに、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日に現在の10%から25%へ引き上げると投稿している。恫喝はアメリカ支配層の常套手段だ。

 現在の情況は貿易戦争と表現されるようだが、その原因はアメリカの経済政策にある。1971年8月にリチャード・ニクソン大統領はドルと金との交換停止を発表、ドルが金と公定価格で交換できるとう前提で成り立っていたブレトン・ウッズ体制は崩壊、世界の主要国は変動相場制へ移行したのだが、そうした移行の原因はアメリカ経済の破綻。

 金という裏付けをなくしたドルが基軸通貨から陥落させないようにドルをアメリカへ還流させる仕組みが考えられた。その象徴がペトロダラー。石油取引の決済をドルに限定させることで各国にドルを集めさせ、産油国に集まったドルをアメリカ国債や高額兵器を購入させるという形で還流させるというものだ。その代償として産油国の支配者は安全と富を保証される。

 日本もアメリカへ製品を売ってドルを受け取り、そのドルをアメリカ国債や高額兵器という形で還流させている。問題は、還流していくドルの源泉は企業の儲けではなく庶民の収入ということ。大企業がアメリカとの取り引きで儲けるほど日本の庶民は貧しくなっていく。

 アメリカは生産でなくドルを発行することで製品を手に入れる金融マジックを導入、そのマジックを広めるために広められた「理屈」が新自由主義だと言えるだろう。投機市場も資金を実社会から吸い上げるのに利用されている。投機バブルとはハイパーインフレの別形態だ。

 当然のことながらアメリカ国内では生産分野の仕事が減り、庶民の生活水準は下がっていく。1980年代の問題化した際、その責任を押しつけられたのが日本だった。今は中国だ。

 その中国は急速に技術力を向上させ、アメリカが世界支配に使ってきたエレクトロニクスの分野も中国の存在感が強まっている。

 昨年7月、カナダ東部のノバスコシアでアングロ・サクソン系5カ国、つまりアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの情報機関幹部がカナダのジャスティン・トルドー首相と会談している。

 そして中国のエレクトリニクス技術を安全保障上の脅威だとして取り引きを規制し始め、12月1日にバンクーバーの空港でカナダ当局が中国の大手通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズのCFO(最高財務責任者)である​孟晩舟を逮捕​した。この人物は同社の創業者である任正非の娘だ。中国との交渉を有利に進めるための人質ということだろう。

 しかし、中国とアメリカとの対立は貿易収支が問題なのではない。中国はロシアと連携、世界の交易システムを根本的に変えようとしている。このまま進めばドル体制は崩壊、ドル体制が崩壊すればアメリカは破綻する。その破綻が遠くないと考えている人は少なくない。いや、すでに破綻したと考えている人もいる。






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最終更新日  2019.05.07 19:13:13



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