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《櫻井ジャーナル》

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2019.10.01
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 サウジアラビアの南西部地域にあり、イエメンとの国境に近い​ナジュランでイエメンのフーシ派軍はサウジアラビアの3旅団を壊滅させたと9月29日に発表​、その際に映像も公開している。

 フーシ派によると、戦闘でサウジアラビア軍の戦闘車両を相当数破壊し、200名から500名の兵士を殺害、約2000名を拘束したという。この攻撃は偵察を含め、数カ月をかけて準備、サウジアラビアの内部に協力者のネットワークが存在すると見られている。






 9月14日に18機のUAV(無人機。ドローンとも呼ばれる)と7機の巡航ミサイルでサウジアラビアのアブカイクとハリスにあるアラムコの石油処理施設を攻撃したとフーシ派は発表、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官はイランによるものだと主張、モハメド・ビン・サルマン皇太子のほかイギリス、フランス、ドイツも同意しているが、今回の攻撃で9月14日の攻撃もフーシ派の発表が正しい可能性が高まった。

 これまでもアメリカやイスラエルはフーシ派の部隊だけでなく、イエメンの一般市民を爆撃や兵糧攻めで殺害してきた。その相手の反撃でサウジアラビアが厳しい状況に陥ったのだが、勝利が見えない情況でアメリカやイスラエルが本格的な軍事介入に踏み切る可能性は小さいと見られている。

 戦況はアメリカやイスラエルにとって好ましくない方向へ動いているわけだが、それだけでなく、今回の攻撃はアメリカ製の防空システムが無能だということも明らかにした。前にも書いたことだが、破壊された石油施設の周辺には88基のMIM-104 ペトリオット・システムが配備されていて、そのうち52基は日本も導入を進めているという新型のPAC-3だった。しかもペルシャ湾にはアメリカ海軍に所属する3隻の駆逐艦(イージス艦)がいた。

 湾岸戦争の際、ペトリオット・システムによる撃墜率は70%だとアメリカは主張したが、実際は10%以下だったとされている。

 それに対し、ロシア製の防空システムは7割という実績がある。2017年4月にアメリカ海軍の駆逐艦、ポーターとロスが地中海から発射した巡航ミサイル(トマホーク)59機のうち6割を無力化、18年4月にはアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍が多方面から発射した100機以上のミサイルのうち7割を無力化した。これはロシア側の発表なのだが、被害情況から、発表は概ね正しいと見られている。短距離用の防空システムのパーンツィリ-S1が効果的だったようだが、ECM(電子対抗手段)が使われたという推測もある。

 ネオコンをはじめとするアメリカの好戦派による軍事力の行使はアメリカの軍事的な脆弱さとロシア軍の優秀さを示すことになっている。自らの軍事力を過信してイエメンへ軍事介入したサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子は厳しい状況に陥った。

 ビン・サルマンは国内のライバルを2017年17日に拘束、弱体化させたが、これは敵を増やすことにもなっている。9月28日にサルマン・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド国王の個人的な警護の責任者だったアブドル・アジズ・アル・ファガム少将が射殺された。その数日前に解任されていたという。

 ジェッダにある友人の家で個人的な諍いから殺されたとされているが、モハメド・ビン・サルマン皇太子に嫌われていたと言われ、権力抗争による暗殺という見方がある。殺害現場は宮殿だとも言われている。真相は明確でないが、サウジアラビア国内が不安定化しているとは言えそうだ。






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最終更新日  2019.10.01 12:31:10



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