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レバノンの首都ベイルートの港で大きな爆発があってから9日後、アラブ首長国連邦とイスラエルが国交を「正常化」するとアメリカのドナルド・トランプ大統領が発表した。パレスチナに対する裏切りだという声もあるが、はるか以前からパレスチナ人は見捨てられている。パレスチナ人は人権も自由も民主主義も認められていない。 合意の条件として、イスラエルはヨルダン川西岸の併合を停止するとされたが、イスラエルはこの説明を否定、イスラエル駐在アメリカ大使のデイビッド・フリードマンは併合が永遠に行われないわけではないと語っている。 アメリカの政治家は大半が「親イスラエル派」。昨年、ジェフリー・エプスタインとその妻だったギスレイン・マクスウェルを中心とする犯罪が問題になった。未成年の女性などを世界の有力者へ提供、その様子を隠し撮りして脅しに使うというものだ。 そうした工作に使われていた女性のひとり、バージニア・ゲファーが告発したことで発覚したのだが、そうしたことが行われていることは知られていた。同じようなことを強いられていた女性の母親が2005年にフロリダの警察へ訴えているのだ。 訴えを受け、警察は13カ月にわたって捜査、家宅捜索も行われてエプスタインは逮捕されている。その時に事件を担当した地方検事がトランプ政権で労働長官を務めたアレキサンダー・アコスタである。 本来なら厳罰に処せられるはずだが、懲役18カ月。しかも収監された場所は州刑務所ではなく郡の収容所。3カ月半後からは週6日、1日に12時間はワーク・リリース(仕事のために外部の仕事場へ出られる)が認められた。 通常ではありえないほど軽い刑罰ですんだわけだが、アコステによると、エプスタインは「情報機関に所属している」ので放っておくように彼は言われたという。 イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、エプスタインとギスレイン、そしてギスレインの父親でミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルの3名はいずれもイスラエル軍の情報機関(アマン)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019) つまり、エプスタインやマクスウェル親子は世界の有力者を恐喝するイスラエルの仕組みに組み込まれていたのだが、彼らと親しくしていたことで知られている有名人の中にはドナルド・トランプ、ビル・クリントン、アンドリュー王子、ローレンス・サマーズ、ビル・ゲイツも含まれている。 エプスタインが逮捕されて間もない昨年7月31日、ニューヨーク・タイムズ紙は彼がニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたと伝えたが、ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから優生学的な実験を行おうとしていたのではないかとも言われている。 ターゲットの有力者を操るため、イギリス、アメリカ、イスラエルなどの情報機関は買収、恐喝、暗殺を使ってきた。それでも駄目な場合はクーデターによる体制転覆だ。そして世界の有力者はイギリス、アメリカ、イスラエルの支配者の言いなりになる。 2016年の大統領選挙でトランプに多額の寄付をしていたカジノ経営者のシェルドン・アデルソンはイランを核兵器で攻撃すべきだと2013年に主張している。アデルソンがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しいことも有名だ。 しかし、前回の大統領選挙でトランプのライバルだったヒラリー・クリントンもシオニストの一派、ネオコンと緊密な関係にあった。ジョージ・ソロスから政策面で指示を受けていたことも判明している。彼女は上院議員時代からロッキード・マーチンという巨大軍需企業の代理人だと言われ、金融資本とも密接な関係にあった。 議員の大半がイスラエルに従属していることもあり、アメリカでは「1995年エルサレム大使館法」という法律がある。エルサレムがイスラエルの首都だと認めた上で、1999年5月31日までにそこへ大使館を建設するべきだというのだ。 この法律は歴代大統領の判断もあって実現しなかったのだが、2017年6月にアメリカ上院はその法律を再確認する決議を賛成90、反対0、棄権10で採択している。 それでもイスラエルの犯罪的な行為を批判する政治家もいるが、そうした人びとは有力メディアから「反セム主義」と批判される。そうした政治家を含む人びとの一部はイスラエルに対するBDS(ボイコット、資本の引き揚げ、制裁)を展開しているが、これは効果があるようで、親イスラエル派のマルコ・ルビオ米上院議員などはBDSを法的に禁止しようとしてきた。 アラブ首長国連邦を含むペルシャ湾岸の小さな産油国はイギリス、アメリカ、フランスなど欧米の巨大資本の利権を守るためにでっち上げられた代物。アラブ首長国連邦がイスラエルにすり寄っても不思議ではない。それが本音だからだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.08.20 14:40:50
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