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《櫻井ジャーナル》

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2020.11.01
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 ​スーダンとイスラエルとの「国交正常化」に合意したとドナルド・トランプ米大統領が10月23日に発表​した。エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦、バーレーンに次いでイスラエルを通常の国と認めたアラブ国になったということだ。

 しかし、今回、スーダンの暫定政府が行った決定に対する反発は国民の間で強く、議会からは暫定政府への支持を止めるとする声も聞こえてくる。勿論、イスラエルによる侵略、破壊、殺戮、占領で苦しめられてきたパレスチナ人はそれ以上に反発している。

 こうした合意に至った理由は、有り体に言うならば、トランプ政権の脅しが機能したということだ。経済戦争を仕掛けているうえ、COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を口実にした政策で経済活動が麻痺し、スーダンのような国々は厳しい状況に陥った。

 イスラエルとの関係を「正常化」しなければ、スーダン国民を飢えさせるとアメリカ政府は脅したのだが、今回の合意の褒美としてイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は500万ドルの食糧支援を公表したと伝えられているが、単なるパフォーマンスにすぎず、スーダンの経済を立て直すつもりはないだろう。そのようなことをしたなら、スーダンを支配するメリットがないからだ。アメリカやイスラエルが過去に行った手口を見ても、そうしたことは言える。

 ジョージ・W・ブッシュ政権時代、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターやバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから数週間後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺はスーダンを攻撃対象国リストに載せていた。そのほかの国はイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、イラン。このうちイラク、シリア、イランは、遅くとも、1980年代からネオコンが殲滅すると主張していた。繰り返し書いてきたことだが、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官によると、1991年には国防次官だったポール・ウォルフォウィッツもイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。(​3月​、​10月​)

 スーダンを苦しめている一因は戦争にあるのだが、その原因は石油。1974年にアメリカの巨大石油会社シェブロンが油田を発見したが、90年代の終盤になるとスーダンでは自国の石油企業が成長、アメリカの石油企業は利権を失っていく。しかも中国やインドなど新たな国々が影響力を強めていった。

 そうした中、スーダンの南部ではSPLM(スーダン人民解放軍)が反政府活動を開始する。SPLMを率いていたジョン・ガラングはアメリカのジョージア州にあるアメリカ陸軍のフォート・ベニングで訓練を受けた人物。スーダンの内戦は1983年から2005年まで続き、11年に南部が独立している。

 フォート・ベニングにはラテン・アメリカ各国の軍人をアメリカの傭兵として訓練する施設、WHINSEC(かつてはSOAと呼ばれた)も存在している。ラテン・アメリカで民主政権を倒し、アメリカの巨大資本の利権にとって不都合な人びとを殺した軍人たちの大半はここで訓練された。ここでの訓練には自衛官も参加している。

 スーダンの西部、ダルフールでも資源をめぐる戦闘が2003年から激化した。当初、欧米の国々は南スーダンの石油利権に集中、ダルフールの殺戮を無視していたが、ネオコンはダルフールへ積極的に介入する。その資源に目をつけた隣国チャドの政府が反スーダン政府のJEM(正義と平等運動)へ武器を供給したことも戦闘を激化させる一因だったが、チャドの背後にはイスラエルが存在していると生前、リビアのムアンマル・アル・カダフィは主張していた。






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最終更新日  2020.11.01 00:21:04



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