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《櫻井ジャーナル》

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2021.07.15
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 世界的な規模で社会が収容所化が進んでいる。そうした中、強大な私的権力に近い大企業は大儲けしているが、規模が中程度より小さい企業や個人は経済的に厳しい状況に陥った。必然的に失業者やホームレスが増加し、そして自殺者も増え、教育システムも混乱している。

 こうした状況を生み出した「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)」が出現したのは2019年12月の終わりだ。中国の湖北省武漢でSARSと似た重症の肺炎患者9名ほどが病院に運び込まれ、騒動は始まったのである。

 年が明けて2020年1月22日に中国の国務院は記者会見を開く。そこで中国疾病予防抑制センター主任の高福は感染源を海鮮市場で販売された野生動物だという見方を示した。その見方をWHO(世界保健機関)などは受け入れ、NIAID(国立アレルギー感染症研究所)のアンソニー・ファウチもそうした見方をしていた。

 ところが、そのファウチと連携してきたジョー・バイデン現大統領はここにきて意見を変えた。ドナルド・トランプと同じように、「SARS-CoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)」は武漢にある中国科学院の武漢病毒研究所から漏れ出たと言い始めたのである。

 トランプはCOVID-19蔓延の責任は中国にあると主張、中国を攻撃する材料にした。バイデンもトランプと同じように中国に対するさまざまな圧力を強めているので、同じことを言い始めたのかもしれないが、武漢病毒研究所から漏れたと主張することは「ウジ虫の缶を開ける」ことになるとも言われている。

 本ブログでも書いてきたが、アメリカの私的権力は高福や中国の研究者と関係が深く、武漢病毒研究所の研究内容にも関与している。例えば高福はCOVID-19騒動が始まる直前、2019年10月18日にビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターがニューヨークで開催したコロナウイルスが全世界で流行するという設定のシミュレーション「イベント201」に「プレーヤー」として参加していた。

 それ以上に注目されているのが石正麗という研究者。石はノースカロライナ大学のラフル・バリックと共同で、2015年11月にSARS1ウイルスのスパイク・タンパク質をコウモリのウイルス(SHC014-CoV)のものと取り替えて新しいウイルスを作り出すことに成功している。コウモリのコロナウイルスを操作してほかの種を攻撃させる方法をバリックは石に教えたともいう。

 危険な研究を行っていたと言え、2014年10月にバラク・オバマ政権はそうした研究に対する資金の提供を止めている。ところがNIAIDは「エコヘルス連合」のピーター・ダスザクを介して石正麗へ資金を提供しつづけていた。アメリカ人の資金と命令で中国人が細菌兵器の開発をしていたという構図だ。武漢病毒研究所を問題にすると「ウジ虫の缶を開ける」ことになるという意味はここにある。







 2014年にオバマ政権がロシアと中国に揺さぶりをかけている。2013年11月から14年2月にウクライナでネオ・ナチを利用したクーデターを成功させた。ウクライナを制圧することでロシアとEUを分断、双方を弱体化させようとしたのだ。この年の2月7日から23日にかけてロシアのソチでは冬期オリンピックが開催され、ロシア政府は動きにくかった。そのタイミングを狙ったわけだ。同じ年の9月から12月にかけてはイギリスと手を組み、香港で佔領行動(雨傘運動)を仕掛けている。

 ところが、オバマ政権の思惑とは違い、ロシアと中国は急接近し、今では「戦略的同盟関係」にある。アメリカや日本には、ロシアと中国が手を組むことはありえないと考え、すぐに仲違いするはずだと言い張る人もいた。世界情勢が見えていなかったようだ。

 2014年に中国はアメリカから距離を置くようになり、一帯一路(または帯路構想)を打ちだしてくる。「陸のシルクロード」と「海のシルクロードで」交易を盛んにし、世界を安定化させようという計画だ。この計画をユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)と連結させると2015年に中国とロシアは宣言している。

 その前からロシアはパイプライン、道路、鉄道などの物流を支えるインフラを朝鮮半島の南端まで延ばそうとしていた。ドミトリ・メドベージェフ首相は2011年にシベリアで朝鮮の最高指導者だった金正日と会い、110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案、合意に達している。

 朝鮮がロシアのプランに同意すれば、シベリア横断鉄道を延長させて朝鮮半島を縦断、釜山までつなげることが可能だ。この構想が完成すれば、釜山からハンブルグまで鉄道や道路でつながることになる。これはユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸部を締め上げるというアメリカやイギリスの長期戦略にとって脅威だ。

 状況の変化を受け、動いたのがヘンリー・キッシンジャー。2016年2月10日にキッシンジャーはロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談して軌道修正を図った。そして台頭してきたのがドナルド・トランプである。

 しかし、ネオコンは軌道修正を拒否したようで、バーニー・サンダース潰しだけでなくトランプに対する攻撃を強め、ロシアとの関係を悪化させる動きを鮮明にした。2015年には民主党の上層部や私的権力の中で、ヒラリー・クリントンを次期アメリカ大統領に据えることを決めていたと見られている。そのヒラリーの側近として知られているマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月、​チャーリー・ローズのインタビュー​でロシア人やイラン人に代償を払わせるべきだと語り、司会者からロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われると、その通りだと答えている。元CIA副長官がロシア人を殺すと公言したわけだ。

 そしてロシアの幹部外交官が死んでいく。2016年11月にニューヨークのロシア領事館で副領事の死体が発見され、12月にはトルコのアンカラでロシア大使が射殺され、ロシア外務省ラテン・アメリカ局の幹部外交官が射殺され、KGB/FSBの元幹部の死体が自動車の中で発見された。2017年1月にはギリシャのアパートでロシア領事が死亡、インドでロシア大使が心臓発作で死亡、そして2月にはロシアの国連大使だったビタリー・チュルキンが心臓発作で急死した。その間、2016年9月6日にはウラジミル・プーチンの運転手が載った自動車へ暴走車が衝突、その運転手は死亡している。またモレル発言の前、2015年11月にはアメリカ政府が目の敵にしてきたRTを創設した人物がワシントンDCのホテルで死亡した。

 2016年の大統領選挙では民主党幹部を含むサンダース潰しが露見したこともあり、トランプが勝利。それに対してオバマは任期が終わる直前の2016年12月、外交官35名を含むロシア人96名を追放した。その一方で司法省、FBI、CIAは「ロシアゲート」キャンペーンを始める。

 オバマ政権は2010年からジハード傭兵を使い、中東や北アフリカで体制転覆工作を開始、11年春にはリビアやシリアへの侵略戦争を始めたが、12年5月にウラジミル・プーチンがロシア大統領に復帰すると状況が一変、オバマ政権はジハード傭兵に対する支援を強化する。

 ところが、アメリカ軍の情報機関​DIA(国防情報局)は2012年8月、その支援を危険だと警告する報告をオバマ政権へ提出​している。シリアで政府軍と戦っているのはサラフィ主義者、ムスリム同胞団、アル・カイダ系のアル・ヌスラ(報告書はAQIと同じと指摘している)であり、オバマ大統領が言うような「穏健派」は存在しないとしている。反政府軍を支援し続けるなら東部シリア(ハサカやデリゾール)にサラフィ主義者の支配国が作られる可能性があるとも警告した。この警告は2014年に「ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)」という形で現実になった。この当時のDIA局長がマイケル・フリン中将で、トランプ大統領は国家安全保障補佐官に据えた人物。2014年の8月にDIA局長を解任された。フリンが民主党や有力メディアから激しく攻撃されて解任されたが、その一因はここにあるだろう。

 2015年に入るとオバマ大統領は政府を好戦的な陣容に変える。2月に国防長官がチャック・ヘーゲルからアシュトン・カーターへ交代、9月に統合参謀本部議長がマーチン・デンプシーからジョセフ・ダンフォードへ交代したのだ。

 ヘーゲルは戦争に慎重だったが、カーターは2006年にハーバード大学で朝鮮空爆を主張した人物。シリアからバシャール・アル・アサド大統領を排除しようとしていたバラク・オバマ大統領とは違い、サラフィ主義者やムスリム同胞団を危険だと考えていたデンプシーはシリア政府と情報を交換していたと言われている。デンプシーが議長を退いて間もない9月末、ロシアはシリア政府の要請で軍事介入、ダーイッシュやアル・カイダ系武装集団は敗走しはじめた。そこでアメリカはクルドと手を組み、自国軍の部隊をシリアへ侵攻させ、基地を建設している。

 石正麗とラフル・バリックが共同でキメラ・ウイルスを作り出したのはこうした時期だが、遅くとも2013年からロシアはアメリカがロシアの周辺に生物兵器の研究施設を建設していると批判していた。そうした兵器をアメリカは使おうとしているとしていたのだ。

 プーチンの側近として有名なセルゲイ・グラジエフはSARS-CoV-2について「有名なアメリカの研究所」で人工的につくられたものだと語っている。その製造を命令したのはアメリカの金融資本と緊密な関係にある財団で、そのウイルスは武漢の研究所へ運び込まれ、そこから環境中へ散布されたとしている。

 証拠は示されていないが、説得力のある話だ。これが事実なら、アメリカは「重症急性呼吸器症候群」を引き起こす病原体を5G(第5世代移動通信システム)を実験していた武漢で撒いたことになるが、その工作に武漢病毒研究所の研究員が協力していることにもなる。この病原体で中国を混乱に陥れようとした可能性は否定できない。なお、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は2019年9月6日に北京で習近平国家主席と会談しているが、その翌日に武漢を訪れている。

 本ブログでも何度か書いたが、ソ連の消滅にはアメリカのCIA人脈が深く関与している。ミハイル・ゴルバチョフの下で政治警察局を指揮していたフィリップ・ボブコフは「ペレストロイカ」の生みの親だと言われているが、KGB(国家保安委員会)の同僚だったアレクセイ・コンドーロフと同じように、ジョージ・H・W・ブッシュを含むCIAのネットワークと連携していたとされている。有り体に言うなら、買収されていた。

 ゴルバチョフを失脚させるためのクーデターをKGBのウラジミル・クリュチコフがビクトル・チェブリコフの下で計画、成功した。チェブリコフは1982年から88年までKGB議長を務めていた人物で、ボブコフもその配下。チェブリコフのグループはミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェルと手を組んでいたとされている。

 クーデターの直前、マクスウェルは自身が所有するヨットの上でクリュチコフと会い、工作資金を持ってソ連へ入っている。マクスウェルはイスラエル軍の情報機関に所属していたとされているが、ロバートの娘のギスレイン、その娘と親しい関係にあったジェフリー・エプスタインも同じようにイスラエル軍の情報機関の下で働いていた。

 同じことをアメリカの私的権力が中国に対して行っていた可能性は小さくない。中国は2014年までアメリカの影響下にあり、中国の実業家や研究者はアメリカの資金にどっぷり浸かっていたはずで、手先はいる。その関係がすぐに解消されるとは思えない。






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最終更新日  2021.07.15 13:36:01



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