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《櫻井ジャーナル》

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2021.12.11
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 イギリスの控訴裁判所は12月10日、ウィキリークスのジュリアン・アッサンジをアメリカへ引き渡すことを認める判決を出した。下級審が今年1月4日に出した引き渡しを認めない判決を覆したわけである。

 もっとも、下級審の判事も戦争犯罪を含む権力犯罪を明らかにすることは重罪だとするアメリカ側の主張を認めていた。ただ、アッサンジの健康状態が悪いことや自殺の可能性から引き渡し要求を認めなかっただけだ。

 アメリカやイギリスなどの国では「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)」の件でも政府やその背後にいる私的権力の意向に反する情報に対する検閲を強化している。これまでも「言論の自由」はふらついていたが、私的権力は止めを刺しに来たようだ。

 今回の判決でアッサンジはアメリカで懲役175年が言い渡される可能性が出てきたが、アメリカの言論弾圧が認められるなら、アメリカの権力犯罪を明らかにしたジャーナリストをアメリカの私的権力は国籍や活動拠点に関係なく報復できることになる。

 アッサンジはジャーナリストでないと詭弁を弄する人もいるが、ウィキリークスが行っていたことは本来のジャーナリストが行うこと。彼や彼の仲間はジャーナリスト以外の何ものでもない。

 控訴審が判決を出す前、アッサンジが2010年の初めにアイスランド政府のコンピュータに侵入して情報を盗むように指示したなどと証言していた​シギ・トールダルソンがそれは嘘だとメディアに証言​している。トールダルソンは第三者から書類を受け取り、チェックしないままアッサンジに渡したというのだ。アメリカの当局がアッサンジを起訴した根幹が崩れたと言える。

 トールダルソンによると、彼は「サブ」と呼ばれるヘクター・ザビエル・モンセガーと接触していた。この人物はハッキング・グループのリーダーだが、アメリカの当局に逮捕され、懲役124年が言い渡される可能性があった。そこで司法取引に応じ、FBIの情報提供者になったのだ。

 アイスランド政府へのハッキングを仕掛けたのはFBIを後ろ盾とするサブ。トールダルソンはFBIの罠にかかり、彼もFBIの協力者になった。そこでアッサンジを起訴するために偽証したのだが、その事実をメディアに認めてしまったわけだ。そのトールダルソンをアイスランドの捜査当局は9月24日に逮捕、収監した。

 トールダルソンがFBIの以降に沿う証言をしなければ、アッサンジの起訴は「1917年スパイ活動法」によるしかなくなる。私的権力にとって、自分たちに都合の悪い情報を明らかにすることは「スパイ行為」なのだろう。

 ウィキリークスはアメリカの私的権力を怒らせる情報を何度か公表している。そのひとつが2016年の大統領選挙に関するもの。民主党の候補者選びが始まってしばらくすると、ダークホース的な存在だったバーニー・サンダースが支持率を高め、私的権力が2015年の段階で次期大統領に内定していたヒラリー・クリントンを脅かし始めたのだ。

 そこでDNC(民主党全国委員会)はサンダースの足を引っ張る工作を始めるのだが、その実態を明らかにする電子メールをウィキリークスが明らかにしてしまう。そこでヒラリーたちが始めたのが「ロシアゲート騒動」だが、これが捏ち上げだったことが今では明確になり、司法省、FBI、CIAなどの責任が問われている。

 しかし、アメリカの当局がアッサンジを秘密裏に起訴したのは2012年。その大きな理由と考えられているのはイラクにおけるアメリカ軍の住民虐殺を暴いたことにあると考える人も少なくない。

 その情報をウィキリークスへ渡したのはアメリカ軍のブラドレー・マニング(現在はチェルシー・マニングと名乗っている)特技兵だ。彼が渡した情報の中に​アメリカ軍のAH-64アパッチ・ヘリコプターによる非武装の一団に対する銃撃の映像​が含まれ、イラク戦争の実態を世界へ知らせることになった。その映像が撮影されたのは2007年7月、バグダッドにおいて。ヘリコプターからの銃撃でロイターの特派員2名を含む非武装の十数名が殺されている。情報が公開された翌月、マニングは逮捕された。

 マニング以外にも政府機関の不正行為を告発した人たちはいる。例えば電磁情報機関NSAの不正を明らかにしたウィリアム・ビーニーやエドワード・スノーデン、イランへ核兵器に関する資料を渡してイラン侵略の口実を作るというCIAの危険な作戦を警告したジェフリー・スターリング、そしてCIAなどによる拷問を告発したジャニス・カルピンスキーやCIAの分析官だったジョン・キリアクたちだ。

 カルピンスキーはイラクのアブ・グレイブ刑務所で所長を務めていたが、所内での拷問が明らかになった後、2004年1月に停職となる。それに対して彼女はその年の6月、BBCに対して刑務所内で拷問が行われていたセクションを管理していたのは軍の情報部であり、彼女は実態を把握していなかったと主張した。刑務所内で撮影された写真については、兵士が独断で撮影することはありえないとも指摘した。カルピンスキー本人も命令していない。

 彼女によると、グアンタナモから来ていたジェオフリー・ミラー少将は拘束されている人々を犬のようなものだと表現、そうした人々が自分を犬以下の存在だと信じさせることでコントロールが容易になると主張していたという。そうした考え方で私的権力は政策を進めているのだろう。2004年7月には、刑務所にイスラエル人の尋問官がいたとも話している。後にカルピンスキーは准将から大佐へ降格になった。

 キリアクは2007年12月にABCニュースのインタビューを受け、CIAの同僚から聞いた話として、ウォーターボーディングと呼ばれる拷問が行われていると語っている。それが問題になり、結局、2013年に懲役30カ月の判決を受けた。NSAの監視システムに関する情報を明らかにしたエドワード・スノーデンはロシアから出られない状態にある。

 アメリカの私的権力にとって都合の悪い情報を明るみに出す人びとは報復される。逆に、都合の良い情報を発信する人やメディアなら、それが事実であるかどうかに関係なく賞賛される。






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最終更新日  2021.12.11 01:04:24



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