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《櫻井ジャーナル》

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2023.06.24
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 ブラックロックは「闇の銀行」のひとつだ。「闇の銀行」とは銀行のような規制は受けない巨大金融機関で、メディアやシリコンバレーのハイテク企業を含むアメリカの主要500社の9割近くを支配している。

 ブラックロックを率いるラリー・フィンクはウクライナとのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とも関係が深い。ウクライナは兵器のほか「復興資金」を西側政府から提供されているが、その資金の使い道に関してアドバイスしているのがブラックロックだという。その​ブラックロックで採用担当者だというセルジュ・バーレーとの話をジェームズ・オキーフのチームは隠し撮りし、その映像を公開した​。











 汚職まみれのゼレンスキー大統領だが、​今年1月、ブラックロックのほか、JPモルガンやゴールドマン・サックスと協力関係にあることを明らかにしている​。アメリカの実業家に対し、軍事だけでなく建設、通信、農業、輸送、IT、金融、そして医療の分野でウクライナと手を組むすべての人が大儲けできると訴えている。

 ウクライナでの内戦は2013年11月から14年2月にかけてアメリカのバラク・オバマ政権が実行したクーデターから始まる。2010年の大統領選挙で当選したビクトル・ヤヌコビッチをネオコンは排除したかったのだ。ウクライナに反ロシア体制を築いてドイツとロシアを分断、両国を弱体化しようとしたのだ。

 ヤヌコビッチが支持基盤にしていた東部と南部はソ連時代にロシアからウクライナへ割譲されたこともあり、住民の7割以上がロシア語を話し、東方正教会の文化圏に属す。1991年12月にソ連が消滅した直後から住民の大半はロシアへ戻ることを望んでいた。ウクライナ語を話し、カトリック文化圏の西部とは別だと考えた方が良いだろう。

 キエフにおけるクーデターでヤヌコビッチを排除することに成功したアメリカ政府だが、資源地帯である東部や軍事的に重要なクリミアの制圧には失敗した。そこで2014年以降、アメリカ/NATOはクーデター体制の戦力を増強、ドンバス周辺に要塞線を建設、攻撃するチャンスを待っていた。昨年春、そのチャンスが到来したとアメリカ/NATOは考えたが、その直前、ロシア軍はウクライナ軍に対するミサイル攻撃を始めている。

 こうした戦略を利用し、西側の大企業は大儲けしてきた。兵器の製造メーカーが儲かることは言うまでもないが、ブラックロックのような金融機関にとってもビジネス・チャンスだ。兵器メーカーに投資しているというだけでなく、穀物をはじめとする商品の相場が大きく動くため大儲けすることができる。不安定な状況はビジネスにとって良いことだとセルジュ・バーレーは語っている。

 オキーフはプロジェクト・ベリタスを創設、有力メディアが触れない権力の闇に切り込んでいたが、ファイザーの研究開発ディレクターだというジョーダン・ウォーカーとの会話を隠し撮りして公表した後にベリタスの幹部と衝突、組織から離れた。幹部は「有給休暇」だとしていたが、オキーフは幹部に辞任を求め、それを受け入れないならば自分が辞めると宣言、辞めた。

 ブラックロックのような巨大資本は戦争がカネになると考えているわけだが、ウクライナではジョー・バイデン政権の思惑が外れ、ロシアが圧倒的に有利な戦況だ。

 勿論、バイデン政権はこうした展開になると予想していなかったはずだ。ロシア軍が攻撃を始めた直後、アメリカの好戦派はロシアが罠にかかったと信じ、喝采していたようだ。西側のメディアはアメリカの好戦派が事前に作成したシナリオに従って「報道」したのだろうが、彼らの作戦通りにロシア軍は動かなかった。

 アメリカ/NATOは2014年から8年かけてドンバスを要塞線で囲んでいたと言われ、その中へロシア軍を誘い込むためにドンバスで住民を虐殺する計画を立てていたことを示す文書がある。要塞線の中にロシア軍を閉じ込め、クリミアを攻撃するという手順だった可能性がある。

 しかし、ロシア政府の動きは早く、ウラジミル・プーチン大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認した直後にドンバス周辺に集結していたウクライナ軍や外国の部隊をミサイルで攻撃、壊滅させた。しかもロシア軍の地上部隊はドンバスへ入らない。戦ったのは現地部隊、チェチェン部隊、そしてワグナー・グループだ。

 こうした窮地から脱出するひとつの手段として、アメリカ/NATOがF-16を利用した核攻撃、あるいは「汚い爆弾」でウクライナやロシアを放射能まみれにする可能性を指摘する人は少なくない。

 そこで、6月12日から23日まで実施されたNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」を利用、そのままNATO軍がロシアを攻撃するのではないかと懸念する人もいた。そうした事態になればバイデンの敗北しそうな来年の大統領選挙は消えてしまう可能性がある。

 それに対し、ロシアは局地的な核戦争はありえないと警告、行動でも示してきた。ロシアは新しいフリゲート艦に極超音速ミサイルを搭載、また​戦略ミサイル部隊の約半数がヤースミサイル・システムを装備し、極超音速弾頭アバンガルドを搭載した最新のミサイルシステムによる再武装が進んでいるとウラジミル・プーチン大統領は6月21日に述べた​。アメリカ/NATOはこうしたミサイルのターゲットになるというわけだろう。

 それだけでなく、ここにきて​チェチェンの指導者ラムザン・カディロフは歩兵機動車ティグルを中国から受け取ったと語った​ようだ。この車両の乗員は2名で、完全装備の歩兵9名を乗せることがでる。この供与は戦力的に大きな意味はないが、ロシアと中国が軍事同盟を結んでいることを示している。アメリカ/NATOはロシアと中国、どちらかだけと戦争することは不可能ということであり、単なる相場の材料だと考えるべきでもない。






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最終更新日  2023.06.24 11:36:03



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