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《櫻井ジャーナル》

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2023.06.25
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 ワグナー・グループのエフゲニー・プリゴジンはベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領との交渉を経て、自分の部隊に対し、移動の停止とロストフ・オン・ドンの明け渡しを命じた。それにともない、ロシア政府はワーグナー・グループの幹部に対する訴追を取り下げると発表している。

 ロストフ・オン・ドンのワシリー・ゴルベフ州知事はワグナー・グループの戦闘員がロストフを離れたと述べた。部隊のメンバーはソレダルやアルチョモフスク(バフムート)の近くにあるキャンプへ戻り、武装解除されると見られている。蜂起に参加しなかった隊員はロシア国防省と新たな契約を結ぶことができ、プリゴジンはベラルーシに行くという。ロシア国内の高速道路に課されたすべての制限が解除されたと伝えられている。

 この騒動は何だったのか?

 ひとつの可能性はロシア国防省が契約更新を拒否したことにプリゴジンが怒ったというもの。第2はプリゴジンがアメリカ/NATOに内通していて、両者が連携して軍事作戦を予定していたが、梯子を外されてしまった可能性。そしで第3は「マスキロフカ」、つまり欺瞞作戦だったというもの。

 第1のシナリオは可能性が小さいだろう。第2のシナリオは、例えばNATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」を利用した軍事作戦があり、それと連動して蜂起する予定だったが、その作戦が取りやめになったというようなもの。ジョー・バイデン大統領やその取り巻きの好戦派ならやりそうだが、すでに少なからぬNATO加盟国は米英主導の対ロシア戦争に乗り気ではない。そもそも、自国の武器庫は空だ。

 そして第3のシナリオ。これは元CIA分析官のラリー・ジョンソンが提示しているもの。まずジョンソンはワグナー・グループがロシアの情報機関によって創設されたと指摘する。ロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めているウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将が背後にいたと言われ、しかも今年5月4日からミハイル・ミジンチェフ上級大将が副司令官を務めている。軍事的素人のプリゴジンが独断で動かせるような武装集団ではないということだ。

 また、サンクトペテルブルクのワグナー・グループ本部へ警官隊や軍隊を派遣するまでロシア政府が約12時間待ったという不自然さを指摘する。プリゴジンはワグナー部隊に対し、ロストフ・オン・ドンからモスクワへ向かうように命令したというが、その距離は1200キロメートル近い。燃料を補給しながらその距離を20時間以内に移動できるのかともジョンソンは指摘している。

 第3のシナリオが正しいなら、騒動の間にロシア軍の新たな作戦の布石を打った可能性がある。プリゴジン騒動で作られた状況を利用し、すでに潜入しているはずのアメリカ/NATO/ウクライナの破壊工作部隊を摘発しようとしているかもしれない。






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最終更新日  2023.06.25 16:33:39



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