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《櫻井ジャーナル》

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2023.08.29
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 元CIA分析官のラリー・ジョンソンによると、軍情報部にいる彼の友人はアメリカ軍のトップはウクライナ軍が負けていることに気づいていないと語ったという。アメリカ/NATOには供給できる武器弾薬が底を突きつつあり、十分な軍事訓練を受けた兵士はほとんど残っていないのだが、武器弾薬を供給し、「総玉砕」させれば何とかなると考えているようだ。

 現在、ウクライナで繰り広げられている戦闘はバラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてネオ・ナチを使ったクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除したところから始まる。そのヤヌコビッチ大統領を支持していた東部や南部の住民はクーデターを拒否、クリミアはロシアと一体化し、ドンバスでは内戦になるのだ。

 このクーデターをホワイトハウスで指揮していた人物は現アメリカ大統領のジョー・バイデンであり、ウクライナで指揮していたのが国務次官補だったビクトリア・ヌランド。そしてバイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバン。バイデンが大統領になった後、ヌランドは国務次官から副長官代理になり、サリバンは国家安全保障問題担当大統領補佐官だ。ウクライナが、つまりアメリカ/NATOがロシアに勝てないことをこの3名も認めようとしていないようだ。

 ヌランドはクーデターが本格化する直前の2013年12月13日、米国ウクライナ財団主催の会合に登場、アメリカは1991年からウクライナに対して50億ドル以上を投資したと語っている。ウクライナの利権を奪うため、それだけのことをしたというアピールだ。

 アピールしている相手は演壇に示されていた。アメリカの巨大石油会社、エクソンモービルとシェブロンの文字があったのだ。アメリカはエネルギー資源だけでなく耕作地、そして希少金属の利権を手に入れようと画策してきた。

 クーデターの後、ロシアからの支援を失ったウクライナの経済は破綻し、ウクライナ国債の価格は下落する。それを買い占めていたフランクリン・テンプルトンというファンドは額面総額50億ドルの国債を買ったという。このファンドを操っているのはロスチャイルド家だ。

 破綻した国の国債を安値で買いあさり、満額で買い取らせるというのが「ハゲタカ・ファンド」のやり口。ウクライナにはIMFがカネを貸しているが、そのカネでファンドの要求通りに支払うことができる。債権者になったIMFは債務者である破綻国の政府に対して緊縮財政を要求、庶民へ回るカネを減らさせる。規制緩和や私有化の促進で国の資産を巨大資本に叩き売らせ、大儲けさせてきた。

 現在、欧米の金融資本はブラックロック、バンガード、ステート・ストリートをはじめとする「闇の銀行」が中心になっている。ウクライナの場合、西側から供給される兵器や「復興資金」の使い道についてアドバイスしているのがブラックロックだという。ブラックロックを率いるラリー・フィンクはウクライナとのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と関係が深い。そのほか、JPモルガンやゴールドマン・サックスともゼレンスキー政権は協力関係にある。

 金融利権ではロスチャイルド、石油利権ではロックフェラーの名前が頭に浮かぶかもしれないが、クーデターが始まる前年である2012年の5月にジェイコブ・ロスチャイルドとデイビッド・ロックフェラーは手を組んでいる。ジェイコブ・ロスチャイルドが率いる投資会社RITキャピタル・パートナーズがデイビッド・ロックフェラーのロックフェラー・ファイナンシャル・サービシズが発行している株式の37%を取得すると発表したのだ。

 WHO(世界保健機関)はデイビッド・ロックフェラーの命令で創設されたと言われている。デイビッドの祖父に当たるジョン・D・ロックフェラーがロックフェラー財閥の祖と言われているが、その父親であるウィリアム・エイブリ・ロックフェラーは興味深い人物だ。

 19世紀のアメリカにはインチキ薬の販売を生業とする人物がいたが、そのひとりがウィリアム・レビングストン。石油をベースにした「万能薬」を売っていた。本人は癌の専門家だと名乗り、その薬は癌にも効くと言っていた。その薬を1瓶25ドル、その当時における平均的な収入の2カ月分に相当する金額で売っていたという。

 偽薬だということがバレると客からリンチされるが、レビングストンはそうした目にあっていない。ところが1849年、少女をレイプしたとして起訴されている。そして男の本名が明らかになった。ウィリアム・エイブリ・ロックフェラーだ。起訴される10年前に生まれた息子がジョン・D・ロックフェラーにほかならない。






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最終更新日  2023.08.29 12:10:27



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