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《櫻井ジャーナル》

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2023.12.15
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 ウクライナ軍はロシア軍との戦闘で来年末まで持ちこたえられれば、2025年には戦場で主導権を握れると主張する有力メディアがアメリカに出現した。「神風が吹く」という類の主張だ。

 この戦闘はバラク・オバマ政権が2013年11月から14年2月にかけてウクライナでネオ・ナチを使ったクーデターを仕掛け、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒したところから始まる。ヤヌコビッチの支持基盤でロシア文化圏の東部や南部で住民がクーデター政権を拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバス(ドネツクやルガンスク)では内戦が始まったのだ。

 それから8年かけてアメリカ/NATOはクーデター体制の戦力を増強するために武器を供給、兵士を訓練、さらにドンバスの周辺に要塞線を構築している。

 この地域にはソ連時代から地下要塞が作られていた。ソレダルには岩塩の採掘場を利用した全長200キロメートルという地下要塞があり、アゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリにも地下要塞が整備された。

 ドンバスを攻撃する準備ができたという判断から2022年の初頭からウォロディミル・ゼレンスキー政権は動き始めるが、ドンバス周辺に集結していたウクライナ軍の部隊をロシア軍は昨年2月24日にミサイルで壊滅させ、航空基地、レーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を破壊し始める。これでロシア軍の勝利は確定的だった。

 そこでイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役として停戦交渉を開始、双方とも妥協して停戦は実現しそうだった。ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛び、プーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつける。その足でベネットはドイツへ向かい、シュルツと会うのだが、その3月5日、ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺している。現在のSBUはCIAの下部機関だ。

 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。​アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している​。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。

 こうした停戦合意を壊す上で重要な意味を持つ出来事がブチャでの虐殺問題。

 停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了し、31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。

 ロシア軍が撤退した後、ウクライナの親衛隊が現地に入るが、その後に西側の有力メディアはロシア軍が住民を虐殺したとする宣伝を始めて停戦交渉を壊した。

 その間、4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。

 この情報を裏付ける証言を「1+1」が11月24日に放送している。与党の有力議員でトルコを仲介役とした停戦交渉でウクライナ側の中心にいたデビッド・アラカミア議員は、ボリス・ジョンソンが停戦交渉を挫折させる上で重要な役割を果たしたと語っているのだ。

 ここからロシア軍が戦う相手はアメリカ/NATOになった。西側は武器を大量に供給するだけでなく軍事情報も提供し、指揮もアメリカ/NATOが行うようになったと言われているが、戦況は変化しなかった。ウクライナ側は多くの兵士が死傷、武器弾薬は底をつく。それに対してロシア軍はミサイルや航空機による攻撃が主体で、その兵器の性能が良いこともあり、損害は大きくないと見られている。

 ウクライナのテレビ局「1+1」は先日、自国軍の戦死者と行方不明者の合計を112万6652人だと画面に表示、局はすぐに間違いだと訂正したが、隠していた本当のデータを流してしまったと推測する人もいる。これまで「少なくとも50万人」と言われていたが、それを大きく上回るだろうと見られていたからだ。

 西側ではロシア軍が多大な損失を被って士気が極度に低下し、ミサイル、砲弾、燃料などが不足しつつあると宣伝されたが、ロシア軍の攻撃はそうした西側の主張を否定している。現在、ロシアの武器生産力は西側の数倍だと見られている。

 アメリカと違い、イギリスは事実を受け入れて体勢を立て直そうとしている。イギリスはゼレンスキーを処分し、バレリー・ザルジニー最高司令官にすげ替えようとしている。イギリスの​有力誌エコノミストは11月1日、ザルジニーの記事を掲載​した。ザルジニーは戦闘をやめようとしていると見られている。

 それに対し、ゼレンスキーはザルジニーに対し、「自由意志」による辞任、あるいは健康問題などによる辞任を要求したが、ザルジニーは拒否したようだ。ウクライナをめぐり、イギリスのMI6とアメリカのCIAが対立しているという見方もある。






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最終更新日  2023.12.15 00:00:12



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