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《櫻井ジャーナル》

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2024.04.11
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 ロシアの連邦捜査委員会は4月9日、ロシアにおけるテロ攻撃の資金調達に関与し疑いでアメリカとNATO諸国の高官に対する捜査を始めたという。捜査対象にはミコラ・ズロチェフスキーが設立したウクライナのエネルギー会社「ブリスマ」が含まれているが、この会社の重役には元ポーランド大統領のアレクサンデル・クファシニェフスキー、元CIA高官のジョセフ・コファー・ブラック、そしてジョー・バイデン大統領の息子であるハンター・バイデンも名を連ねていた。

 ウクライナの検察当局はハンター・バイデンを汚職容疑で捜査していたことがある。検事総長を務めていたビクトル・ショーキンによると、捜査を続けていたなら、ハンター・バイデンや同社の別のアメリカ人重役だったデボン・アーチャーを含む関係者を汚職で摘発できたという。

 しかし、その捜査はジョー・バイデンの圧力で中止された。ジョー・バイデン自身が2018年1月23日にCFR(外交問題評議会)で行なった説明によると、彼はウクライナ政府に対し、10億ドル融資してほしければショーキンを6時間以内に解任しろと恫喝、実際に解任されたという。

 バイデンは「ウクライナを支援する欧米諸国や国際機関が同国の腐敗問題に取り組む中、同国の検事総長が汚職捜査に消極的だとして解任させようとした」と主張しているが、ショーキンは宣誓供述書の中で、解任の理由はブリスマ・ホールディングスを捜査していたことにあるとしている。

 ショーキンによると、数カ月にわたってバイデン副大統領から捜査を止めるように圧力がかかったという。​FOXニュースのジョン・ソロモンによると、2015年終わりから16年初めにかけてバイデンは検事総長を解任するようウクライナ側に圧力をかけていたと6名ほどのウクライナの高官が語っている​。ウクライナの議員、アンドリー・デルカチによると、バイデンはブリスマからロビー会社を介して90万ドルを受け取ったという。

 2019年5月に大統領がウォロディミル・ゼレンスキーへ交代するが、その数カ月前からブリスマへの捜査が再開されたというのだ。同年7月にドナルド・トランプがゼレンスキーと電話で会談、その際にバイデン自身がCFRで話したことを話題にした。それだけのことなのだが、それをトランプがゼレンスキーに対し、ハンター・バイデンについて捜査するように求めたのだとアメリカ下院情報委員会へ2019年8月に「内部告発」した人物がいる。

 ​その告発者はエリック・チャラメラなるCIAの分析官​。民主党の支持者で、2015年の夏からNSC(国家安全保障会議)でスーザン・ライス国家安全保障補佐官の下で働き、バイデン副大統領やジョン・ブレナンCIA長官の下でも働いていた。

 また、ブラックはCIAでテロ対策センター長を務めた人物。彼がブリスマの重役だった時期に同社の資金がテロリストと関係するグループへ送金されていたとなると、CIAが少なくとも間接的にロシアでのテロ攻撃に関与していたと見られても仕方がない。

 3月22日、モスクワの近くにあるクロッカス・シティ・ホールが自動小銃で殺傷した4名によって襲撃された。実行犯はウクライナへ逃げ込む直前に拘束され、相当数の共犯者がロシア国内だけでなく、トルコやタジキスタンで逮捕されている。

 ​ロシア国家反汚職委員会のキリル・カバノフ委員長によると、実行グループが残したデータは、彼らがウクライナの特殊部隊/ネオ・ナチと連絡を取り合っていたことを示している​ようだ。それが事実なら、自動的にアメリカやイギリスの情報機関、つまりCIAやMI6につながる。

 西側が犯人として扱っているダーイッシュ-ホラサン(IS-KP、ISIS-K)は他のイスラム系武装集団と同じように、CIAやMI6の傭兵だ。​イギリスの外務大臣を1997年5月から2001年6月まで務めたロビン・クックは05年7月、「アル・カイダ」についてCIAの訓練を受けた「ムジャヒディン」の登録リストだと説明している​。なお、クックはこの指摘をした翌月、保養先のスコットランドで心臓発作に襲われて59歳で死亡した。

 ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILなどとも表記)もこの仕組みから生まれた。そうした武装集団の出現をアメリカ軍の情報機関​DIA(国防情報局)は2012年8月、ホワイトハウスに警告している​。

 オバマ政権が支援している反シリア政府軍の主力はアル・カイダ系武装集団のAQI(イラクのアル・カイダ)で、アル・ヌスラと実態は同じだと指摘、その中心はサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団だとしているのだ。2012年当時のDIA局長はマイケル・フリン中将である。

 その警告通り、2014年1月にダーイシュが出現した。イラクのファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製小型トラック、ハイラックスの新車を連ねたパレードが行われ、その画像が世界に流されたのだが、このハイラックスを購入したのはアメリカの国務省だとも言われていた。こうした戦闘集団の動きをアメリカの軍や情報機関は偵察衛星、無人機、通信傍受、人間による情報活動などで知っていたはずだが、反応していない。

 そのダーイッシュを含むイスラム武装勢力は2015年9月にシリア政府の要請で介入したロシア軍によって壊滅させられた。その際、アメリカの軍や情報機関がダーイッシュなどの幹部をヘリコプターなどで救出している。行くへは不明だったが、アフガニスタンへ運んだと言われていた。

 その当時、​FSB(連邦安全保障局)のアレクサンダー・ボルトニコフ長官は、ダーイッシュのメンバー約5000名がアフガニスタン北部に運ばれ、中央アジアの旧ソ連諸国を脅かしていると語っていた​。






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最終更新日  2024.04.11 00:00:07



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