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カテゴリ:第8話 青年インカ
「どうです?!」と、アンドレスが、いかにも美味しいでしょう、と言わぬばかりに自信ありげに微笑み、料理を口にしたスワレスの反応を覗き込む。 スペイン人の好みも考慮して調理されたそれらの料理は、スワレスが素直に認めるほどに、確かに、美味であった。 「ああ…本当に、これは、なかなかに美味しいですな」と、感心したように頷くスワレスに、アンドレスは本当に嬉しそうに頷き返した。
どれも、インカ時代からの自慢の伝統料理ばかりなのですよ」 その、本心からの、真摯で柔らかな、それでいて、どこか大きく包み込むような笑顔に、スワレスの心も、自然に溶かされ、ほぐれていく。 それは他のスペイン兵たちも同様であった。
そんな温かな場の雰囲気を、既に何杯目かのグラスを手にしながら嬉しそうに眺めているアンドレスの様子を、まだ酒にあまり慣れぬのに大丈夫かと少々案じる眼差しになってきたベルムデスが、やや真顔になって見守り続ける。
一方、スワレスも、「アンドレス殿も、わたしにばかり勧めず、さあ、飲まれよ」と、逆に、ピスコを波々と注(つ)いでくる。
事実、スワレスの面持ちには、次第に余裕の色が濃くなっていく。
そして、スワレスにも、その眼差しで「さあ」と、勧める。
≪アンドレス≫ ≪スワレス大佐≫
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