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カテゴリ:第8話 青年インカ
ところで、この頃、トゥパク・アマルの脱獄のことなどまだ何も知らぬ、隣国ラ・プラタ副王領に遠征中のアンドレスたちは、如何なる状況になっていたであろうか。 ここで、暫し、彼らが陣を張るソラータの戦況に話を戻そう。
しかしながら、ソラータの街中には、敵軍によって巻き添えにされたインカ族の、あるいは、当地生まれのスペイン人の、それら何の罪も無い市民たちが、以前と同様に街中に立て篭もらされたままでいた。
しかも、アンドレスに捕えられたスペイン側の将スワレス大佐の代わりに、現在、当地の「籠城」軍の総指揮を執るピネーロは、あくまで立て篭もりを続行する決意が固く、この情勢に至っては、いやがおうでも包囲戦の長引くことは避けられぬと予測された。
むろん、それらの補給物資は、市民たちへのものであったが、当地への補給ともなれば、立て篭もっている敵兵たちの手にも渡ることは明白であった。
「籠城」した敵を燻(いぶ)り出す方法は、相手を飢えさせることによるだけではないはずだ、とアンドレスは考えていた。 (立て篭もる敵を、飢え以外の方法で攻め落とす――その方法を必ずみつけてやる! 市民の犠牲は、最小限に留めた上で…!!)
≪アンドレス≫
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Last updated
2010.04.07 20:58:33
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