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カテゴリ:第8話 青年インカ
急に光を浴びたように大きく顔を輝かせたアンドレスに、ロレンソは目を細めた。 「そなたの目で、今すぐ、しかと確認してこい! コイユールの到着を、待ち侘びていたのであろう? コイユールも同じだ。 アンドレス、そなたにとても会いたがっている」
「何をしている? トゥパク・アマル様の元をやっと独り立ちしたばかりのそなたが、このような事態になって、なお、これほどに離れた地で戦っていることを、コイユールがどれほど案じていたと思う?」
俺だって、どんなにか、コイユールを……!!」 「ならば、すぐに行ってこい!」 「ロレンソ…!!」 「行ってこい!! 早く!!」
そして、もう一度、アンドレスの背を、その逞しい腕で力強く押す。 「さあ!! アンドレス、行ってこい!!」
アンドレスの姿を見知っている軍団の兵たちは、その姿にハッとして次々と礼を払っていくが、今のアンドレスには周囲など全く見えていない。 あまりに多くの兵たち、そして、さらに兵たち―――しかも、皆、すっかり旅の泥土にまみれて、素顔も何も見分けがつかない。
その表情には、次第に必死の色さえ帯びてくる。 (コイユール……!! コイユール…!! ――コイユール!!!)
≪アンドレス≫ ≪ロレンソ≫ ≪コイユール≫
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