言の葉の庭
・・・はっ!!6月も中旬やん!!またしてもご無沙汰です。予定通りGWは見事なまでにありませんでした(苦笑)ず~~~っとドタバタしております。仕事の方ですが、例年お預かりするかなり大変な仕事がようやく本日納品出来ました。(某高校のお仕事だったのですが、ご理解いただき納期を伸ばして下さいました。本当にありがとうございました。)今は7月中旬に納品予定のものを作成しています。一段落するのは多分その頃かな?(ただ、ここからは閑散期突入です 汗)話は見事に変わります。日本列島「梅雨」到来となりました。毎日どんより曇り空・・・時折パラパラと雨が降ってます。実は、この季節になると見たいアニメ作品があります。(またかよっ!! 苦笑)その作品は、あの新海誠監督の作品。「すずめの戸締り」が大ヒットしたのも記憶に新しいです。その新海誠監督が、約10年ほど前に制作した作品・・・言の葉の庭1時間も満たない比較的短い作品です。ストーリー自体は「君の名は」や「すずめの戸締り」のような、神秘的なファンタジー要素を前面に出した作品ではなく、どちらかというと文学的なような作品です。登場人物紹介は・・・秋月 孝雄 15歳の高校1年生。将来の夢は靴職人になること。真面目で大人びた性格。家庭環境の影響からか料理も上手い。夜は夢のためアルバイトをしている。雨の日は午前中だけ学校をさぼり(不登校ではない)、庭園で靴のデザインを考える。その庭園で雪野百香里と出会う。雪野 百香里雨の庭園で孝雄が出会う女性。27歳。庭園で朝からチョコ―レートを片手にビールを飲んでいた。最初は互いに気にかけていなかったが、雨の午前中だけ出会う孝雄と自然と話すようになる。実はある事が原因で職場に行けずにいた。〈ストーリー〉東京。雨の日の朝。高校生の孝雄は雨の日の午前は学校をさぼり庭園で「靴」のデザインをしていた。彼の夢は「靴職人」になること。そんな雨の日。いつものように庭園へ行くと一人の女性がベンチに座っていた。互いに会釈程度で距離をとり座ったが、その女性は朝からチョコレートを片手にビールを飲んでおり孝雄はあまりいい印象を持たなかった。しかしその女性をどこかで見たような気もする。思い切って聞いてみたが、彼女は「いいえ」と答えた。しかし孝雄の服装を見て「・・・会ってるかも」とポツリと言葉を漏らす。その後その女性は「雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか きみを留めむ」と万葉集の短歌を言い残しその場を去る。そして次の雨の日。孝雄はいつものように庭園へ向かうと女性はあの日のようにベンチに座りビールを飲んでいた。二人は少しずつ言葉を交わし始め、次第に会話も弾む。彼女もまた勤め先をさぼってるのだと話した。 二人は雨の日が楽しみなってくる。雨の日だけの逢瀬。互いの名前も知らずに・・・彼女の名前は「雪野 百香里」。実はある事がきっかけで出勤するのが怖くなっていた。駅のホームに立っても足が止まり電車に乗れない、精神的ストレスにより味覚障害でチョコレートとアルコールくらいしか味を感じることがてきない。そんな時に孝雄と出会った。まっすぐに夢を追う彼は眩しくもあり、彼と話すそのひとときが彼女は幸せと安らぎ感じていた。おのずと出る笑顔。おかげで味覚障害も少しずつ回復していく。雨が待ち遠しい。しかし孝雄を見ていると自分だけが成長していないのではと葛藤する。孝雄に漏らす「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの・・・いつの間にか」と。そんなある日、孝雄と雪野は思わぬ場所で会うことになる。正直ね。エンターテイメント性の高い作品と違うので笑えるシーンはありません。まるで文学小説がそのまま動き出したような作品です。おそらく「君の名は」など今の新海監督作品だけを見た人だと「あまり面白くない」なんて思うかもしれませんね。実は私も最初はそうでした。雪野の悩みを知った時は正直「実際ありそうな事だけど、重いなぁ・・・これ」と正直こちらまで気が滅入ってしまいましたからね。でも内容を知った上で2回目を見た時・・・引き込まれてました。なんだろう。この切なくて美しい話は・・・雨の日だけの逢瀬は二人に幸せな時間を与えてくれます。雪野の悩みを知ってなお孝雄は雪野を想う。しかし雪野にはそれに応えることはできない・・・心の中ではこのまま続けばいいのにと思っているのだろうに・・・ただ互いに未来に一歩前へ進まなくてはならない。気が付いたら切なくて美しくて、二人の感情が爆発するラストシーンで・・・思わず泣いてしまった。正直説明が下手なのでうまく伝わらないかもしれませんね(苦笑)今書いた文章も実はかなり浅いです(笑) 本当はもっともっと奥が深い作品です。決して「年の離れた二人の恋物語」な作品ではなく、もっと美しく繊細な作品です。感動のラストシーンの雨の中から差し込む美しい夕日。そしてその直後に秦基博の名曲「Rain」がエンディングとして流れる。本当に素晴らしい。その後月日は流れ孝雄は雪野からの手紙を庭園で読み、あることを誓う。この二人にはどんな形でもいいから本当に幸せになって欲しいと思うシーンでした。そして内容と同様に、新海監督ならではの美しい「雨」の描写に魅入ってしまいます。「天気の子」でも美しい雨のシーンが多く描かれていましたが物語に関わる重要なキーワード、もうひとつの「主人公」となるような雨なので神秘的に描かれていたように感じました。一方「言の葉の庭」の方は二人を結び付ける現実の雨で「重要な脇役」に感じます。それが秦基博の歌に見事にマッチしていて、何度見ても美しく切なく感じます。まるで雨だけが二人の心を知っているようで「雨ってこんなに美しくて切ないくて、そして強くて・・・なんだか人の心みたいなんだ」と感じてしまいます。雨の日は是非見て欲しい、美しい「作品」です。あっ、ちなみに余談ですが・・・雪野は、名作「君の名は」に本人として出ています。ヒロインの三葉の学校生活に関わりのある人物で、物語のキーワードとなる言葉を話しています(誰かわかりましたよね 笑)物語の進む年月が「東京」と「飛騨」と重なってしまいますが、そこは「想像次第」とのことだそうです(笑)何度が新海監督風に写真を加工していますが、この「言の葉の庭」のような雨の写真は、うまく作れない(汗)