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アメリカあるいは英語圏で自閉的(autistic)という症状が初めて使われたのは、レオ・カナー(Leo Kanner)の1943年の論文
ところが、最近の調査によると アスペルガーは、アスペルガー症候群でよく知られている、オーストリアの小児科医です。第二次世界大戦前、ウィーン大学の小児科クリニックで働いていたアスペルガーは、クリニックにやってくる子供たちの中の幾人かが独特な性格を提示するのに気づきました―社会的な関係の中での不器用さ、相互的な会話が成立しにくい、ある種の作業や規則にこだわって夢中になる、などの傾向です。1944年にアスペルガーは4つの症例(6-11歳)を論文(独語)にまとめました。論文のタイトルは ほぼ同じ時期に発表されたカナーとアスペルガーの論文そしてautisticという用語の使用は、これまで偶然の一致と考えられてきました。今回、Silbermanが発見したことは、カナーの下で働いていた医師の一人、ゲオルグ・フランクル カナーの1943年の論文は次の一文で始まっています、「1938年以来今までに見たことのない、と同時に特徴的な症状を呈する幾人かの子供たちを診断した・・・」。「1938年以来」というのがちょっと唐突に感じます。1938年は、フランクルがアメリカに来た年なのです。Silbermanによると、11の内の最初の症例、 同じ発想が同じ時期に出てくることは、歴史に散見されます。例えば、ハイゼンベルクとシュレディンガーの量子力学理論、マレー・ゲルマンとジョージ・ツワイクのクォーク論(ツワイクはエースと命名しました)、アーネスト・ラザフォードと長岡半太郎とジャン・ペランの原子の惑星モデル、などがあります。この三つのケースは、我々の知る限り、各人独自に発想したようです(ラザフォードには若干の疑惑が残りますが)。カナーとアスペルガーの場合、どうもカナーの方がかなり黒めの灰色に思えます。 カナーとアスペルガーの自閉的な症状に対する境界線の引き方にも大きな違いがあるのですが、それについてはまたの機会に。 (注1)1912年ごろ(1916年という説もあります)に「自閉性(ラテン由来の独語autismus)」という言葉を、早期青年および成人の統合失調症の症状に使ったのはスイスの精神分析医、オイゲン・ブロイラーです。Autósはギリシア語で「自分、自己」という意味で、ブロイラーがこの言葉で表した症状は「外の世界との関係を失って自分の中に閉じこもる」というものでした(語源に関して、いくつかの論文を参照しましたが、特にY. Kita, T. Hosokawa, お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.09.13 08:40:33
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