イオンが、かつてのダイエーのようになってしまった?
「トップバリュやめようか」…イオン挫折、出直しへ ■いま、日本のGMSでは、イオンに吸収されつくした感があります。ダイエーもマイカルもヤオハンも。すべてイオンになりました。かつての大手GMSでイオンに吸収されていないのはイトーヨーカ堂だけ。そのヨーカ堂も低迷しています。さぞかし業績好調なんだろうなーと思っていたら、実は営業赤字なんだとか。■ひとつは、GMSという形態が、時代に合っていないということが言えます。ニーズがある程度画一化できて、価格勝負だった時代は、規模によるバイイングパワーがものを言います。しかし今は、規模勝負ではなくなっています。店に魅力がなければ、客は来ません。全国画一の品揃えというのはどうにも味気ないものです。なんでもあるけど、ほしいものはない。というのは末期のダイエーに言われた言葉ですが、その状態になっているのでしょうか。■もうひとつは、行き過ぎた中央集権体制が時代遅れになってることです。ダイエーをはじめ、GMSは効率化を求めて、中央集権化、画一化を進めてきました。中央の戦略にすべての末端が従うというのは、やはりニーズが画一化されている時にはいいのですが、地域ごとに異なるニーズに応えるためには適していません。地域の食品スーパーの方が、柔軟な対応ができる所以です。■要するに、規模の拡大を追い続け、混乱を避けるために中央主権化を徹底した末に、現場ニーズに対応できなくなってしまったということです。これでは、拡大そのものを目的とした組織です。「孫子」には、現場の指揮官は、状況に応じて上位の命令に背いてよい。と書かれています。それぐらい現場が大事だということです。まさに、ダイエーが陥った病にイオンがかかってしまうとは。■記事を読むと、イオンの現場がいかに硬直化してしまっているかがわかります。絶望的にも思えます。イオンがこの状況から、現場で戦略を立てるような組織になることは大変でしょうね。ドンキホーテを買収して、イオン全体の運営を任せるとかぐらいしないと難しいんじゃないか?勝手なことを言ってすみませんが。