カテゴリ:バレエ(海外バレエ団)
■第3部■ 19:50~20:40
●「ラ・シルフィード」 振付:オーギュスト・ブルノンヴィル/音楽:H.S.レーヴェンスヨルド ナターリヤ・オシポワ レオニード・サラファーノフ オシポワとサラファーノフ、2人の跳躍力の高さが存分に活かされた演目でした。ブルノンヴィル独特の「足さばき」も軽やかなサラファーノフは、赤いチェックのキルト姿がとてもキュートでした。 ●「アルミードの館」よりシャムの踊り 振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:ニコライ・チェレプニン ティアゴ・ボァディン 超絶技巧があるわけでもないのに、異様な迫力を感じて見入ってしまいました。目ヂカラが凄いよ!ボァディン。バレエ・リュス誕生100周年の今年、ハンブルク・バレエ週間にて「ニジンスキーマニア」のノイマイヤーが、新たに振り付けたものとか。 ●「マクベス」 振付:ウラジーミル・ワシーリエフ/音楽:キリル・モルチャノフ スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ 深紅のドレスのスリットから、何度も高々と上がるザハロワの美脚。眼福。造形的な美しさに見惚れるぶん、マクベス夫人の悪女っぷりが感じられませんでした。良くも悪くも、何を踊ってもザハロワはザハロワなので…。いつもの(長マントの王子)ウヴァーロフに慣れた目には、狂気じみたマクベスは、いわば「汚れ役」。王を暗殺し苦悩する演技にも迫力がありました。 ●「ロミオとジュリエット」より "寝室のパ・ド・ドゥ" 振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ 別れのパ・ド・ドゥですね。レイエスのジュリエットはとても初々しく、身体中から「行かないで、ロミオ!」と泣き叫んでいるようでした。カレーニョは紳士なロミオで、それはそれで包容力を感じるのだけれど、初々しさがもちっと欲しかった。(ここは、コレーラかゴメスのロミオで観たかったなぁ…) ●「じゃじゃ馬馴らし」 振付:ジョン・クランコ/音楽:クルト・ハインツ・シュトルツェ マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ 惹き込まれました!すっごく楽しかった。アイシュヴァルトもバランキエヴィッチも、こなせる役の幅が広いですね~。ふてぶてしい態度、がに股歩きが似合うアイシュヴァルト(笑)。バランキエヴィッチも、男臭い風来坊を全身で好演。お得意の高いジャンプや高速のザンレールでも魅せ。 しかし、夫婦の取っ組み合いの喧嘩までを踊りにしたクランコの才能にも、あらためて感心してしまいました。次回の来日公演では、ぜひこれを持って来てもらいたいです。 <休憩15分> ■第4部■ 20:55~21:55 ●「パリの炎」 振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ ヤーナ・サレンコ ズデネク・コンヴァリーナ Bプロのコチェトコワ×シムキン組の鮮烈な印象が残るだけに、同演目は不利では…と思いきや、確実なテクニックに裏打ちされた堅実な演技で魅せてくれました。サレンコは、90度ずつ方向を変えてゆく変則フェッテをやりました。2人ともそれほど大柄ではないのですが、踊ると大きく見えますね。 ●「三人姉妹」 振付:ケネス・マクミラン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス 人妻への熱い想いを渾身の大ジャンプで表すヴェルシーニン中佐に、思わず声援を送りたくなります。マクミランの振付けは「鬼」! ●「ザ・ピクチャー・オブ」 振付:パトリック・ド・バナ/音楽:ヘンリー・パーセル マニュエル・ルグリ 深いブルーに包まれた舞台に鯨の鳴き声が響くという、幻想的な始まりかたが、なんとも心地よい。作品の解釈や世界観云々は置いておいても、ルグリ様の流麗なムーブメントを拝めるだけで癒される。 ●「ロミオとジュリエット」 振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ オレリー・デュポン ローラン・イレール プレルジョカージュなロミ&ジュリ。墓場に埋葬されたジュリエットをロミオが見つけ悲嘆にくれるシーンから、お互いに自害して果てるラストまでを描いたわけですが…まずは、オレリーの「死体」っぷりの良さに、驚き。イレールの暴力的までの嘆きっぷりに、驚き。転がされても投げ出されても「死体」のままのオレリーに、驚き。後追い自殺はナイフでぐさーではなく、切腹のようなハラキリに、驚き。空気が張り裂けんばかりのオレリーの慟哭に、驚き。リストカットの幕切れに、驚き。それだけ惹き込まれたってことよ。 でもこれが、生身の人間の反応に近い振付け(行動)なのだと思います。 ●「春の声」 振付:フレデリック・アシュトン/音楽:ヨハン・シュトラウス アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー 前に見た時も思いましたが、春の妖精のように可愛いコジョカルと、最愛のパートナーであるコボーのためにあるような作品ですね。 ●「ドン・キホーテ」 振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス 上野水香 デヴィッド・マッカテリ 水香さん仕様のドン・キなんでしょうか。それとも、安全策?かなりゆったり(ゆっくり)目の演奏で、リフトが一切無くバランス技を多用した振付けでした。無事に終ってホッとしたのは、観客だけではなく、ご本人達も同じだったのでは…フェスのトリですもんね。 フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲) ※その3に続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.08.16 23:56:29
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