テーマ:今日見た舞台(965)
カテゴリ:バレエ(海外バレエ団)
彩の国バレエ・ガラ
ブベニチェクとドレスデン国立歌劇場バレエ団の俊英たち 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール 開演 15:00 <第1部> ●辿り着かない場所 (日本初演) (2005年/ハンブルク・バレエ団) 振付:イリ・ブベニチェク 音楽:オットー・ブベニチェク 美術:イリ・ブベニチェク 衣装:エルザ・パヴァネル 出演:オットー・ブベニチェク、エレナ・ヴォストロティナ、ギィ・アルブイ、 ドゥオシー・ジュウ、カテリーナ・マルコフスカヤ 他 総勢15名 開演前の舞台上手側にドレープを寄せた大きな円形状の布が敷かれ、淡いブルーとマゼンタ(ピンク)の照明が当たり、幻想的な雰囲気を醸し出しています。暗転中にオットーと女性ダンサーがスタンバイし、中心2ヶ所に人が入るほどの穴が空いた「巨大スカート」だと判明。下手側と奥にも同様の男女が。円錐状の長ーいスカートは、まるで山のよう。毎度のごとく妄想炸裂ですが、とっさに「天地創造」が浮かぶ。下半身がスカートで一体化した「つながれた男女」は、やがて別々の2体になり…これって アダムとイブ じゃん、と思う。後でパンフの作品解説を読んだら「プラトンの『響宴』の一節、愛、そして愛の起源について語られたアリストパネスが語る説話からインスピレーションを受けた」とあったので、あながち的外れではないかも。 男と女が生まれた太古から現代へ、様々な男女、人と人の関係性が展開されていきます。終盤に3つの扉が現れ、3組のカップルによる異なる愛のかたちが表現されます。相思相愛の幸せなカップル、ぶつかりあうも心を通わせようとするカップル、そしてすれ違いから憎しみあうカップル。舞台奥の冒頭に出てくる「つながれた男女」の元へ憎しみあうカップルが静かに歩んで行くラストで、ちょっと哀しくなってしまった。人生、それなりに長く生きていると、作品につい自己を投影しちゃうからね~。(←意味深?) 長身で赤毛のダンサー、エレナが素晴らしかったです。 <第2部> ●ステップテクスト ドレスデン国立歌劇場バレエ団 "特別ヴァージョン" (2004年) 振付:ウィリアム・フォーサイス 音楽:J.S.バッハ『シャコンヌ』 出演:エレナ・ヴォストロティナ、イリ・ブベニチェク、オレグ・クリィミュク、 クラウディオ・カンジアロッシ 20分の休憩時間が10分過ぎたあたりで、何の前触れもなく舞台下手にイリが現れ、ウォーミングアップ(?)?を始めたので「あら!トイレ休憩に行かなくてラッキー♪」と思っていたら…順次、他のダンサーが現れ、そのまま暗転~2部開幕へ。前付けの”10分”は、フェイントですよ!黒タイツの男性3人+深紅の女性。エレナの身体能力の高さに驚愕しました。これまた後で見たパンフによると、彼女は「ドレスデンのシルヴィ・ギエム」と称されているとか。納得。 <第3部> ●ル・スフル・ドゥ・レスプリ ー魂のため息ー(日本初演) (2007年/チューリッヒ・バレエ) 振付:イリ・ブベニチェク 音楽:ヨハン・パッヘルベル『カノン』、J.S.バッハ『G線上のアリア』、 ロマン・ホフステッター『弦楽四重奏ヘ長調5番』、 オットー・ブベニチェク『天使の到着』『サイレンス』『天使の出発』 舞台装置&映像製作/衣裳:オットー・ブベニチェク 照明デザイン:マルタン・ゲバー 出演:イリ・ブベニチェク、オットー・ブベニチェク、ヨン・ヴァイェホ、 ギィ・アルブイ、カテリーナ・マルコフスカヤ、エレナ・ヴォストロティナ、 浅見紘子、他 総勢13名 ●フィナーレ(出演者全員による) ★彩の国さいたま芸術劇場 公演ページ http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/d0123.html 実は、ブベニチェク兄弟を生で観るのは今回が初めて。5年前のハンブルク・バレエ団公演で唯一観た「眠りの森の美女」は、惜しくも違うキャスティングの日でした(それはそれで素晴らしかったけれど)。その後も観る機会に恵まれないまま、彼らの才能を絶賛する声ばかりが耳に入ってきて、私の中でブベニチェク兄弟は「とんでもない天才ダンサー」に妄想が膨らんでいました。まさに満を持しての今回の公演。じっくり堪能させていただきました。 演目ごとの感想とは別に…と言うよりも今回の公演を観て、私が最も強く感じたのはイリ・ブベニチェクの振付けって凄い!ということ。「自分は踊らず、観るだけのファン」の私には、テクニック的なことはわかりませんが、彼の非凡な才能をビシビシと感じました。 例えば、故ベジャール氏やナチョ・ドゥアトとかだと、間の取り方とか振付けのパターンが一応あって、新作の初見時でも「あぁ、やっぱりね」と、ある意味予定調和(?)に安堵しちゃったりするのですが(生意気な事書いてすみません)、イリは違った!「え?このメロディに、この動き(リズム)ってアリ?」「こう来るかぁ!」と、予想外の振付けに驚くばかり。しかもそれが、とても美しく、心地よいと来た。とにかく、素晴らしくて…あぁ、どう表現したらいいの?(苦笑) にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.26 12:33:23
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