カテゴリ:演劇(小野寺修二)
白石加代子 女優生活50周年記念公演
笑った分だけ、怖くなる vol.2 演出:小野寺修二 出演:白石加代子 佐野史郎 あうるすぽっと 開演19:00 前回のVol.1が怖面白かった(感想書いてません)ので、今回も期待して観に行きました。2作とも観劇直後はどちらかと言えば後味の悪さ?が先にたち、後になってから怖さや面白さが「じわじわくる」感じでした。白石さんと佐野さんが朗読と役柄を交互に掛け持つスタイル。絶妙な間、テンポに演出:小野寺修二の味付けが垣間見えます。 【第一ラウンド】 作:筒井康隆「乗越駅の刑罰」(新潮文庫『懲罰の部屋』より) 上演台本:笹部博司 小説家の入江は7年ぶりの里帰りで乗越駅にやってくる。無人と思い切符を出さずに改札を抜けようとすると、駅員に呼び止められる。入江の弁解を一切認めず駅員は言葉尻をとらえて執拗に入江をイビる。そこに、もう一人の駅員が来て子猫いりスープを作り始める。怖くなった入江は金を渡して逃げようとするが、余計怒りを買い無理やり猫スープを飲まされて・・・ これは原作を知っていたのでいや〜な予感はしていましたが、やっぱり「うげぇ…」な展開でした。悪夢だ、これは悪夢なんだ。ノスタルジィに浸るくらいの気持ちで里帰りした主人公が、徐々に徐々に自らの罪の気持ちに侵食され、最後はおぞましい厳罰に処せられ追い詰められる展開が怖すぎます。(まぁ、ちったぁ反省しろや、という気持ちがなくもないんですが) 【第二ラウンド】 作:井上荒野「ベーコン」(集英社文庫刊) 上演台本:佐野史郎 母は家族を置いて家を出た。その母が死んだ。葬式で母の恋人と出会った「私」。初めてだった。男からそんな目で見つめられたのは。男の視線につき動かされ、彼の家へ通いつめる「私」。男が作ったベーコンを食べたとき、強い衝動に襲われ禁断の愛の味を知る。 エロティックな話ですねぇ、これ。そもそも「食べる」行為とはエロティックなもの。極上のベーコンを作る男の燻し銀?の魅力に私も堕とされてみたいわ〜。なんてね。加代子さんの年齢を感じさせない艶やかな声を通して露わになる「私」の心の中にゾクゾクしました。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.05.23 19:21:48
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