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カテゴリ:坂田 博昭
JRAからも発表されていますが…スプリンターズSに出走を予定していた香港のセイクリッドキングダムの、遠征回避が発表されました。 先週火曜日にシャティン競馬場で行われたバリアトライアルのあと、右前脚に不安を発症。当初は「挫石で休養数日で調教に復帰」と見られていたのですが、検査の結果左前脚の種子骨にうっすらと陰が見え、亀裂骨折の疑いがあるということで、少なくとも6~7週間の休養を余儀なくされました。
世界的なスプリントチャンピオンの姿を、日本で見ることが出来なくなったのは本当に残念。 スプリンターズSでこのセイクリッドキングダムを迎え撃つ日本勢も、ファイングレインにスリープレスナイト、カノヤザクラやキンシャサノキセキと、夏を越えて陣容がズラリと揃ってきただけに、そんな日本勢がどんな風に立ち向かうのかと楽しみにしておりました。
ところで、セイクリッドキングダムの戦線離脱は、暮れの香港スプリントへ向けての世界のこの路線の戦いに、大いに影響を与えそうです。 というのも、実は香港のスプリント路線も、もう一方の実力馬だったアブソリュートチャンピオンがシンガポールで命を落とし、トップはセイクリッドキングダムにおんぶにだっこの状態。07-08シーズンの最優秀短距離馬の選定も、この馬1頭しかそもそもノミネートされませんでした。 現に陣営も、「仮に香港スプリントに出られなくても、それで全てが終わるわけではない。シーズン後半にも、この馬が出走すべきレースは沢山ある」と語っており、復帰はあくまでも馬の状態次第ということになりそう。もしこの馬が間に合わないとなれば、香港馬の独壇場だった香港スプリントも、今年は遠征馬にも十分チャンスありということになりそうです。 日本馬はこれまで全く歯が立たなかったのですが、今年は情勢としても戦力としても、このスプリント戦線で大いに楽しみが出て来そうです。
オーストラリア勢に目を転じれば、グローバルスプリントチャレンジ(GSC)第1戦のライトニングSを勝ったアパッチキャットが、一応香港を目指すことになっていますが、これも報道を見るとまだ確定ではないみたい。 オーストラリアでは、11月にGSC第7戦のジエイジクラシックが行われますので、そこで香港に向けての陣容が定まることになりそうです。
また、ヨーロッパからは、昨年も暮れは香港を走ったマルシャンドールでしょうか。GSC第4戦のジュライCを勝ったあと、先月にはモーリスドゲスト賞も勝って、同レース3連覇を達成。ヨーロッパのこの路線のレベルは微妙なものがありますが、遠征経験もあり、今期は6月から走り始めて4戦3勝と、成績からは昨年よりも勢いを感じますから、やはり脅威ですね。
そのGSCのシリーズ自体は、チャンピオンの条件の1つ「3カ国で出走して」を満たす馬が恐らく現れませんので、今年はチャンピオンなしになりそう。しかし、シリーズ最終戦の香港スプリントは世界からトップ級が集まり、事実上のチャンピオン決定戦になることは間違いありませんから、そこへ向け秋に世界各地で行われるスプリント戦からは、目が離せません。
そこに至るプロセスとしては勿論、日本のセントウルSとスプリンターズSも大注目。今週のセントウルSにはファイングレインとカノヤザクラが出走しますから、中山から香港へ繋がる、いい走りを見せて欲しいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年09月09日 23時37分36秒
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