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2013年06月17日
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カテゴリ:奥村 武
奧村

先週半ば、とてもショッキングなニュースが飛び込んできました。

4強対決と盛り上がっていた宝塚記念。

その中でも大将格だったオルフェーヴルが1週前の追い切り後、肺出血を発症。

同競走を回避するのだそうです。

是非見てみたかった4強対決。

でもお馬さんのことを考えれば仕方ありませんよね。

秋には日本人みんなの夢を背負って走るわけですからね。

この子が本当に頑張らなくてはいけないのは今ではないのですから。


以前にも紹介したことがあるこの肺出血という病気。

もう一度おさらいしておきましょう。

今回のオルフェーヴルの場合、まず間違いなく「運動誘発性肺出血」だと考えられます。

この病気は調教や競走など激しい運動時の呼吸数、血圧の上昇によって肺の毛細血管が破れているのではないかと考えられています。

考えられていますと書いたとおり、まだまだ研究の途中だということで完全にその発生メカニズムは解明されてはいないのだそうです。

この事象がレース中に発症すると当然呼吸困難に陥り、急に失速してしまいます。

そして一度発症すると破れた血管が完全に修復するまでは、再発しやすい病気でもあります。

さらには、馬券を買って下さるお客様に対して「欠陥商品」を売るのと同じようなことになってしまうわけですから、JRAからきちんと回復させる時間を取る事も含め出走停止の処分が下されます。

これは仕方のないことでしょう。

お客様が安心して馬券を買える商品を揃えるのは、売る側としては当然の事ですからね。

いずれにしても発症すると良いことは何一つありません。


しかし最近の研究では面白い事実も見え始めています。

この運動誘発性肺出血はレースや調教後、少し時間が経ってから鼻孔からの出血で確認されることが多いのです。

呼吸器は肺から気管支、気管ときて鼻腔、鼻孔に繋がっていますからね。

レースから上がってきてその場で大量に鼻血を吹いていたりするのは、相当にひどい時。

大体は厩舎に帰ってから、さらには手入れも終わって飼い葉を食べ始めたときにちょろっと鼻から血が滲んでくるものです。

つまりこれらの差は「程度問題」なわけですね。

たくさん肺の中で出血していれば走行中にも鼻孔からの出血が見られ、少しだったらしばらく経ってから出てくるだけのことなんですよね。

そこである研究者が、鼻孔からの出血の有無を関係なしに激しい運動を課したお馬さん全ての肺の中の状況を調べたところ・・・

なんと8割のお馬さんが、肺の中に少量でも出血が確認されたというではありませんか。

つまり「見かけ上」鼻出血を発症していなくても、全力で走ると馬という生き物は肺の中で出血が起こる動物だということ。

ほぼ全ての場合において私たちが気付いていないだけなんですね。

ですから今回のオルフェーヴルの場合、どの程度だったのかが今後に向けて非常に重要な問題となる訳です。

報道で大きく「鼻出血」「肺出血」と出ると、その言葉だけが一人歩きしてこの件に関して本当に重要なその程度問題が軽視されています。

新聞にあった池江調教師のお話によればその辺のことにもしっかりと触れられています。

今後、凱旋門賞に向けて大事なのはまさにその程度問題となってくるわけですから。

宝塚記念を回避するのは当然の決断です。

恐らく内視鏡検査で肺からの出血が確認できたのでしょうから、血液が鼻孔まで達することはなかったにせよある程度の量の出血はあったと判断できますからね。

無理をすればさらに上のレベルの出血をする可能性は否定できませんから。

そうなると競走中の失速、秋に向けての回復も厳しいという最悪の状況を迎えることになってしまいます。

報道というのは競走中に事故が起きれば「仕方ない」で済まし、未然に防ごうとレースを回避すると大事として取り上げる傾向があります。

レースを使うのは簡単(統一球のように隠蔽すれば良いだけですから)。

やめるのは本当に勇気の要ることです。

この英断が秋にオルフェーヴルの頭上に栄冠をもたらし、ファンや関係者の皆さんの笑顔に繋がるよう祈っています。






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最終更新日  2013年06月17日 11時24分49秒
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