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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。
初夏の盛岡開催も今週末で終了というタイミングなのですが、7日には芝2400mの重賞・かきつばた賞が、また8日には今季最初の2歳新馬戦が芝1000mで行われるし・・・という事で、今回は盛岡競馬場の芝コースを改めてご紹介したいと思います。 盛岡競馬場の芝コースは一周1400m、幅員25m。ダートコースの内側にあって小さく見えますが、実は水沢のダートコース(一周1200m・幅員20m)よりも大きいです。というか他地区のダートコースに比べても大きい方に入ります。 高低差は地方競馬全国協会などのコース紹介では「4.6m」となっていますが、これは3コーナーあたりの頂点と4コーナーあたりの最も低い点の差の数値です。直線の坂自体は約2.8mで、3コーナーから300mほどの間に4.6m下り、直線に向いて200mほどで今度は一気に2.8m駆け上がるというなかなかトリッキーなコース形態。 JRA京都競馬場の3コーナーの坂は「ゆっくり下らなければならない」と言われて有名ですが、盛岡芝コースの3コーナーの坂も、小回りの急カーブに加えての下り坂ですから、うかうかすると4コーナーを綺麗に周りきれなくなってしまう。このコースを初めて走る騎手が陥りやすい罠ですね。 ★1コーナー側から見通すと騎手の頭しか見えません ちなみに盛岡の芝コースはいわゆる「洋芝」のコースです。公式発表ではケンタッキーブルーグラス・ペレニアルライグラス・トールフェスクの三種混合とされており、芝種の組み合わせはJRAの札幌競馬場や函館競馬場と同じです(5月にトレーニングセールに行った際、函館競馬場の芝コースを間近で見る機会がありました。盛岡の芝と感じが凄く似ていました)。東北地方のサッカー場なんかもこんな組み合わせで作っているそうですね。 また、三種の割合は均等ではなくて、確かペレニアルライグラスが一番多くなっているのではないかと思います。 芝長は11cm~12cm。1cm違ったくらいでどんな影響が出るのか・・・と思ってしまいますが、乗っている騎手達は敏感に感じているようで、芝が長めの時は走りづらいと嫌がる騎手もいます。 JRAの福島以南の競馬場で主に使われる野芝はサラサラした感じ。盛岡などの洋芝は、なんというか“もっちり”していてまとわりつく感じです。「JRAの競馬場にはない極端な小回りのコース+洋芝」。そんなやや特殊な条件が、コースとの相性とか成績だとかを良い方にも悪い方にも極端に分けてしまうのだ・・・と感じますね。 さて、向こう正面に行ってみましょう。2歳新馬戦で使われる1000mのスタート地点は、同時に2400mのスタート地点でもあります。ここから3コーナー方向を見通すと・・・。意外にコーナーが近い感じがしますね。実際は3コーナーまで400m近くあるんですけども、真っ直ぐ見通せるせいか近く感じます。古馬の1000m戦などでスタート後のポジション争いが妙に過熱する事がありますが、“意外に近い”と感じる感覚的なプレッシャーがそうさせるのかもしれません。 ★3コーナーが意外に近く感じます ★スタンドの方を見ると、これがまた意外に広々した景色で。ここにシートを拡げてお弁当を食べたい・・・という衝動に駆られる 3コーナーあたりは、芝コースはコース内の最高点に達しますが、ダートコースの方も3コーナーあたりが頂点になっているために、ここから見ると芝コースを「見下ろす」形になります。 3コーナーから先は芝コースもダートコースも共に下っていきます。4コーナーあたりが「底」になるのも、両コースとも同じ。 しかし芝コースの方がより低く下り、より高く登ります。4コーナーを回った所ではダートコースより低かった芝コースが、直線半ばでは逆に芝コースの方がダートコースより高くなっていきます。ダートコースよりも急な坂の存在が、芝レースのいかにも“芝らしい”激戦を生み出しています。 ★1700mのスタート地点あたりから ★この登り具合です。ちなみに、内ラチの内側に幅2m近いスペースがありますが、以前、放馬した馬がラチを飛び越えてここに入り込み、何周も走り続けた事がありました・・・ 小ネタですが、1600mのスタート地点にある基準点には「3000m」の記載もあります。盛岡ではダートの3000mは行われた事がありますが芝は2400mが最長。一度見てみたい気がしますねえ、芝3000m戦。 小ネタをもうひとつ。芝レースの時のゲートはどうしているかというと、芝レースの前にダートコースから移動しています。ダートコースの外側からコースをくぐって内馬場に出る業務用通路を通っていまして、4コーナーあたりではゲートが地下に潜っていく所を見る事ができます。ゲートを真上から・・・ってなかなか無いと思います。ちょっと遠い所ですがお時間があればぜひ見に行ってみて下さい。 ※今回の芝コースの写真は10月頃に撮影したものです。今の時期とは生え具合・荒れ具合が異なっている点をご了承ください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年06月05日 22時36分42秒
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