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カテゴリ:坂田 博昭
水曜日の担当は、坂田博昭です。
今回も、出かけた先で見聞きしてきた話をお伝えします。 まず、門別競馬場の話から。 短期移籍で門別に来ていた多田羅誠也騎手が、先週の開催まででその期間を終えました。 (取材日:8月29日火曜日) 「2歳馬について勉強したい」 門別に滞在することにした主な理由をこのように話した彼でした。 その期間を終えることになり、いまどのような心持ちなのか。話を聞いてみました。 「得たいと思っていたことも得られたと思いますが……思っていなかったことの収穫がとても大きかったと思います。」 その「思っていなかったことの収穫」の中身を聞くと「レースに関すること」という答えが返ってきました。 元々は、「あまりレースで勝つと言うことを意識しすぎると、本当に身につけようと思っていること(2歳馬に関すること)が疎かになるような気がする、と話していた彼。それが「レースに関する収穫」を口にしたのは、とても意外なことでした。 「門別は大きなレース場ですから、レースの中でミスをすると、それが本当に目立ってしまいます。そして結果を左右する。だから、基本的初歩的なことがより一層大切になってくると感じました。」 馬の乗り方やコース取りは勿論、鞭の使い方に至るまで、一つひとつのことが、とても大切なのだということを、改めて感じ学んだと言います。 「小回りの高知と比べて、門別では『出来ること』が少ないです。人気の馬に対して、人気がない馬で『出し抜け』を狙うようなことが出来ない。だから『ミス』がレースを左右します。『ミス』なく乗ってくることがすごく重要。北海道の騎手の方々は本当にきれいに乗ってくるのは、そういうことかと気づきました。」 「馬について学ぶこともさることながら、『人』の面の収穫が本当に大きかったと思います。」 騎手だけでなく、調教を手伝った調教師とも、とてもたくさん話をしたとのこと。所属の堂山芳則調教師は勿論、元騎手の小国博行調教師の名前も挙がりました。とても多くのことを教えられたと。 「結局、自分たち騎手って、プロになってしまうと『一人』じゃないですか。一つひとつ丁寧に誰かが教えてくれるわけではなくて、自分で身につけていかなければならない。そんな中で、門別では多くの人たちから学ぶことが出来ました。今まで言われたことがないようなことも言われましたし、それで気がついて教えられることがもの凄く沢山ありました。」 気になるのは、彼のこれから。 「色んな馬、様々な人々に出会って学ぶことが出来ました。北海道に来ただけでこれだけ学べるのだから……という気持ちが、とても強くなりましたね。勿論今は高知をベースにしながらで、また高知を離れることは難しいかも知れませんが、先々にはもっと色んな場所で乗って、もっと様々なことを見聞きしたいです。」 彼の中で、騎手としての何かがひとつ「覚醒」したのかなと。 私は彼と話していて、そんな風に感じました。 (この写真は、7月4日2R カンノンアーニモで勝ったときのもの 笑顔) 騎手・多田羅誠也が、これから先、どこへ向かって行くのか。 まずは高知での彼の姿が、また早く見たいです。 続きましては、名古屋競馬場から。 (取材日:9月5日火曜日) 「1週間雨」の予報、まるハズレ。素晴らしい晴天。 「ナゴヤブルー」も、目にまぶしい感じ。 但し、暑い…… 19歳 現役最高齢競走馬のヒカルアヤノヒメの情報 この二人に聞きました。 右が、ヒカルアヤノヒメの主戦・尾崎章生騎手 左が、所属する井上哲厩舎で見習中の、105期騎手候補生・望月洵輝(もちづきじゅんき)さん いま、ヒカルアヤノヒメの調教には、望月さんが乗っています。 「アヤノヒメに限らず、尾崎さんが調教も見ていてくれるので、本当に頼りになるし勉強になります」 ……と望月さん。ヒカルアヤノヒメの様子については。 「本当に元気ですよ。油断しているとグッとハミを取って持って行かれそうになります」 一時の状況からは、だいぶ持ち直したみたい。 9月19日火曜日に金沢競馬場で行われる準重賞・敬馬賞に、ヒカルアヤノヒメも登録されました! (金沢競馬の広報リリースの抜粋です) 尾崎章生騎手も、楽しみにしているようでした。「(負担重量)52kgならなんとか」と話していましたが、別定でそもそも53kgでしたね。 「とにかくこの馬は、きちんとレースに出て、きちんと走ってくることが大事。レースの前には、自分も一度調教に乗せてもらおうかな。」 出走は、慎重に馬の状態を見て最終決定されます。 9月19日の金沢競馬場 私たちはレースに出てきてくれることを祈り、ドキドキしながら待ちましょう。 この日のメインレースは、秋桜賞(SP1) グランダムジャパン古馬シーズンのレースで、遠征馬も大挙参戦しました 昨年の1500mから、今年は1700mに距離が延長されました。 レースの位置づけも、エントリーする馬も、少し変化が生まれたかな。 この日は、馬場の内ラチから2馬幅ぐらいが走りやすく、行ったまま逃げ切りのレースが続いていました。そのせいもあってか、1番枠から速度自慢のウィップラッシュが飛び出して逃げたあと、離れた2番手集団には遠征でやってきていた有力各馬が殺到。 金沢のハクサンアマゾネス(赤帽)もいる その内側には、昨年3着の大井・グランパラディーゾ(黒帽)もいる 高知のアンティキティラ(黄帽)も 兵庫のクリノメガミエース(青帽)も そこから離れた後方、3頭並びの一番内側に名古屋ブリーザフレスカ(橙帽) この馬は、自分のスタイルを保って運べたのかな。 向正面あたりまでの1100mの時計を逆算すると、逃げたウィップラッシュで67秒7。1ハロンあたり12秒3。いくらオープン馬でも、速いよね……疲れるよね…… そのあたりではすでに、ブリーザフレスカがぐんぐんと行き出し、勝負所ではすでに追いついていました。動き出してしまえばね。終いの脚は強烈ですから。 直線入り口 一番外に出して4コーナーを回ってきたブリーザフレスカ 勢いが全く違っていました。 後続を大差引き離して、圧勝! 塚本征吾騎手の勝利騎手インタビューの模様は、名古屋競馬オフィシャルYoutube映像でご覧下さい。 ブリーザフレスカの次走は未定 記者と塚田調教師への取材の中では、東海菊花賞?みたいな話も出ていました。 期待を集めたハクサンアマゾネスは10着と大敗してしまいました。 8月下旬に短期放牧から帰厩して、中間に時計は出ていたものの、元々休み明けに課題のあるこの馬には厳しい臨戦過程だったのかも知れません。 管理する加藤和義調教師も、休み明けという点を敗因の一つに掲げていました。 吉原寛人騎手も、とても残念そうな表情でした。 ハクサンアマゾネスが、次、どこに矛先を向けてくるのか。 その動向が注目されます。 昨日は残念だった吉原寛人騎手 今日は大井競馬場の東京記念で、セイカメテオポリスを勝利に導きました 3コーナーあたりの動き出し、勝負所のピンチを切り抜けた騎乗はさすが そして馬も強かった! また来週も、現場の話題を探してお届けしますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年09月07日 07時30分43秒
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