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2023年09月28日
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カテゴリ:横川典視
木曜担当のよこてんです。

 ファイナル・ダービーグランプリ特集(?)。​​第一回​​に続き二回目は2010年に復活してからのお話、そして今年の出走馬にも触れていきたいと思います。

■“地方3歳馬の祭典”として復活

 2007年、馬インフルエンザの影響でノングレードの地元重賞として行われた第22回を区切りとしてダービーグランプリはいったん休止。ですが、“中3年”の休養明けを経た2010年、改めて“地方3歳馬の祭典”ダービーグランプリとして復活しました。

 前回触れたように第1回はシーズン最終開催週の12月7日に行われていたダービーGPでしたが第2回からは11月下旬に定着。それがJRA交流化後に11月上旬、のち9月下旬へと移動していっていたので、“復活”ダービーGPが11月下旬に行われるのはまさしくかつての、地方馬だけのダーグラの復活を思わせるものでしたね。

 その復活ダービーGPを制したのが岩手のロックハンドスターだったのも、岩手のファンとしては良かったですよねえ。
 2歳・3歳・古馬と、グレードレースだけでなく地方交流重賞でも他地区馬にタイトルを持って行かれる事が多かっただけにこの勝利は気持ちのいい勝利でした。


★2010年の“復活ダービーグランプリ“を制したのは地元岩手のロックハンドスター



★レース後の菅原勲騎手を取り囲むマスコミ陣の多さからもこの時の注目度の高さがうかがえます



★特別奨励金というものがあったんですね

 2010年からはロックハンドスター、カミノヌヴォー、ロッソコルサと岩手勢が3連覇。


★2011年優勝は岩手カミノヌヴォー。震災の影響によりこの年は盛岡での開催





★2012年も優勝は岩手のロッソコルサ。ここでも村上忍騎手の大きなガッツポーズ

 2013年からはしかし、ジェネラルグラント、ドラゴンエアル、ストゥディウム、トロヴァオと南関勢が4連覇して逆襲。ダービーGPでの南関所属馬の優勝は、実は第3回アエロプラーヌ以来のことだったりしました。


★2013年は船橋ジェネラルグラントが優勝。石崎駿騎手の父・石崎隆之騎手もイシノサンデーで第11回ダービーGPを制しているので“親子制覇”になりました


★2014年は川崎ドラゴンエアル。鞍上は吉原寛人騎手、第8回をミスタールドルフで制した渡辺壮騎手以来となる金沢所属騎手の制覇にも


★2015年は船橋・ストゥディウム。石崎駿騎手は史上6人目のダーグラ2勝ジョッキーになりました


★2016年の勝ち馬は大井・トロヴァオ。鞍上は真島大輔騎手(現調教師)。第3回的場文男騎手以来の大井競馬所属騎手の優勝

 2017年にホッカイドウ・スーパーステションの勝利もまた第6回リバーストンキング以来のホッカイドウ競馬所属馬の優勝。この時の鞍上・阿部龍騎手は22歳と8ヶ月で、第12回をテイエムメガトンで制したJRA・菊地昇吾騎手の21歳11ヶ月に次ぐ若さでの戴冠に。




★2017年は降りしきる雪の中でのレースに。角川調教師には「あの時は寒かった!」と今でも言われる。写真を撮る方としてはピントが合わないのでたいへん苦労した記憶の年

 2018年は岩手のチャイヤプーンが優勝。遠征馬に掲示板を占められるような状況になってきていた数年分の鬱憤をまとめて晴らす快勝でした。


★2018年優勝は岩手チャイヤプーン。久しぶりの岩手勢勝利

 ところで復活時は800万円だった1着賞金は2017年に1000万円、2020年に1500万円、2021年に2000万円、2022年には2500万円と年々上昇し地方馬のみの重賞としては全国トップクラスのものに。出走を目指すメンバーもそれに伴って年々豪華に、強力になってきました。
 2021年はホッカイドウ・大井・浦和・船橋・金沢・兵庫の6地区から、2022年はホッカイドウ・大井・浦和・船橋・愛知の5地区から遠征馬が参戦。多士済々、様々な路線から進んできた馬たちの激突は、地元岩手勢の成績は今ひとつではありましたが、ダービーGPという舞台にふさわしい戦いだったと思います。


★2019年はホッカイドウのリンノレジェンドがV。鞍上岡部誠騎手はダービーGP初制覇かつ愛知所属騎手として史上初の優勝騎手になりました。またこの年から照明下でのレースにもなっています


★2020年は岩手フレッチャビアンカが優勝。高松亮騎手も初制覇


★2021年は船橋ギガキング。同馬は2歳時にホッカイドウ所属として南部駒賞を勝っており、“ダービーGP以前に岩手で重賞勝ちの経験がある遠征馬”として初



★そして昨年2022年はホッカイドウ・シルトプレが優勝。2着もホッカイドウのエンリルで、 “ホッカイドウ勢のワン・ツー”は史上初


■時代に翻弄された面も

 36回目の今年で幕を閉じる事になるダービーグランプリ。改めて振り返ってみると、2010年の復活後が今年を含めてのべ14回。“第1期”といえる地方交流時代が10回、“第2期”となるJRA交流時代が、イレギュラーになってしまった2007年を含めても12回でしたので、今の“第3期”が実は一番長い区切りになっているんですよね。G1だったのは10年間(ちょっと間違いやすいのが、交流初年度の1996年はノングレードの交流重賞だったこと。これはクラスターC・南部杯も同様。ちなみに1年後の97年に創設されたマーキュリーCは最初からグレードレース)だったから、そう思ってみると案外短かったですね。

 全国のトップクラスの3歳馬を集めたいという位置づけゆえに時代に翻弄された面もありました。

 初期の11月から9月に移ったのは2001年のJBC設立の影響でしたし、復活後の11月下旬の位置から2019年に10月頭に移動したのもやはりダービーGPを制した馬がJBCにも向かえるようにという狙いから・・・だったりします。




★初期の“3歳ダート三冠”の一戦だったスーパーダートダービー。1996年創設も実質3回で役目を終えた非常に短命なレースでした。画像はメイセイオペラが出走した1997年・第2回

 そして今回も、全国的なダート競走体系整備の中で3歳のチャンピオン路線が南関三冠に集約される中でダービーGPがその役目を終える形になりました。

 3歳路線は以前から行ったり来たりしていた・・・と言えばそういうところがありますよね。 3歳馬のチャンピオンクラスは秋冬には古馬と激突するようにしようとか、いややっぱりある程度は3歳馬だけのレースも残した方がいい・・・とか。
 そうは言っても、どういうふうに路線を進ませていくか?はレースの配置だけでなく“その路線を戦い抜く事でどれくらいの賞金を獲得できて、その先にどんな路線に進めるか?”まで考慮して組み立てていかないといけないですから、難しい事なのは間違いないと思います。

 自分は度々書いていますけども「全国的なダート競走体系整備」は“早くから3歳馬に賞金を持たせて、早くから対古馬路線に進めるようにお膳立てする事”が狙いだと、もちろんそれが主目的ではないでしょうが、いずれそうなっていくだろうと考えています。

 新しいダート3冠路線はそのトライアルまでもグレード化されますから、路線を好成績で完走できれば秋冬にはJBCであったりチャンピオンズC、東京大賞典へと挑む、その出走枠をベテラン古馬と争えるだけの賞金を持っているでしょうし、なんなら途中で抜けて南部杯に向かう事もできるでしょう。高いレーティングを獲れれば海外にも行きやすくなる。いわば世代交代が強力に推し進められる、それも毎年・・・という事になるのではないでしょうか。

 そんな流れの中にダービーGPがあってくれれば良かった・・・とは思わないでもないです。ですがここはひとまずどんな形になっていくかを見守ってみたいですね。


■いよいよ“ファイナル・ダービーグランプリ”

 さて。そんな最後のダービーグランプリが10月1日に迫ってきました。この稿を書いている時点での出走申し込み馬、遠征馬は6頭となっています。ホッカイドウから2頭、大井から4頭で、全国各地から集まった近年に比べて所属場の数ではだいぶ少なくなりましたが、しかし“無敗のダービー馬”ミックファイア参戦、そしてその王者に挑む馬たちの存在が、最後のダーグラを盛り上げてくれそうです。

 まずミックファイア。今年はダービーGPだけでなく全国各地の3歳戦で“今年で最後の○○”的な前置きがついたわけですが、この馬は“南関馬だけの東京ダービー”さらには“今年最後のジャパンダートダービー”を制してきて、路線が大きく変わる直前の今年のまさしく“時代の寵児”となっていますよね。
 こういう年だからこそ強い馬が出てほしい、無敗で駆け上がっていくような馬が出てほしい・・・というファンの想いを体現したかのような。
 ここまでの流れからすれば“最後のダービーグランプリ”もこの馬のためにあるようなもの、この馬が勝ってこそ歴史が締めくくられるのかな・・・という考えにもなってきます。


★ミックファイア(ジャパンダートダービー)あくまでも予想を抜きにしての話をするならば、歴史の文脈はこの馬を後押ししている


 しかし、挑む馬たちもまた同様に、歴史最後のこの舞台で勝って、その名を刻み込もうと思ってやってきます。

 ホッカイドウの三冠馬ベルピット。2歳時に二度敗れた事があるために“無敗の三冠馬”という称号こそ手にする事ができなかったとは言え、その二度の敗戦も2着、3歳三冠戦線では他馬をまったく寄せ付けない強さを見せつけてきました。
 門別デビューの2歳馬がのちに南関はじめ全国に転じて3歳戦線で活躍する・・・という構図は周知の通り。今年にしても、南関3歳クラシック路線で好走しているような門別出身馬を、昨年のこの馬はほぼ圧倒し続けていたわけですから、南関勢恐るるに足らずと乗り込んでくるのも決して裏付けが無い話ではありません。


★ベルピット(22サンライズC)その負けた時の写真で申し訳なし


 ケンタッキーダービーに挑んだマンダリンヒーロー。戸塚記念で2着に敗れヒーローコールに連敗の形、藤田調教師も「三番目の馬になっちゃったかな・・・」とちょっと寂しそうに振り返っていましたが、とはいえコーナー6つの川崎2100mに比べれば実質一周競馬になる盛岡2000mはこの馬向きの舞台のはず。鞍上に吉原騎手を据えてきたのも不気味


★マンダリンヒーロー(戸塚記念)陣営は “勝負付けが済んでいる”とは思っていないはず


 南関勢のサベージ、タイガーチャージは、例えば対ミックファイアの成績では分が悪いという他はないですが、ミックファイア・ヒーローコール・マンダリンヒーローが現時点で3強だとすればその次位を争える位置にはいる馬たちです。
 ホッカイドウのニシケンボブも同様で、三冠路線は全てベルピットの2着でしたけども、ベルピットが“もの凄く強い”のだとすればこの馬の相対的なポジションも自ずと上にあるという事になりますからね。
 さしあたり対ミックファイア・対ベルピットを想像するとして、いきなり逆転とまでは言えないでしょうけども、上位を争う資格は十分にあるはず。


 地元のルーンファクターも上々の調子で挑めそうです。


★ルーンファクター(不来方賞)

 今日木曜日に最終追切を行ったとのことでしたので管理する千葉幸喜調教師に感触をうかがっております。
「今朝は馬場が悪かったのと、先週、一週前に強めに追っているので今朝は反応を確かめる形の追い切り。手綱を取った坂口騎手の手応えも悪くなかったようです(千葉幸喜調教師)」

 不来方賞ではミニアチュールら相手に完勝、同馬の三冠達成を阻止した形のルーンファクター。転入前の結果が良くなかったこともあって評価しづらい面があるのは否めないところ。ですが、やまびこ賞はハマった部分があったかもしれませんが、不来方賞は正攻法で勝ちきっていて、これをフロック視するわけにはいかないでしょう。
 勝った事で「いや実は南関時代にミックファイアの1秒差で走っている馬だ」と言われたりもしましたが、ここでは、夏を越し秋を迎えてこの馬が成長している、この馬の本来の力が発揮されつつあるのだという見方をしておきたいですね。千葉幸喜調教師もそういう「成長がうかがえるレース、力を付けているのだというレース見せてくれれば」と願っているようです。

 ファイナル・ダービーグランプリ。その「最後の勝ち馬」として名を残すのはどの馬なのか?10月1日の盛岡第11レース、発走は18時15分。ネットで、現地で、歴史に残る戦いをぜひ見届けてください。





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最終更新日  2023年09月28日 23時56分59秒



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