席亭の囲碁日記

[【碁】囲碁上達法] カテゴリの記事

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• 思いつき　囲碁上達の法則

  　上達する人はよく考え、しない人は考えない　上達する人は決断が早く、しない人はいつまでも迷っている　本当に思い付きです。

  2008/07/30

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• 投了について

  　囲碁には投了というものがある。対局者の権利で、終局前に対局を放棄できるということだ。ルールの一つに過ぎないのだが、この投了ということをめぐってはいろいろなことが言われてきた。その一つに、よく「大差の碁を投了しないのは失礼」なんてことを言う人がいるし、実際投了しない相手に怒り出して諍いになるケースもある。　個人的には、それも間違いではないが、相手が投げなくてもそれに付き合うのもマナーであると思う。形勢判断というのはそれぞれの主観によるものだし、着手することは対局者に与えられた権利である。それをどうこう言うのはおかしい。対局を始めたら、最後まで相手を尊重して付き合うのが好ましい。　ただものには限度があるし、同じ投了しないのにもいろいろなケースがある。自分が直接の対局相手でも、観戦している場合でもそうだが、大差の形勢になって腐り切り、だらだらと気の無い手を打っているのをみると正直見苦しいと思う。少しでも挽回しようというような覇気があり、少しでも頭を絞って粘るのなら意義もあろうが、石並べするだけなら時間の無駄である。人間だから気持ちの整理のつかないときはあるが、負けたと思ったら潔く頭を下げるものである。打ち続ける以上は戦う意志を石で示すのが礼儀だと思う。

  2008/04/28

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• 棋譜並べを考える２

  　もうすぐ日本囲碁年鑑が出る季節。(韓国囲碁年鑑はついに出ず？）　私は上級以上の生徒たちに囲碁年鑑を買って並べるように薦めていますが、買ってはくれるのだけどどうも実行している人は少ない。というか、ほとんどいない？もちろん囲碁年鑑を全て並べるのはかなり時間がかかるからそこまで頑張れないということなんでしょうが。それでも１日１局並べていけば１年を待たずに並べきれます。一日３０分、極端に大変な作業とは思いませんが。　囲碁年鑑並べのよいところは、解説があまりなく、自分でいろいろな発見をできるところです。私が囲碁年鑑を並べだしたのは初段くらいだった高１のころ。１９９３年の囲碁年鑑でした。訳も分からず並べいてましたが、次第にいろいろなことが見えてきて楽しかった覚えがあります。　例えばそのころは大竹英雄九段や加藤正夫九段が黒番で向かい小目をよく使っていました。大竹先生は、５手目はカカリが多くて加藤先生は片方をケイマにシマる。そんな棋士の打ち癖が発見できるだけでもなんだか楽しいもの。加藤九段は向かい小目を拒否されると今度は必ずタスキ小目にして、いわばシステム布石になっていました。こういうのは沢山並べていかないと発見できないものです。　またそれぞれの布石からその後の進行、定石選択にパターンがあるのもわかってくる。正夫流向かい小目に対して、白は６手目で一間ガカリし、黒はツケヒキ定石を選択。白はカケツギのほうのツケヒキ定石を選ぶ。などなど。はじめは、こういうときはこの定石ばかりうつなぁ、という程度の認識だけど、そこを基点にだんだんその選択の意味が見えてきたりして、非常に勉強になります。上の例だと、「挟まないのはシマリの方向が悪いからかな？」とか「カタツギでいくと黒からの２間の詰めが残るから、間合いを外す意味でカケツギなのかな？」なんてことを考え出すものなのです。　英語教材でひたすら聞くというのがあるけど、囲碁でもひたすらよいうち方を並べまくると吸収できるものがあります。説明を読んだり聞いて理解するのも大事だけど、一番大事なのは石を見て石から感じることだと思います。解説のあまり無い棋譜を沢山並べるのは、継続さえすればよい勉強法だと思います。

  2008/04/18

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• 棋譜並べを考える

  　個人的に棋譜並べは大好きでよくします。もっとも最近はサボりがちで、１、２局/日ぐらいのペースになってしまいましたが。　棋譜並べをしていて感じるのは、棋譜並べにも調子がある、ということ。対局と同じく上手く並べられる日と、そうでない日があるものなのです。ひょっとして私だけかな？　調子のよい日というのは、棋譜に深く入り込めている感じで、形勢判断も含めて手をよく読んで盤上の展開についていける。対局者の駆け引きとか勝負の流れが見えてくると大変面白い。（もちろん自分の棋力なりですが)　逆に集中力がないというかなんというか、数字を追っているだけでちっとも盤上の世界に入り込めないときもある。だらだら並べているだけでほとんど意味が無い。　何事も質というものがあって、ただやればいいというものでもないでしょう。もっともやらないよりもいいのかもしれないけど。　　

  2008/04/18

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• オレはアホか？

  　私自身は囲碁を打っていれば楽しいというタイプではなく、作戦を練ったり、局後反省したり、囲碁を上達するためのプロセス全体が楽しいと感じています。逆にぽんぽん打って、「打ち流す」ような打ち方をすると楽しくないと感じてしまうんですね。　だから指導碁のお客さんにもできるだけ棋譜を残してもらっていますし、それを家で並べ替えすように薦めています。非常にためになるし、続けているとその作業自体いろいろ楽しいものです。　ただ問題が・・・真面目に取り組むお客さんほど、自己嫌悪で落ち込むんですね。何故か・・・　それは、１局の碁を打てばたくさんミスするものですが、その大半は自分自身でも馬鹿らしく感じるような軽率、無思慮なものなんですね。この自分でもわかるというのが曲者で、棋譜を並べ替えしているとだんだんへこんできます。棋譜さえなければ気がつかなかったことなのですが、実際ぞっとするほど自分は愚かなものなのです。私も真剣に打った碁は、家に帰って並べ替えして検討を加えますが、毎回かなりがっかりするのが常です。　ここでポイント１）よほどの強者で、しかも出来のよい碁で無い限り、ミスがたくさんあるほうが普通。それだけ実戦で隙なく打つのは難しいことだと認識する２）ミスに気がついたことで確実にレベルアップしてゆけるので必要以上に自分を責めない。反省をして気がつけたということ自体が立派。３）ミスには精神的な原因がある。局後は冷静になれるが対局中は気持ちが揺れるもの。技術面だけでなく、それを検討するとよい。攻められたとき慌ててしまうとか、模様をはられると焦ってしまうとか、自分の傾向が見えてくると上達のヒントになる。

  2008/04/16

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• 考えているのか迷っているのか

  　よく考えて打つことは大切ですが、時間をかけているだけで考えていない、なんてことも多いものです。頭に浮かんでいるのは同じ図ばかり(堂々巡り)で、こっちにしようかあっちにしようか迷っているだけ。それは時間の空費ですね。　自戒を含めて書くと、私は考えられる範囲に関してはできるだけ考えることが大事だと思っていますが、判断・決断はできるだけ早くすべきだと思っています。自分なりに判断の材料となる図が出揃っている（それ以上はうまく考えられない)　のに、ぐずぐずしていてもよくありません。わからない部分は結局わからないのだから、強い気持ちで決断すべきなのです。　もちろん、何の根拠もなく軽はずみに決断するのもいけませんが。　実際の勝負ではなんと迷って時間を空費することでしょう。時間を使う以上少しでも具体的に、建設的に思考を進めるように努力はしているのですが・・・

  2008/04/09

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• ルールと技術

  　初心者指導というのは不思議なもので、囲碁が強ければ上手とは限らないのですね。むしろ強くなればなるほど下手になる傾向さえあります。　なぜか？　自分でもしばしば過ちを犯しがちなのですが、初心者にはルールを教えるべきで、技術を教えるのは二の次なのです。ルールと技術、案外混同しがちです。そこの区別がクリアな人は初心者指導がうまくできるひとです。　具体的に言うと、コウをすぐ取り返してはいけないというのはルールで絶対教えなければいけないけど、コウ立ては技術なのでしかるべきときまでは無理に教えなくてもよいし、むしろ教えるべきではないのです。　要するに初心者の人はとりあえずルールを守って打てるようになるのが先決で、それができれば囲碁の面白さもわかってくるものだし、技術にも興味が出てきます。教えるのはそれから。初めから上手な手を教える必要は無いのです。

  2008/04/07

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• 『体得』

  　囲碁というのは着手できる場所が限られているので、偶然名人が考えているのと同じところに石を置くなんてこともあります。まぁ偶然ですけど。だから重要なのは「どんなことを考えてそこに石を置いたか」ということなんですね。実戦では、石をころがしてたまたまプロ級の着点にいっても後か続かず負けるでしょうし、ややおかしな打ち方でも自分なりの考えがある手なら通用することが多いものです。　そうは言っても、棋書は世にあふれていますし、それを読んでいい手を知って少しでも棋力向上したい。そう思って努力している囲碁ファンは数多いと思います。しかし実際には、本に書いてある「よい手」を実戦で使っても全然うまくいかない、ということも多いはずです。よい手のはずなのに不思議ですが、そういう例はよく見ます。　それは本に嘘が書いてあるのではなく、軽く一読しただけでは表面的な「打ち方」（手順や着手の場所）はわかっても、その水面下にある読み筋や大局観などには到達できていないということなのです。その手を見たときにいい手だなと心から感じられたり、自然にそこに打ちたくなるような状態になってはじめて、身に付いたといえるし実戦で使ってもうまくいくのだと思います。　囲碁の研究は論理的にアプローチすべきですが、それを身に付けるときには感覚的に体に覚えこませる、納得させることが大事だと思います。そしてその体得に時間がかかるものなので、囲碁の勉強はつらいともいえます。本を読んで頭でっかちにはなるのだけど、体（感性）がついていかずなんだかうまくいかない、かえって弱くなったというような症状によくなります。あたらな考え方を取り入れるときは、あせらずゆっくり体に染み込ませるのが大事なのではないでしょうか。繰り返し本を読み返したり、実戦で試すうちに「お、いいなこの打ち方」と思えるときがくるものです。その瞬間までが辛抱です。　蛇足に加えるなら、本を読むときは、「どこに打てばいいのか」という視点よりも、「どんな考え方・見方をするとそこに石を置きたくなるのか？」という興味の持ち方の方が上達できるように思います。

  2008/02/24

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• 置碁のススメ

  　自分が置く、のではなくて、自分は置かせる立場で打つという話です。　碁席をやっていて困る現象の一つに、置碁（置かせる碁）は無理と対局拒否したり、勝手に置石を減らしてしまうということがあります。段級位が妥当に認定されていれば、いくら無理に見えてもその置石でつりあうようにできているのが囲碁なので、そこは受け入れてほしいところではあります。誰しもはじめは初心者なので置かせてもらわないとゲームになりません。先達は、多少苦しくても受けて立つ、胸を貸すというやさしさを持っていてほしいですね。ま、そうはいっても経験が少なかったり棋力が不充分だと置かせて打つのはつらいもの。そこで置かせて打つときの私なりの心得などを。１．勝とうとしない２．普段通りに打つ３．平静な心で対局する　の３つぐらいでしょうか。まあ当たり前のことですが・・・　１はとっても大切です。２子、３子はともかく、６子、７子あたりからは相手が大間違いしないと勝てない差がありますから、自力でどうこうなる問題ではありません。こっちが最善尽くしたって、相手がまぁまぁ無難にまとめてきたら勝てないのです。合理的に考えれば勝つのは無理。従ってそれを勝とうとするのは無理につながります。負けを減らそうぐらい気楽に気長に。　２は、非常に微妙な問題をはらみますが。　置碁だからといって滅茶苦茶やったり極端なだまし手は考えもの。逆転を狙うには無茶な勝負手も必要だが、それはタイミングを計って。まずは互先打つような自分にとっての「普通の手」で戦うべきでしょう。普通に打って20目も30目も負けるなら手合違いです。※もっとも、のんべんだらりと囲いあう碁などにしては置碁の白は勝てません。もともとの骨格が違うのでつく肉の量は歴然です。従って混乱や波乱を誘うことは重要な勝負術です。そこに無理はつきもの。またどこからが騙しで、どこからが止むを得ない無理なのかも、実は曖昧。微妙だといったのはここです。　　３は、置かせている上手も大変なら、強敵を前にしている下手も大変なのです。結局囲碁を打つのは大変。上手も下手も無いのです。くよくよするのは無駄です。ようは自分のベストを尽くすだけなのです。

  2007/12/17

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• 棋譜並べ

  　かものはしさんが棋譜並べを頑張っていますね。　まずは気楽に続けられる範囲で、というのが鉄則でしょうか。　初めは理屈で棋譜を理解しようとすると大変だから、なんとなく並べて「へー」ってくらいでいいのではないでしょうか。技術的なことよりも、むしろその対局の歴史的背景とか棋士の生涯なんかを調べてみると面白いかもしれません。棋譜が単なる数字の羅列のうちは、棋譜並べって面白くないんですね。秀栄なら秀栄がどんな棋士だったかを知ると、なんとなく数字羅列の棋譜にも親しみがわいたりします。理想は、棋譜からいろいろなことを読み取ることだけど、それはすぐには難しいことですね。　かものはしさん、頑張ってください！

  2007/06/26

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• すごさを鑑賞する

  　囲碁を打つ人ならだれでも強くなりたいと願うし、やはり強くなるためにはもっと勉強(努力)しないといけないのかなどと悩むことも多いはず。趣味として囲碁をやっていて、「楽しむ」ことと「努力する」ことのバランスは結構難しい。楽しんでるだけでは強くなれなくて壁にぶち当たるときがくるし、かといって上達しようと頑張りだすとストレスがでてきたりします。　でも「勉強」って強くなるためのものではないと私は考えています。というよりむしろ、強くなろうとか考えずに勉強するのが楽しいし効果があるのではないかと。　先日もんちゃんさんにイチャンホのヨセ（神算の世界）の話をしたんですね。この本はご存知のように超難解で、はっきり言って私もちゃんと消化しえていません。こんな話を囲碁を始めて2,3年のもんちゃんさんにしても上達には基本的には関係ないですね。（もちろん分りやすい例を選んで、出来るだけシンプルに解説しますが)上達するための「勉強」は、自分がすぐ使えるような技術・知識を効率よく覚えていくことですからね。　しかし、すぐに役に立たないようなことでもそこに「感動」があれば楽しいものです。自分が出来るか出来ないかではなくて、プロの読みがすごく深いことや着想の素晴らしさを感じ取れたときの感動は格別なものです。プロの見ている世界とアマの見えている世界が違うことはわかっても、実際はどう違うか分りません。結局自分がプロレベルにならなければ本当のことは分らないでしょう。ただ、書籍や指導者などの力を借りればその「一端」ぐらいは感じ取れるものだし、「一端｣でも触れることが出来ればものすごく感動するし、楽しいことです。感動出来れば楽しいし、楽しければ囲碁に対するモチベーションも上がります。　そして実はそういう「すごさの一端」は、基本詰碁や基本定石といった基礎訓練の中にもたくさん詰まっているのです。詰碁をやるときつい正解、不正解の結果ばかり気にしますが、一つの問題が正解にたどり着くまでには、いろいろな手筋が駆使しがらぎりぎり上手くいくようにできているわけです。一つの図形が詰碁として成立しているということだけでも芸術的なんですね。結果を気にするのではなくて、すごさを鑑賞する気持ちで解いたり解説を読んだりすると、見える風景が全然変わってきます。　　本などで勉強すること自体も、対局などと一緒でいろいろな発見や感動があって楽しいことなんです。強くなろうという目的が勝ちすぎると楽しさが半減するので、先人が残した囲碁技術のすごさを鑑賞するぐらいのノリで書籍を紐解くのがよいのではないでしょうか？　

  2007/06/11

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• 囲碁の面白さ

  　囲碁は面白い。しかしその楽しみは人それぞれだ。勝負のスリルが楽しい。戦いが面白い。詰碁が楽しい。棋譜並べが面白い。碁が瀧と対局しながら過ごす時間が楽しい。　囲碁を教えるという仕事は、囲碁の楽しさを伝えることであり、従って私自身がどういう囲碁の楽しみ方をしてきたのか自問自答することがよくある。そこに指導者としてのアイデンティティもあるはずだ。　いつも思うのだけど、囲碁は全ての情報が公開されているゲームで、その次に取りうるオプションも全ての人に公平である。囲碁は、初心者と名人が同じ「次の一手」を着手する可能性があるゲームなのであり、頭脳スポーツの特徴だと思う。肉体を使うスポーツだと、身体能力がプレイの選択肢を限定してしまう場合が多い。　その囲碁の巧拙が分かれるのは、目にしている情報をどう分析するかとか、もっと根本的に囲碁はどんなゲームなのかといったところだと思う。日本語で情報と訳される語に、informationとintelligenceがあるけど、囲碁は同じ「information」を分析して、より高度な「intelligence」を獲得した方が勝つゲームなのだと思う。　全く同じものを見ていながら、全く違うものを見ているということがよくある。極言だけど、囲碁はどこに打つかが重要なゲームではなくて、何を考えてそこに置くかが重要なゲームなのだと思う。自分ではすごく不利だと思っていた局面が、上手のひとことの助言で見え方ががらっとかわり、形勢判断が入れ替わるなんてことはしょっちゅうだ。私が、囲碁をやっていて一番楽しいのはそういう部分で、そのせいか指導碁の常連さんの多くは局後の検討を楽しみにしている人が多い。

  2007/02/05

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• 詰碁の話

  　詰碁は上達に欠かせない基礎鍛錬ですが、実は私は大嫌いでした。　高校生の頃は詰碁や死活が苦手で、どちらかというと好きな棋譜並べばかり。趙治勲の薦めに従って基本死活ぐらいはやらないとと、新・早わかり死活小事典なんかは勉強していましたが、身に付くというところまではできていませんでした。　詰碁、死活を本格的に勉強しだしたのは大学に入ってから。大学囲碁界のレベルのなかで戦うには、基本的な死活とヨセの力がないと全然通用しないと痛感したからです。やるうちに面白味もでてきて、詰碁はいまでは嫌いではなくなりました。以下は私なりの詰碁勉強のポイントです。　詰碁も知識が大事　詰碁は「読み」の訓練ですが、ただ闇雲に読んでもなかなか正解に辿りつかないものです。石を殺す、活きるというときには、いろいろ有効な技＝「手筋」があり、それを覚えることもすごく重要なのです。しらみつぶしに読んで行けばいつかは辿りつけるにしても、なかなか思いつきにくい「手筋」は多いもの。まずはこういう殺し方、技があるんだと知ることも大切な勉強なのです。　だからほとんど詰碁をやったことのないひとなら、例えば初段合格の死活150題ぐらいの本を、解くのではなくて、答えを読むだけでも力がつきます。考えるのが苦手な人は、技を鑑賞しようぐらいのスタンスをとってみましょう。　答えを見る/見ない　　酒井猛九段が「詰碁を本当に解けたのなら、答えを見なくても答えが分っているはず」ということをいわれています。要するに、単純に正解手順が「見えた」のでは完全な解答ではなく、あらゆる変化を読みつくし、比較し、どれが正解か読みきってはじめて解けたことになるし、あらゆる変化が見通せた時点で答えを見る必要がなくなっているはずだというのです。これは真理だと思います。　しかし一方でなかなかそこまでは徹底できないもので、中途半端な読みで答えを見たくなってしまうものだし、指導者の多くはよくわからなければ答えを見てもよいと教えています。私も見てもいいと教える人です。　ただし注意点が一点。　それは分からなかった問題に関しては答えを「よく読む」ということ。できたら盤に並べてよく検討することです。これは自分自身もよくあるのですが、ページをめくって間違えたときに、間違ったという事実を確認するだけで終わってしまうことが実に多いのです。悔しさもあるし、煩わしさも手伝ってよく読まない人は多いはず。　正解手順の検討をする。なんでそれがいいのか。自分の誤解答の検討する。何を間違っていたのか。錯覚があったのか、追求不足だったのか。そういうことを確認するとものすごく勉強になります。答えを見る見ないよりも、答えを見た後の態度が上達の早さをわけるように思えます。　詰碁を覚える　ある程度詰碁になれてくると、問題を覚えて頭の中で解くということもできるようになります。私の場合小ぶりでシンプルな図じゃないとできませんが、案外できるもんです。目をつぶって考えた方が錯覚に陥りにくいなんてケースもあります。（もちろん総体的には勘違いしやすくなるのでしょうが）ただ解くのではなく、覚えて解くのもゲーム性があって面白いし、勉強になるはずです。　さて、そうやって頭の中に図形が入るということは、その石の配置の意味を「理解できる」ことにつながっていると思います。酒井九段が言う「答えを見なくても自信を持ってこれが正解だといえる」くらい読み切れたら、その詰碁を（本を見ないで）再現できるはずなのです。外のダメの空き具合や、ハネのあるなしなど、微妙なことは記憶が曖昧になりがちです。しかし、そういう些細なことが正解の手順やその必然性に影響のあることなので、変化を全て理解できていたら再現できるものなのです。　私は生徒などに難易度の高かめの詰碁を解かせる（詰碁でいじめる）こともよくあるのですが、そういうときの問題はできるだけ頭の中に記憶している図を出すことにしています。もちろん出来合いの教材のこともありますが、生徒が解答してくるあらゆる変化に対応するためにはそれくらいでないともちません。

  2007/02/04

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• 小路盤・それぞれの特性

  　入門に小路盤が有効なのは定説で私もそう思っている。県のこども大会で13路盤の部を導入したのも、そういう流れに沿ったものだと思う。　小路盤は、市販されているものは9路盤と13路盤である。あとうちの教室では手作りの7路盤（盤ではなくシートだが)も用意してある。以下私が感じたそれぞれの特性などを記してみたい。　７路盤。勢いこんで作ってみたが案外活躍の場が少ない。というのも７路盤囲碁は将棋的囲碁になってしまうのだ。食うか食われるか。片方が生きると、他方の生存できるスペースが極端に狭いので、子供たちにやらせるとどちらかが全滅するケースも少なくない。勝負としてきつすぎるし、中押しになると整地も指導できないのでちょっと困る。　もっとも先に○個石を取った方が勝ち（所謂ポン抜きゲーム)には適している盤で、１回目の授業でアタリなどを教えた後に使うことが多い。　９路盤。非常に狭いのに両者が十分住み分けて共存できるスペースがあり、従って囲碁の奥深さが十分に堪能できる優れた盤である。ただ９路盤は勝負が早いだけに、奥深い展開になるのには相当読みを入れて打たねばならず、初心者同士が打つと囲い合いの単調な碁になることが多い。それもまたよしで、なんといなく無事に打てるよさがあり、どちらかが全滅することも（片方によほどのミスがない限り)あまりない。　１３路盤。１３路盤の星の位置関係は、１９路盤に準じている。（４の４に星がうってあり、星と星の間は５間幅）そのため、隅の打ち方（星・小目・高目・目外し・三三、そしてそれに対するカカリなど）が紹介でき、１９路盤への絶好の導入になる。最近は初心者指導のときに１３路盤ですこししつこいぐらい対局させるようにしている。　隅の打ち方だけでなく、１３路盤ぐらいに広くなると囲い方（大きく囲うと侵入されやすく、小さく囲えば確実だが実入りが少ない)や、大場を巡る「先手」の重要性など、１９路盤に通じる重要なニュアンスが分りやすく生じてくる。１９路盤で打てるようになってもたまに打ってみるといろいろな基本を見直せてよいのではないかと思う。

  2007/01/29

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• 自分の意見

  　上達するために重要な要素として局面に関して「自分の意見を持つ」ということがあると思う。理屈に合っている外れているはさておき、図を見たときに「こういう風に打ってみたい」と思えないと強くなれない。こどもたちを見ていると、なんとなく石を並べているだけのこと、なにかやりたいことがあって石を置いているこでは、上達の速度が違う。　「理屈に合っている外れているはさておき」などと乱暴なことを書いたが、それは囲碁の特質上仕方のないことである。囲碁は2回に1回盤上に自分の意見を示さねばならないゲームである。いくら慎重に考えても理にかなった手がよく分らないことのほうが多いのだ。まずは能動に着手することができるかが肝心なことだ。＃もちろん、上達するための修練としては、意見の言い放しというのはまずく、棋譜を取って自分の着手を反省する必要はある。　初心者指導をしていて思うのは、「教える」ということよりもまず囲碁の世界、石の文法に慣れさせて、自発的にこうしてみたいああしてみたいという願望がでてくるようにしてあげることだ。（極力教えないということだから、やる気のある指導者ほど我慢が必要かもしれない)教えるのは、自分の意見を盤上に表現しだしてからで遅くない。

  2007/01/13

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  囲碁における現象学的還元　その２

  『われわれの言語を理解しないもの、例えば外国人は、誰かが「石板をもってこい！」という命令を下すのをたびたび聞いたとしても、この音声系列全体が一語であって、自分の言語では何か「建材」といった語に相当するらしい、と考えるかもしれない(以下略)』（ウィトゲンシュタイン『哲学探求』）　引用文の「言語を理解しないもの」を「囲碁を知らないひと」に置き換えればわかり易い。経験者が盤上に自然と「見えてしまう」さまざまな概念やイメージは、初心者には全く見えない。経験者にとっては当たり前のことでも見えないし、分ったとしても上記のような誤解はしょっちゅう起こる。　今日の図はシンプルに。　この図を見て、おそらくもっとも多い感想が「右辺が黒地になりそうだな」というようなものではないかと思う。どの程度「手」があるのか、それは棋力によっても判断は違うだろうが、３つの石を結んだラインで地を形成できそうである。　この「３つに石を結んだライン」をイメージすることでさえ一番最初は難しい。石がつながったり切れたりする基礎的な戦いをある程度経験しないと、ケイマやオオゲイマ、一間飛びや２間ビラキが線には見えない。　よしんば見えたとしても、その線から左辺が黒地と思うかもしれない。　「構え｣はあまりに広すぎると荒らされやすく、適度な狭さがあって始めて確定地になりやすい。それは沢山実戦をこなしながら身に付く感覚で、それが備わったときに「右辺が黒地」に見えるようになる。　馬鹿げたように聞えるかもしれないが、初心者・入門者と相対するときは、そういうこことも想定して対話してゆかないとならないものなのだ。相手の見ている映像を想像し、その段階で覚えるべき「碁盤の見方」を提案してゆく。指導碁はおぼえて欲しいイメージを強調するための方法だ。　もっとも、「左辺が黒地」という見方を頭ごなしに否定するのは短絡すぎるかもしれない。左辺は確定地ではないかも知れないが、よい「模様」だとも取れる。ようは見方の問題だ。知識や経験のお陰でいろいろなことを見出すことはできるが、そのことが発想の自由を奪ってもいる。身に付けた概念・囲碁観をネガティブに表現すれば固定観念、偏見である。初心者指導だけでなく、より強くなるためにも、「全てをカッコに入れる」ことは必要だと考える。つづく

  2006/10/30

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  囲碁における現象学的還元

  　まずは以下の局面図を見ていただきたい。　囲碁を知っている人なら、この図を見ていろいろなことを感じるはずだ。　曰く、左上の黒は死に残り。　曰く、左辺の白はウケが中途半端で薄い。　曰く、左下の黒は少し形が崩れていて、つらい。　曰く、中央はお互いダメ詰まりで気持ち悪い。　石の配列という一種の記号を眺めているにすぎないのに、そこにいろいろな印象を持ち、将来像を感じる。囲碁を打てるようになるということはそういうことであり、盤上の記号から、より豊潤なイメージを感じ取ることができる人こそ、囲碁がうまいといえる。打てる人にとっては「薄い」「厚い」「軽い」「重い」、もっと端的に言えば「よい」「わるい」といった感覚は自然に感じてしまうものであり、当たり前のことだ。　　　　逆に囲碁を知らない人や初心者にはどう写っているのだろうか？　おそらく黒白の石が雑然と散らばっているようにしか見えないのだろう。そこにあるのは混沌である。囲碁が好きになるような人は、その混沌に興味を引かれるのだろうし、入門段階で囲碁をやめてしまうひとは、なにがなんだかわからず面白くなくなってしまうのだろう。　仕事なので初心者指導する機会はよくあるが、一番難しいのが初心者の見ている映像をどう想像するかだ。　囲碁を打てる人にとっては、石の並びを見ただけでどこが危険でどこが安全かとか、どこに黒地がつきそうで、どこが白地になりそうかなんてことは、ぱっとみで感じて分ってしまう。（もちろん錯誤もあるが）それは、呼吸をするように自然なことなので、当然他の人もそうだろうというような先入観はなかなかぬぐえない。よく教え好きだけど教え下手な人がいるものだが、その先入観に凝り固まってしまっていることが原因であることが多い。　やはり初心者指導の基本は、指導者が一度相手の見ている映像まで降りていくことだ。自分の囲碁観全てに(　)をつける。現象学的還元。なかなか簡単なことではないが、そうしないと何をアドバイスすればよいのか、どういう言い方をすればいいのかも分らないものだ。つづく

  2006/10/27

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  「定石が互角に見えません！」的悩みを考える　その２

  　更新が遅くなってしまいました。　「定石が互角に見えない」、「互角に進行しない」といった悩みを考えるときに、定石における「互角」とは何かを考えてみる必要がある。　例の図を再掲。　この図の右上の定石はほぼ互角とされている。（通説。真偽は神のみぞ知る)　白は１０目弱の実利を得、黒は３連星に連動したよい厚みを得た。その価値が互角ということなのだが、注意しなければならないのはその「互角」はまだ確定していないということだ。白のほうは実利なので利得はほぼ確定しているが、黒の方はこの厚みがどのように運用されるかによって利益の出方が違うのだ。（当たり前のことだけど大切なことだ）だから、黒の模様の運営がまずい場合は黒が不利になるし、白の模様制限・削減の方法がまずければ黒が有利になる。　なので定石を学ぶときに重要なのは、その手順の必然性を学ぶことに加えて、「その後」の打ち方を知ることなのだ。（棋書でもそういうテーマの本は定番として存在する）囲碁は、体操やフィギアスケートみたいにそれぞれの技を加点してゆくゲームではないので、「序盤で定石を決めた、はい○○点！」とはいかないのだ。定石であろうと定石はずれであろうと、「前に打った石の効力を高める」という不断の努力が碁の本質である。　　私が、上の図でうまくいかなかったのは、おそらく当時は模様に対する打ち方が極端に下手であったのだ。模様に対する対処がましになってきてからは、互角に見えてきた。　定石を学ぶときは「その後の打ち方も学べ」ということで、ま、ここまでは常識論。　ところで、互角に「見えない」ときはうまくいかなくて、何とかなるようになったら互角に「見える」という点は非常に興味深い。　エライ人たちが「互角｣といっているものが、自分にはそう見えないとたいていの場合劣等感を感じてしまうものだ。自分は感覚が悪いのか、才能がないかなどと。　しかし、ある意味互角に「見えない」ということは、非常に正しいことなのだ。定石後の戦いを自分がうまくやれもしないのに、それが互角に見えたら、かえって困らないだろうか？互角に見えないということは、自分に才能がないのではなくて、その(特定の)局面を乗り切るスキルが欠けているという信号なのだ。互角だといわれているものがそう見えないときに、自分の課題が見つかったと思えばいい。　また、互角に見えない定石を無理して使う必要もない。「見えない」うちはその局面をうまく打てないのだから、プロ棋士にとって互角でも自分にとっては互角でないと見ていい。無理して不利な道を選ぶことはないのだ。（もちろん、自分の碁の幅を広げるために、練習として不利に見える定石に挑み学ぶのも大切ですが）　定石が互角に見えないことは、自分の碁の現状を正しく教えてくれているのだ。

  2006/09/15

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  「定石が互角に見えません！」的悩みを考える　その１

  　中学生の頃はこんなことで悩んでいた記憶がある。　３連星でよくある布石、よくある定石。無論互角とされている。　しかし当時の私は「白地は１０目もなくて小さいな。黒模様は立派だな。何で互角なんだろう」と思っていた。実際白の側で打てみると、上手くいかない・・・・黒模様がでかすぎる・・・　　世の中には「正しい打ち方」というものが存在する。本に書いてる手や、ＴＶでプロ棋士が解説した手段などだ。また狭義には、（うちの教室だったら）私の行った手が「正しい打ち方」として生徒に認識されているだろう。　そういう手を知ったときに「なるほど。確かにいい手だなぁ」などと心の底から納得できればなにの問題もない。その手を覚えて、実際に使えるように努力するだけのことだ。　問題は「それが普通なの。でもなんだか打ちにくそうだな～」と感じたときだ。こういうことは実際に多くあるはずである。それでも大体の人が、権威ある書籍やエライ棋士が言ったのだからと違和感を覚えつつも「正しい打ち方」を使うことだろう。（まじめなタイプの人は特にそうだろう)しかし、そういうとき往々にして上手く行かず、ますます悩むことになる。はじめに挙げた私の例もその一例だ。　これは一体どういうことなのだろうか？　つづく

  2006/09/08

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  呉清源という名の宗教

  　最近、成裕が呉清源布石の研究に没頭している。（所謂21世紀の碁）どうやら彼は呉清源教に入信してアッチの人間になってしまったらしい。（遠い目）　呉清源の棋書は、その内容はともかくやたら自身ありげな断定が多く、なんだか言うとおりに打っていれば簡単に勝てるように書いてある。これは布石書に特に顕著に見られ、さらに引退以降の出版・発表されたものがその傾向が強い。　おそらく呉師ほど囲碁の深遠さを知っている人間はいないと思われるが、著作物になると途端に自分がすべて知っている「神」のごとく振舞ってしまう。これは不思議なことだが、取り巻きやライターに大きな責任がありそうで、一般的な囲碁ファンには呉清源＝神というようなキャラクターが既に成立してしまっている。　だから呉清源本は人気がある一方で、違和感を感じてあまり読まない人もいる。私もキャラクターとしての呉清源はあまり好きではない。好きではないけど一応読む。できるだけ論理的に読もうとする。しかし、「これでいい」という割りには参考図が少なかったり、その参考図もあまりに都合いいものに見えたりして悩む。そこで信者は「呉師がいっているのだからそうなのだ！」と割り切れるのだが、信じられないと苦しい。だから呉清源の布石本を読むのは結構苦行だったりする。　もっとも呉清源本のすべてを否定するつもりはない。とてもよいことも多く書いてあるし、一般のファンにはこれが正解だと言い切った方がわかり易いのかもしれない。呉清源の、大局観の明るさと石の急所を見分ける鋭さは並ではないので、思わず唸ってしまうような図も少なくない。やっぱりすごいと思う。　でも変な図（もしくは変な断定）もある。　私は呉清源の布石本を読むときは、特定の「手」を知ろうというよりも、呉清源の考え方・発想・目の付け所に注目するようにしている。覚えようというよりも感じようという態度だ。信じられないのに呉清源本を読む人は、それに限ると思う。　

  2006/05/19

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  囲碁年鑑を並べる

  　ひとくちに棋譜並べといってもいろいろですが、代表的なスタイルのひとつ。　囲碁年鑑は沢山の棋譜（日本のもので200局ちょっと、韓国囲碁年鑑は350局程度）が載っていて、そのかわりさほど解説は詳しくありません。深く研究するというよりも、量をこなす棋譜並べ教材です。（解説無しに研究できるのはかなりの棋力がついていないと無理です）1日1局が目安。こつこつ休まず続けるのが大切です。一冊並べきってみてはじめて、何か得るところがあることに気がつくでしょう。　画像が見えにくいかもしれませんが、私は並べた日付を棋譜の右上に赤ボールペンで記入しています。こうしていくと達成感があってなかなか楽しいものです。自分で自然にそうするようになったのだけど、大学の大先輩Ｋさん（強豪、元院生）に本棚チェックをされたときに「俺も院生のときこうやって勉強していたよ」といわれたことがあるので案外ポピュラーな方法なのかも。

  2006/04/28

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  才子Y田君と定石

  　私の高校の同級生で、団体のチームメイトのＹ田君はなかなかの碁才の持ち主だった。　主将のＴ浪と私は、中学から囲碁部に所属していて高校になる頃には有段者だったが、Ｙ田が入部したのは高校からで遅かった。しかし、ぐんぐん腕を伸ばし、気がついたら向二子になっていて（高1の冬ぐらい)、高3時には追いつかれていた。　高校時代の私は、体の具合もあってあまり実戦を打たない（打てない）ひとだったが、Ｙ田とは二子から先まで10数局も棋譜が残っている。大会以外の棋譜の６～８割は彼との対戦だったわけで、教えてやっているつもりだったけど、鍛えられているのは私のほうだったような気もする。　　棋譜は高2の終わりごろのもの。白が私でコミなし。三段と四段くらいだったと思われる。　白22のツケに手を抜いて黒23と開いたのが彼の特徴がよくでている。一言で言えば発想が非常に柔軟ということ。　局後「ツケには受けるのが定石だ」と非難した記憶がある。彼は「やっぱり大きい？でも攻められないように開くのも大きいように見えて・・・」と控えめに反論した。でも私は「定石じゃないからおかしい」というような論法で自論を押し付けたような気がする。　しかし、今見るとそうでもない。ともかく下辺を先手で切り上げ、上辺の黒33の厳しいツメに回って黒が主導権を握っている。白を持ちたいという人は少ないはずだ。　すべての元凶は「定石に無い手だからおかしい」という発想である。知識に頼り、自分の判断というものをしていない。前例が無いから悪だというような、官僚的な思考の硬直である。定石を覚えて2目弱くなり、というのはこういうことなのだと思う。　実際、最近ではこのツケに無視をする手も打たれたりしている。またこの当時は白20に対して黒21は絶対の手であるとされたが、現在では必ずしも受けてくれない。なので白20で先にハサむほうが「普通」になってきている。ときとともに考え方も変わるし、打ち方も変わってくるものなのだ。　　知識を蓄える能力も大事ではあるがそれだけは上手くいかない。知識に溺れるか使いこなせるかの分かれ目は、感性とか発想法にある。その点で白は大いに劣っていたといわざるを得ない。

  2006/03/13

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• わかるということ

  　わびすけさんのちょっと前の記事に関連して。　人は「わかる」ということを案外簡単なことだと思いがちだ。しかし「わかる」ということはなかなかに難しい。囲碁をやりながら痛感するところだ。　ある「よい手」（あるいは「よい手順」・「定石」などに置き換えてもよい）に対する理解の段階を、私は次のように分類している。１）その手を示され、その効果を説明されても、いまいちぴんとこない。２）その手を示され、説明されて、その結果納得できた。３）その手を示されただけ（解説なし）で、よい手だと気がつけた。４）論理的に考えたていったら、その「よい手」にたどり着けた。５）自然に目が行った。考えてみたら理屈にもあっていそう。　１は要するに理解できていないということだし、その手を学ぶレベルにも達していないということでしょう。もうちょっと簡単なことを積み重ねて、それからもう一度考えてみる。　２は「わかる」の入り口。しかし、このことだけで自分が「わかってしまった」と勘違いしていることも。　３はかなりいい線にいっているといえる。その手を示されただけで、その狙いや効果、価値が見抜けるということは、その手が身に付く一歩手前まできている証拠だ。ただし、人に言われたり、打たれたりする前に気がつけなければ真の実力とは言えず、残念ながら今一歩。　４は、事実上分かっているといってよいかもしれない。これなら実力といって差し支えない。　ただ囲碁では一手一手にかけられる時間はさほど長くない。（プロ棋士のように長い持ち時間があるなら少し別だが）さほど丁寧に読めない場面も多いので、４の程度だとまだ不安かも。　そこで５。よい手が、感覚的にもうそこしかないと感じられるレベルまでこないと修羅場では役に立たない。こういうレベルになると「読み」は確認作業になる。　一般的には人は２～３の段階で「分かった」気になってしまう。しかし実践できるようになるのは４以上の段階になってからだ。そこにギャップがあるので「なんでわかっているのに実戦ではできないんだろう」なんていうよくある悩みが発生する。(こういうことを言う人は多い)はっきり言って実戦で出来ないのは、わかっていないということなので、そのあたりを考え直す必要がある。　ここでやっとわびすけさんの記事の話に。　本を読みながら打つというのは、自分から２～３の段階にとどまろうというもので、上達にはまったく益するところがない。目の前の勝敗には多少助けとなるが、長期的に見えればマイナスだ。本当に勉強したければ、自分なりに精一杯対局し、そのあと定石辞典を引いて自分の着手のおかしいところを探せばいい。読みながら打ってしまう人の大半は、反省をしたがらない不勉強な人だと推察する。　ネット対戦の相手がそういうことをしてくるのなら大歓迎だろう。よい勉強になる。　もうちょっと書きたいことがあるのだが、それはまたの機会に。余談：私はいまだにダメ詰まり（要するにアタリ)をうっかりしたりする。つまりアタリもわかっていないのかもしれない。某九段が週間碁に「入段してン０年。ようやくあたりも分かるようになり・・・」見たいなことを書かれていたのを読んだことがあるのが、これは謙遜に見えて実はすごいことなのかも。（でもやっぱ謙遜か）

  2005/10/22

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• 棋譜付け

  　棋譜並べがよい勉強方法だということは、いろいろなところで言われている。それとあわせて行うとよいのが自戦棋譜の記録とその並べ返しである。　料理に例えると、棋譜並べは「食べ歩き」見たいなものだ。いろいろなお店を食べ歩くことで、味覚が育ってきて「料理」というものがより深く理解できるようになるのだ。同じ店に通う（同じ棋譜をならべる）のも（名店・名局なら）面白いもので、一度では気づけなかった名シェフ（名人）の技をより深く理解できるようになったりする。また味覚(棋力)が育ってくれば食べ歩くこと自体が楽しくなってくる。　それに対して、棋譜付けと並べ替えしは、日々の料理のレシピを記録することと、完成後の味見みたいなものだ。　どんな作り方をしたか覚えていないと同じ失敗をする可能性があるし、次回味を少し変えようと思っても調整が利かない。　また味見をしないと、自分の料理が成功したのか失敗したのかもわからずに終わってしまう。食べてみておいしかったら自信がもてるし、ダメな部分を発見できたら、それを元に改善することが出来る。　棋譜並べ(食べ歩き)と、棋譜付け（レシピ付け、味見)両方を行うと相乗効果で棋力向上は間違いない。　ただし注意点が一つ。　どうしても舌の方が先に肥えるので、自分の料理（棋譜)に関して自己嫌悪に陥りやすいということだ。並べている棋譜は当代一流の専門家のもので、自分の碁がすぐそういう風になるものでは決してない。味見の採点は「前回作ったときよりおいしかったかどうか」にするべき。道のりは長いので一歩一歩！

  2005/10/03

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• 定石

  　―「定石を何個覚えればいいですか？」　―「定石を覚えないと上達できないんですか？」　囲碁を教えているとこんな問いかけをよく受ける。　囲碁に興味を学び始めた人にとって「定石」という言葉は特別な響きをもつものらしい。それを身に付ければたちどころの上達してしまう魔法かなにかのように思っている人も多い。　しかし一方では「定石を覚えて2目弱くなり」なんて格言もあり、指導者の中には「定石を覚えなくてよいですよ」という主義の人もいる。ちなみに私もそうだ。（定石を軽視しているわけではなく、定石を学ぶのは非常に大変だからというのが理由）　覚えないと強くなれない定石。覚えちゃいけない定石。そうした定石をめぐる情報の混乱が定石を神秘的なものにする。　ここで囲碁で言う定石とは何かを確認してみたい。　私はしばしば囲碁を「会話」に例える。囲碁の異名には「手談」などというものがあるから、これは悪いたとえではないと思っている。囲碁は一手一手、石を使って会話をするゲームなのだ。　定石というのは、その会話の模範回答例・常套句のようなものである。適切にそして美しく自分の意図を伝えるには、それに適切な話し方のパターンというものがある。公式な場で何か話をしなければならないときに、常套句や通りのいい文句を知っていると重宝するものだ。囲碁もそうで、よく現れる形（隅の戦いであることがおおい）についての常套句を知っていればスムースに上手に話が進む。だから定石は重要だし便利なのだ。　ここで重要なのは常套句（定石）は目的を選んで使うものだということだ。　たとえばあなたが囲碁教室に誘われたとして、教室に入る場合と遠慮する場合では返答の仕方が違うということである。（当たり前）もしあなたが勧誘に応じる返答の仕方しか知らず、どんなときもそれを使うとしたらどうだろう？おそらくそれを知った悪徳セールスマンや新興宗教の勧誘が門前に長蛇の列をなし、あなたを食い物にするだろう。もちろんそんな人はいない。みんないやなことは断り、興味のある誘いには応じて生活している。　しかし盤上ではしばしばそういうことが起こるから不思議だ。初めて定石を覚えるとうれしくなってしまい、覚えたその1型ばかりを使用する人がいるのだ。この行為は、上に挙げた「どんな誘いにもうんと言ってしまう人」みたいなもので、相手にそれを見抜かれたら確実に損をする。囲碁は一般社会と違って目の前にいる人間は確実に敵なので、危険は大きい。　定石は「常套句」なのだから状況によって使い分けなければならない。だから同じ状況でも少なくとも二つの答え方を学んでおかなければならないのは当然のこと。定石を学習するときはついつい手順を暗記することに気が向いてしまうかもしれないが、何よりも大切なのは、最終的には定石は使い分けるものだという認識なのだ。　定石はずれの話も書きたいが、またの機会に。

  2005/09/26

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• 囲碁を教える

  　囲碁を教える、といことは単にルールを教えるだけでは不充分だと最近感じている。囲碁の歴史なども含めた大きな意味での魅力を伝えることが大事になる。さらにそれに加えて「生活の中での囲碁の楽しみ方」を提案することだ。　例えばお酒の話で考えてみよう。お酒が好きな人は多いと思うが、おそらく純粋にお酒という液体を飲めるだけで楽しいという人は少ないはずだ。　「友達とのみに行く」　「仕事が終わってから一杯」お酒と、それに相応しいシチュエーションとセットで「お酒を飲むのが好き」になるわけだ。生活の中に「お酒」が入るから、本当の意味でお酒が好きになる。　私の場合、（囲碁はとっつきにくい面があるので）つい「いかにルールをわかりやすく説明するか」というところに頭が行きがちなのだけど、それだけでは方手落ちなわけだ。日常生活の中に囲碁をする時間が溶け込むように、囲碁の楽しみ方の提案も指導者の役目なのだ。・・・・・　実は私にとってこれが実に難しい課題です。なぜなら、私は（多分）かなりディープない碁ファンのために、あまりに生活に囲碁が浸透しすぎているのです。「ビギナーの楽しい囲碁ライフ」ってなんじゃそりゃ、って感じです。私は碁席で一日中囲碁と関わって、夜暇な時間に（趣味で）囲碁をしたりしているので（^^;う～ん「ちょっと囲碁をやる」ってどういうことなんだろう。普通（注）ちょっとじゃすまないじゃん。注　私基準の普通です。

  2005/05/29

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• 教えながら思うこと

  　こどもに囲碁を教えていて色々なことを指摘したり注意します。　「よく考えて打つんだよ」「同じ間違いをしているよ。間違いを繰り返すのは良くないよ」「集中して練習しないと、練習する意味がないよ」などなど。　こういうことを言いながらよく考えるのは、これらのことが自分にも良く当てはまること。悲しいくらいに同じ間違いをするし、勉強していても集中力に欠いて効果が上がらないこともあるし、実際の試合でも軽率な手が出ます。指摘することは簡単だけど、それを直すことは並大抵ではありません。教えることは、自分が忘れてしまっている（あるいは目をそむけている）基本を再確認する作業でもあるのです。

  2005/05/10

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• 囲碁界の将来について

  　日本に限定するならば暗い話ばかり。囲碁人口は減るし、それに伴ってトップ(プロ棋士)も弱くなるし・・・日本棋院の経営がヤバイといわれていたのは10年以上前から。その後の空白の月日の中であまり改革はなされず、それを志した加藤正夫九段も道半ばで急逝。良いデータはありませんね。　ただ、私は悲観していない部分もあるんです。それは現在普及の努力が足りない(一部の頑張っている人はいるものの、そういう人は少ない)のですから、ちゃんと活動すればそれなりの成果はあるはずなのです。あと忘れてならないのは、囲碁が面白いゲームだということ。初めはとっつきにくかったり、環境（碁会所の雰囲気）だとかいろいろ障壁はありますが、覚えれば止められなるくらい魅力的なゲームなのです。厳しい現状は確かだけど、最善を尽くせば囲碁が消滅するとも思えません。　だから私は、囲碁インストラクターという職業はちゃんと努力してゆけば自分がメシを食っていけるくらいのものだと信じています。またプロ棋士を含めて真剣に普及活動をする方がもっと増えてくれば、囲碁界もまた存続可能だと思っています。

  2005/05/06

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• 上手く打つ/上手くなるのは難しい

  　囲碁を教えたり、打っていたりするとよくそう思います。なかなか上手く打てないし、上手になれません。人のことはよくわかるのに、自分のこととなると五里霧中です。もし囲碁が面白くなかったらとっくに辞めています。残念ながら囲碁は面白すぎるので、上手くならなくても辞められません。　

  2005/04/29

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• 手抜き問題　その３　解答

  　答えは、手抜きできないです。　解答図のようになってセキのようですが、よ～く見ましょう。Ｇ４のところが白石なのでセキになりません。従ってこれは黒死。手入れをしなければなりませんね。　とりあえず今回はこの3問で終わり。似てるけどいろいろ微妙に違いますね。そのあたりを研究してみると勉強になりますよ。また良いネタがあったら出題します。

  2005/04/19

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• 9路盤/13路盤

  　最近反省していることがあります。こどもの初心者を19路にするタイミングが少し早すぎるのではないかということです。　ミニ碁盤で練習させる重要性はわかっているつもりですが、こどもは大抵大きい盤で打ちたがるので抑えるのが大変になってしまいます。「大きい盤で打ちたい」というのも積極的な意思表示なので、それをあまりに無碍にしてもいけないという心理も働きます。　私の中では、プリントで死活（ナカデや欠目など）を理解できて、13路盤で布石の基本（カカリと受け、3線と4線が基本、囲まれないように打つ）を身に付けたら19路というのが一応の基準。しかしこれでは足りない場合が多いのです。(個人差があってこの程度でも問題のない子もいます）やはり実戦の中での死活とプリントの中での死活は全然違うのです。小さい盤で沢山打って実戦死活の感覚を体で覚えさせた方が良いようです。　整地を含めて初めはなれることが肝心ですから、いかに楽しませながらミニ碁盤で沢山回数を打たせるかです。そこで今考えているのが、ラジオ体操の出欠カードみたいなものを作ることです。9路盤を1局打つごとにシールかはんこを上げていってそのカードが一杯になったら9路卒業で、次は13路カードへといった具合です。これならミニ碁盤で打つのを少しは楽しんでくれるかもしれません。　19路への以降を焦ってしまうのは、一つには私に焦りがあるから。（ついつい背伸びさせてしまう悪い癖）しかしもう一つの決定的なことがあります。それは現在年4回行われている県内の子供大会が全て19路盤だということです。（入門コースもあるのですがそれはあまり競技としては楽しめません）これは致命的です。　20級から15級のクラスは終局もわかっていない状態で19路盤を打っています。審判が整地したり、終局近くで「判定」している現状なのです。私はそれなら無理して19路にこだわらず、13路盤、9路盤の部を設けましょうと提案したのですが、一部の教室講師から反対されて却下されました。理由は小さい碁盤だと子供が参加したがらない、というもの。（理由になっていない気がする。それに終局処理もできないこどもを認定戦に出してなんとも思わないのだろうか）大会に出る＝19路を打たねばならないという現状ではどうしても無理をしてしまいます。この件に関しては県連で粘り強く説得してゆくつもりですがどうなることやら・・・

  2005/04/18

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• 手抜き問題　その３

  　さてさて3問目。またまた似た形。手を抜けますか、抜けませんか？　問題とあんまり関係ない話を。　これで私がテーマ「囲碁全般」を選択するのは300回目。このテーマを作ったのは私で、初めの100回くらいはほとんどが私です(^^;今は囲碁ブログを書く人が増えて、テーマ「囲碁全般」も選択が800回を越えています。よくぞここまで来たと感慨に浸ってしまいます。囲碁の日記を書く人はどんどんこのテーマを使いましょう！

  2005/04/17

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• 手抜き問題　その２　解答

  　解答は、手抜きでる、です。　手抜きをしても死にません。白1とハネ殺しを狙ってきたときに黒2が好手。白は３と置いて攻めますが、以下黒6までオイオトシで二つ目の目ができます。隅の特殊性ですね。第1問と少し形が違うだけなのですが、全然結果が変わりますね。囲碁の不思議なところです(^^

  2005/04/17

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• 手抜き問題　その２

  　問題1と似ていますね？でもちょっと違う。今度も手抜きできない？それともできる？　解答は明後日。（更新は明後日ですが、日付は明日の記事になります）

  2005/04/15

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• 手抜き問題・解答

  正解は手抜きできない、です。白から打つと、3目ナカデです。はねて狭めて、最後にナカデというのはもっとも基本的な殺し方です。(ハネ殺し)・ハネる順番を変えるとどうなるかは自分で確かめてみてください。コツを一つ紹介すると、黒2の手は黒石がまっすぐに並ぶ手ですね？早く行きたいときは石をナナメに使いたいので黒２は少し辛い手(効率が悪い手)なのです。・黒2で5のところに打つ変化も研究してみてくださいね。(やはり黒死です)・最後に白の失敗図ですが、白1のハネでいきなり5と置くのはどうでしょうか？結論はセキになってしまい失敗、なのですが読めましたか？　今回は簡単でしたね。しかし段々難しくなりますよ。今日やったことが役立つので、よく研究しておいてください。

  2005/04/14

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• 手抜き問題

  【注】問題を差し替えました。　別に問題作りを手抜きしているわけではありませんよ（^^;一応級位者向け。今日は簡単だと思いますが段々難しくなりますよ。　黒番。手入れが必要ですか？それとも手を入れなくてもよいのでしょうか？　ＳＧＦデータ-------------------(;GM[1]FF[1]SZ[9]AB[db][dc][dd][de][ee][fe][fd][fc][fb][gb]AW[df][ce][cd][cc][cb][ef][ff][gf][ge][hd][gc][hb])-------------------※詰碁だと「この石は絶対殺せるはず」というヒントを貰っているようなものですよね。でも実戦は違います。手を入れないと死ぬかもしれないし、手抜き可能かも。ひどい場合は手を入れても死んでいるかも。だから実戦での死活は難しいのですね。この問題は実戦に近い感覚で読みを入れてもらうためにあえて「黒先黒活」とか「白先黒死」という詰め碁にしませんでした。　解答は明後日です。

  2005/04/13

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• 囲碁の普及についていろいろ

  　昨今のプロの世界での韓国・中国と日本の実力差は単純に囲碁人口の差であり、普及の努力の差です。　ヒカ碁ブームの遺産で院生数が増えたといっても、かなり？？？なレベルの子までに門戸を開いて院生を増やした結果です。　数日前の「日刊囲碁」に掲載されていましたが、韓国では院生が120人、その院生に入るための大会(年3回開催)に全国から500人程度が参加し5人名ほどの枠を争うそうです。才能とか努力以前に、この時点で日本の勝ち目はないといって過言ではありません。　以前県大会の後、Ｙ木さん、Ｈ吉さんらと飲んでいて「後10年もすれば中韓に追いつける」というような楽観論が大勢を占めていたのにびっくりしたことがあります。確かに現在の静岡県は、県内主要都市それぞれに子供囲碁教室が定着しつつあり、状況としては悪くありません。しかし、私の認識では中韓との差をこれ以上広げられないのに役立つ程度の普及度だと思います。もしかしたらこれでも開いていくかもしれません。　　日本棋院にはいろいろ不満がありますが、一番腹が立つのがビジョンのないこと。　ヒカ碁ブームに乗って大会が増えたり子供向けの教室を開講したりしましたが、それは誰でもできることです。日本棋院のような上部組織が考えなければならないことは、例えば「囲碁の指導者を育てること・増やすこと」です。サッカーの例を引くまでもなく、頂上を高くしたければすそのを、すそのを広くするには指導者を増やすしかないのです。囲碁をやりたいという子供がいても、教える人がいなかったらどうにもなりません。また「教える」というのは自分が囲碁を打てるということとは違って、それなりの経験とコツが必要です。日本棋院のやり方を見ると、「ヒカルの碁スクール」にしても「小中学生団体戦」にしても、実施することだけ決めて、各県の支部連合会や日本棋院支部に丸投げに近い状態です。予算やテキストなどの補助は当然あるものの、一番必要な教え方のノウハウなどは全くなく、各県各支部の創意工夫に掛かっています。静岡県は悪くないほうだと思いますが、県によってはひどい状況になっているところもあるのではないかと思います。本来なら、指導方法マニュアル（それも文書だけでなくビデオなどでわかりやすくしたもの）とかを日本棋院が無料配布するくらいのことじゃないといけないんですが。　碁会所を始めて、個人的に一番楽しみにしていたのがこども教室です。ただヒカ碁ブームも終焉し、囲碁を覚えようという子は減っているので現状は大変です。「囲碁」というものがお稽古事などとして社会的に認知されないとなかなか厳しいものがあります。（そいうところも本来は日本棋院に頑張ってほしいところ。一碁席の力で社会の見方を変えるのは至難の業です)　最近考えているのが地域の囲碁教室のネットワーク。月2回開いているこども練習会には、藤枝囲碁サロンの生徒だけではなく、他の公民館の教室の生徒などもやってきます。公民館の教室はだいたい週1回だけ、中にはそれ以上に練習したい子供いるのです。また講師をされている方も囲碁教師を成業にされているわけではないので、その要望に応えかねるという面もあるのです。そこを私の碁席が受け皿となって受け止めるというわけです。　現在協力してくださっている教室は2箇所ですが、講師の方にも生徒たちにも概ね好評のようです。（もちろん改善点はいろいろとありますが)本格的な教室とは無理でしょうが、今後も公民館などの入門的な子供教室があればいい関係を築いて行きたいと思っています。

  2005/04/08

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• 石倉昇九段

  　もうすぐ終わってしまいますが、現在ＮＨＫで石倉先生の講座をやっていますね。　日曜の営業のときテレビはつけておくので断片的ではありますが見ています。　この講座は基本的な内容なので、自分の勉強のためというわけではなく、石倉九段の教え方を見ています。教える立場から見ても気付かされる点が多くためになります。　石倉講座の良さを私なりにいうと、その講座の目的(テーマ）、問題点（皆が間違えやすい例）、そしてその解決方法を、「明確」に「順序良く」「丁寧」に解説しているところがよいのだと思います。「とにかく俺について来い」的な理不尽さが無く、教わる側の視点を良く心得ています。　加えていうならば、言葉づかいが巧みです。丁寧に説明しようとするとついつい言葉数が多くなりがちです。(私もそうです）でもだらだら説明すればするほどわかりにくくなることもあるのです。覚えやすいキーワードにしぼって、素直に頭に入るように工夫している所が非常に秀逸です。　以下は脱線。　石倉講座で「打ち込み」がテーマに上がっていましたが、実は直前に私も碁席の講座で同じテーマで碁席の教室で講義していました。　私の講座は、いろいろな棋書は参考にしていますが、基本的に完全オリジナルです。自分なりのこだわりがあってそうしているのですが、果たして本当に効果的かどうか自信をもてない部分もあったりします。(試行錯誤の連続)　打ち込みの部分についてはテーマ設定、失敗図、お薦め図、そしてお勧め図で強調する手筋などほぼシンクロしていたので、自分の教え方（教え方の考え方）も悪くないかなと自信が持てたわけです。その放送を見たときは、我が意得たりという感じでした。　脱線の脱線。　今日突然石倉九段の話を出したのは、聞き手のオシカナさんから「強い人はテレビの講座を馬鹿にしてみないけど、教える立場の人こそ石倉先生の講座を見て欲しい」というようなことを言われた(メールですが)からです。　テレビ講座はどちらかというと易しめの内容ですから、高段者になるとあまり見なくなることが多いでしょうし、確かに馬鹿にしているところもありますね。　でも囲碁を教えるという仕事をしていて感じるのは、自分にとってわかりきったことや簡単なことでも、分からない人に理解できるように説明するのは難しいということです。どこの碁会所でも「教え魔高段者」というのがいると思いますが、その人がプレイヤーとして高段者でも教えるのが上手いとは限りません。中には下手に煙たがられてしまう人もいますね。　教えるというのは楽しいし、碁席では教えられるということがちょっとかっこよく見えたりします。だから皆少し強くなると教えたがりになったりするのですが、教えるのにもそれなりの勉強は必要ですね。

  2005/03/02

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• 囲碁の効能、補足

  　昨日の記事で誤解されそうな部分があるので補足。　個人的には、囲碁を好きだから囲碁をやっているし、囲碁の面白さを知ってもらいたいから囲碁を教えています。だから囲碁を学ぶことに+αを求めることには、個人的には違和感があります。普及の方便として研究の余地があるかなとおもっただけです。

  2005/02/20

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