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カテゴリ:趣味、娯楽
![]() “環境問題のウソ”のウソ 武田教授の環境問題はなぜウソがまかり通るのか(以下:環ウソ)の主にペットボトルリサイクルの部分に対する反論本です。 環ウソは、煩雑なゴミ分別を要求するのに、リサイクルの実態がよく分からない現状を簡潔に切ってみせてベストセラーになりました。 自分自身も環ウソの主張は、一理あると思っていました。 ただ、TVなどで話を面白くするためかレトリックな話をすることもあり、環ウソの精度はどのくらいなのだろうと思っていました。 これに対して、環ウソのデータの問題点を詳細に検証しているのがこの本です。 読んでみると、なるほど、環ウソは、誇張や間違いも多く含んでいるのだと思いました。 ただ、著者の反証を読んでいくと、逆に現状のリサイクルの脆弱な部分も見えてしまいます。 結局、著者の環ウソに対する評価は、概ね「正しいこともたくさん書いてある。しかし明らかなウソや間違いが多すぎるので信用できない」という内容でした。 ただ、武田教授は、元々、安易なリサイクル宣言を理由にペットボトルが大量消費されることが問題だと言っていたと思います。 それを、環境論者がよく使う終末論的な手法を逆手にとって面白く読ませる本が環ウソだと思っていました。 実際にこの本の著者もリサイクル率は環ウソが言うほど低くないが、ペットボトル使用の削減が必要と書いています。 結局、両者は個別の部分に差違があっても根本的な主張は、この本のタイトルほどインパクトのある差違を感じることはありませんでした。 地球温暖化問題についても、この本では触れられています。 これについては、データの解析部分で見られる冷静さと実際の対応を考える部分の不安定さに違和感を覚えました。 著者自身どうなるかはっきり分からないことに対しては、頭の中が終末論的な世界で満たされていくような感じがしました。 この辺りはSF作家としての想像力のためかと思ったりもしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年12月05日 11時36分28秒
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