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テーマ:今日のアーティスト♪(630)
カテゴリ:アジア
(ルア エ ソルは月と太陽の意) 首里フジコ (2004年) 昨日のような原色で明るい沖縄もいいですが、ゆったりとした時間を楽しむためにこういう音楽もいいのではないでしょうか♪ …というわけで、本日のお奨めアルバムは首里フジコさんの『LUA E SOL』です。 首里フジコさんは沖縄県立芸大絵画科を卒業という経歴を持つ方で、とても独特なタッチの画を描き個展も開くほどの腕前です。 ちなみに2ndアルバムのジャケットも彼女自身によるもの。 もちろん歌も上手く、ジャズやボサノバを基盤に昭和歌謡などのカバーも取り入れたりとオシャレな雰囲気を持つ。 この1stアルバムもそんな彼女の魅力が満載で、日本とアメリカの文化の入り混じる沖縄ならではの独特な雰囲気が楽しめる作品となっている。 全体的な雰囲気は、要所要所で聴かれるジャズテイストのギターとウッド・ベースが心地良い空間を生み、そこに首里さんの鼻にかかったボーカルが浮遊する、といったサウンド。 1曲目「ベーベー」と2曲目「月ぬ美しゃ」は共に沖縄の子守唄で、ジャズギターとウッド・ベースに乗せて淡々と歌うボーカルがとても気持ちがいい。 夜中にひとり静かに薄明かりの部屋で聴くのがピッタリだと思います。 「私はサカナ」では自宅録音をしているらしい。 素朴なギターの爪弾く音色とその辺にあった空ビンを叩く音が印象的。 ゆったりとしてまるで本当に海の中をユラユラ泳いでいるような気分になります。 「フジサン」は一転して男性ボーカルとのデュオで、ボッサのリズムが心地良い。 日常では体験できないような特別な世界がボクの部屋の雰囲気を変えてくれそう。 「私の好きなもの」もボサノバ。 「フジサン」よりもアップテンポで自然とリズムを取ってしまう自分がいる。 しかし、ボサノバってのはなんでこうもオシャレな気分になれるんだろう。 「Chove Chuva Sabado」はサンバ調のリズムに乗って踊ってください、っていう感じのナンバー。 ただし、それほど派手なアレンジはされてなく、カフェで会話がはずむ程度のノリである。 ポルトガル語で“雨降れ土曜日”という意らしい。 曲の最後にはその雨が降るSEも入っている。 「EAST OF THE SUN」は正に正真正銘のジャズナンバーで、1930年代の同曲のカバーである。 こういう曲を小さなハコ(ライブハウス)で演ってもらったら最高ですね! 非常にいい雰囲気です。 「月と太陽の唄」は原始のリズムを思わせる面白いイントロから始まる。 ボッサ・ジャズギターが今日をリードしていく。 ボクはアルコールが苦手なんだけど、この曲を真近で聴いてしまったらきっと注文しちゃうだろうなぁ~。 そんな気分にさせてくれる曲です。 最後の「夜明け前」は電車の発進音とともに始まるディープなジャズナンバー。 首里さんの気だるいボーカルとそれに呼吸を合わせるように弾くウッド・ベース、そして延々と続く電車のレールを走る一定のリズム音。 この3つのサウンドが妙に合致していてまるで映像のように心に映し出されていく。 このアルバムは決して元気が出るアルバムではないです。 しかし、普段の生活に疲れ果てて精神的にも肉体的にもゆったりとした“癒し”を求めているならば、是非この世界を体験してほしい……そんなアルバムです。 また「ジャズって興味はあるけど難しそうだから……」となかなか手を出せないでいる方にもピッタリだと思いますよ。 昼間の沖縄と真夜中の沖縄・・・・。 表情は違えどそれらがひとつになった時、ボクたちは沖縄の魅力から逃れられなくなっている。 恐るべし、沖縄!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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