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カテゴリ:ミュージシャン
OPETH (2003年) 以前から公言しているが、ボクはデス声が嫌いだ。 しかしこのバンドだけは別。 正直言ってデス声を聴くと自分のノドがいがらっぽい気分になるし、そのボーカリストの将来…つまりはポリープの事とか心配になっちゃう(苦笑) まぁ、多少“聴かず嫌い”なトコもあるけどね。 でもそんなロマネスクもこのスウェーデンの至宝OPETH(オーペス)だけは例外なんです。 デス声というハンディキャップ(ボクにとってね)をもろともしないその驚愕の演奏力と曲作りの上手さがグイグイ惹き付けるのだ。 PAIN OF SALVATIONにも通ずる陰鬱の美学と一瞬の遊びの欠片も見せない音楽に対する姿勢は常に緊張感が張りつめ聴く者をOPETHワールドに引きずり込む。 とにかく只者ではない。 その音楽に対する精神力の強さと前向きさは真のプログレッシヴ・スピリットに溢れており、形式ばかりを追った偽プログレ・バンドをあざ笑うかのように怒涛の演奏力で圧倒する。 ドラムスのMartin Lopezの手数の多さと乱れぬリズムはMike Portnoy(D.T.)をも凌駕する。 しかもルックスがいい。 それに合わせて超絶ベースを弾くのはMartin Mendez。 足を広げ長髪を振り乱してベースを弾く様はまるで鬼神のようだ。 DVD後半の激しいナンバーでの彼のカッコ良さは筆舌に尽くしがたい。 そしてギターのPeter Lindgrenはテクニックをひけらかすタイプではないが、しっかりした基礎があり安定したギター・プレイに徹しているのに好感が持てる。 同じくギターとボーカルのMikael Akerfeldtは決してルックスがカッコいいわけではないが視線を釘付けにする魅力を持った男だ。 デス声とノーマル声を使い分け、ギターソロも感情豊かに弾く。 今回このDVD(2003年のツアー)ではゲスト扱いだったPer Wibergは、先日来日しボクを音楽でトリップさせてくれたSPIRITUAL BEGGARSのキーボーディスト。 彼のトレードマークでもある長い髪を掻き乱して素晴らしいプレイを魅せてくれている。 さてこのDVDの内容だが、前半はあの“静”の名盤『DAMNATION』をCDそのままの曲順に披露していく。 この間デス声は無く、耽美で幻想的な時間がゆっくり流れていく。 Per Wibergのメロトロン風のキーボードが効果的で幽玄な世界をステージ上に再現している。 もちろんすべてが静かなばかりではなく徐々に盛り上がり怒涛のエンディングを向かえる曲も何曲かあり、決して淡々と演奏が進むわけではない。 そのコントラストが見事でついつい時間を忘れて見入ってしまう。 前半の60分が終わると「ちょっと一服させてくれ。」とステージを一旦去り“動”の60分が始まる。 ここからは一瞬たりとも目が離せない。 重厚なリズム隊にスピード感溢れる本来のOPETHワールドが展開される。 「The Drapery Falls」ではCANDLEMASS風のDOOM METAL的なリフにツーバスのドラムスとデス声が妖しく絡み合い、その素晴らしさにマジで失禁しそうになった。 客のボルテージも上がり会場の雰囲気は最高潮に!! とにかくメンバー全員が恐ろしくカッコいいのだ。 DVDでコレだけの感動が味わえるんだったら本物のライブに行った暁にはどうなってしまうんだろうと期待は高まる。(来日してくれないかなぁ~♪) そんなわけでこのOPETHを未体験の方は是非このDVDをお奨めします。 音はもちろん、カメラ・ワークも上出来。 買って損はナシです!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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