西日本新聞によると「当たらぬ天気予報 風当たり 苦情100件超」らしい。10月30日には福岡管区気象台に日中だけで約百件もの苦情の電話がかかってきたという。
週末の天気予報は誰しもが気になるところだ。買い物やレジャーなど外出する機会が多いからだろう。しかし天気予報はあくまで「予報」の範疇をでない。外れることもあるのだからその辺のところはもう少し寛大にみてあげてもいいように思うのだが……。確かに貴重な税金を投入している以上、気象庁は全力を挙げて天気を始めとした気象情報の解析を行い結果を公表する義務がある。しかし天気だけはどうにもならないこともまた事実だ。予報が外れたからといってただでさえ忙しい気象庁に電話をかけるなんて一生懸命予報してくれている予報官に失礼じゃないかと思うのは僕だけだろうか?
気象庁のホームページによると週間天気予報には信頼度がA・B・Cの三段階でもうけられている。そしてご丁寧にも過去半世紀にわたる予報精度を
検証しているページが存在する。翌日の天気はおおよそ85%弱、週間天気予報は平均して70%弱の精度を持っているようだ。このページからはこの60年で降水確率の的中率は約70%から約85%へ大きく向上してきていることがわかるはずだ。予報官たちのたゆまぬ努力と過去のデータの解析に基づく予報は日々進歩する測定機器などによって劇的な進歩を遂げている。しかし、所詮扱う対象は水物の代表。天気をコントロールすることができないのと同じように100%の予報率が期待できることはおそらくないだろう。
さきの戦時中から終戦直後まで天気予報は極秘事項の扱いとして公表されることはなかった。明日の天気がわからないということがどれほど大変なことか、1日2日ならまだしも何年にも渡りそうした気象知識が絶たれるということは異常な事態である。突然の大雨などで川が氾濫し、農業にも大ダメージが与えられ何人もの人々が死んでしまう……そうした人生をも支配しかねないお天気が、お茶の間解説付きで予報されるというのは実は非常にありがたいことなんだと改めて認識した次第なのだ。天気予報、侮り難し。