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テーマ:ミステリはお好き?(1489)
カテゴリ:読書レビュー(今村昌弘)
2019年10月21日 ★★★★ 9月に読んだ井上夢人のバワー・オフからまたまた1ヶ月が経っていたので、そろそろ何か読んでみようかと探して見つけたのは昨年、このミステリーがすごい、週刊文春ミステリーベスト、本格ミステリ・ベスト10の三冠を達成した鮎川哲也賞受賞作で今村昌弘のデビュー作である「屍人荘の殺人」の続編が出ているの知り、またまたクローズド・サークルものであるらしく前作同様に期待して読んでみた。 その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣崎比留子をはじめとする来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。外界と唯一繋がる橋が燃え落ちた直後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ第二弾。(Amazon内容紹介より) 前作「屍人荘の殺人」は、伝統的な雪の山荘的なシチュエーションにゾンビという一ひねりを加えた作品だったが、今回も続けてクローズド・サークルでのオーソドックスな設定に予知能力者というひねりを入れて臨んだ作品だ。 本編でも書かれいるがクローズド・サークルものには、なぜ内部犯が疑われる状況で犯行に及ぶのか?これは私を含めて多くのミステリー読者が疑問に考えるだろうがそれを言っては元も子もないということで敢えて突っ込まないのがファンというものか…。本作はその内部犯というリスクを冒すことに真正面から立ち向かう作品と言える。 事件を引き寄せる体質を自覚している探偵役の剣崎比留子と葉村譲が斑目機関の情報収集に舞台となる魔眼の匣に出向き、そこで出会った予知能力者が本作の肝である。 まぁ途中のドタバタはあったが最後の最後に明かされた真実が予想外でこの作品を評価を多少高めてくれているのではないだろうか。前作ほどの設定上のびっくり度はない分、ロジックで勝負しているところは次回作に更なる期待を持たせてくれる。シリーズ化されたようで探偵役の剣崎比留子とワトソン役の葉村譲が斑目機関を巡る次回作が楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.10.21 23:06:23
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