カテゴリ:司法試験関連
某新聞記事で、法科大学院生に対して講義をしている教授が、最近見たことがないほど輝いた目をして授業に来る。期待に満ちあふれている様子で、教える側としても大変やる気が出る、みたいなことを言っていました。
この大学教授というのは勘違いしていると思うのですが、別に法科大学院の教育に期待して素晴らしく輝いた目をしてきているわけではなくて、ここで頑張れば弁護士になれる、裁判官になれる、検事になれるって思っているから、そういう希望に溢れているから目が輝いているのだと思います。 現行の司法試験に受かって、4月から和光の研修所に行ったときは、それは皆期待と不安に満ち満ちています。なりたくて仕方がなかった法律家になれる、それもあの難関だった司法試験を超えて、さあ立派な弁護士になるぞってそれは意気込みます。それは至極自然なことです。 ただ、司法試験受験生及び過去司法試験受験生にとって見れば、法科大学院受かっただけで弁護士になれるんかい?そりゃあいいねえってちろっとは思うはずです。 先行き不透明な、将来どうなるんだろうって言う不安感も抱かず、なんか良く分からない知能テストみたいな適性試験で行けるなんて羨ましいねって思います。 とはいえ、実態は分からないですし、弁護士先生はそんなこと考えている余裕はないですし(ただ、大手事務所はロースクールが本格化する前に、かつ、合格者が増える前に、ある程度多めに採用しているという噂を聞いたことがあります。真偽は分かりません。)、修習生にしても目の前の実務がありますので、あんまり深く考えたことはないと思います。 ただ、人数が増えるのは脅威という認識はあると思います。自分が期待する仕事が今後も確保できるか、とか、そういうことですね。 最近法科大学院生のHPを見る機会があったのですが、まともに付いて行くにはかなりきちんと勉強しなければ行けない様子ですし、司法試験みたいに基礎的な部分を徹底的に反復してアウトプットの強化という面は少ないものの、色々なことを勉強させようとしている様子を感じました。勉強自体はやりがいがあって楽しいだろうなと思いました。既習者コースの人でも毎日予習復習で大変らしく、しっかりやっているんだなと思いました。 あと、そうですね。科目数が増えるのは良いことだと思います。社会人合格者が増えるのと同じで、他業種に対応できる人を増やそうという着想はとても良いことだと思います。 2年もあれば基本的には十分な時間でしょう。 過渡期の人が迷惑を被っているのが非常にきついだろうなと思います。 制度としては、質のばらつきが出やすいだろうけれど、幅を広げる以上やむをえないところもあり、依頼人の方で情報収集がより必要になってくると思います。今まで以上に弁護士のスキルによる格差が増えてくると思います。 もっとも、まず負けない事件、まず負ける事件などなどは一定数あります。原告の勝訴率は全国平均で大体8割くらいです。訴えるには訴えるなりの理由があることが多いと言うことでしょうか。 んー、まとまらなくなってきましたが、受験時代いつ受かるのか、受からなかったらどうなるんだろうと不安を抱きつつ勉強していた修習生から見ると、司法試験の大変さとの比較からは、先が見通せて安心して勉強できるのが羨ましいのと、ビジネスチャンスを広く大きく掴める人材が増えてくるだろうということ、その代わり底辺も下がるだろうな、といった感想です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年05月12日 22時47分48秒
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