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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2007年08月24日
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テーマ:ニュース(99797)
カテゴリ:環境

 電気事業連合会は昨日23日、同会に加盟する電力10社合計の22日の発電量が、過去最高を更新したと発表した。日発電量は、その前日21日に過去最高を突破したばかりで二日連続での最高記録更新。同会は連日の猛暑による冷房需要急増が原因と説明。特に最大手の東京電力が今夏の最大電力を更新したことが全体の発電量を押し上げたとしている。

 で、へえ…とは、へそ曲がりのコジローは思わないのだなあ… このテのニュース、いまは夏の風物詩とも言うべきで、もちろん事実に相違はないのだろうけれど、「ん~、そおかあ」「だったら、原発もちょっとアブなそうだけど、まあしゃあないかあ…」ムードを醸し出す意図がフンプンと匂うからだ。まして今夏は東京電力の柏崎原発が「想定外地震」の被害でお休み中、…だからこその電力不足をアピールして、底値に低迷する原発株を上げたい意図が透けて見えはしないか。

 そういえば、10日ほど前、NHK・TVがこの伏線になる、次のようなニュースを流していた。   

> 『柏崎原発停止の影響で東電が電力不足を懸念』
>柏崎原発からの電力がストップしている現在、当事者の東電はすでに、他地域の電力会社から電気を分けてもらう等の対策を取っているが、それでも"猛暑日"がきたら電力の供給不足は避けられないとして、テレビCMや全戸配布チラシで節電を呼びかけている。
>中でも最も力を入れているのは家庭での節電。東電供給電力の30%は家庭なので、掃除機やクーラーなどの家庭電化製品の節電情報を流している。
>この東電が懸念する"猛暑日"とは、平均気温38℃が3日間続く状況との事で、これについてインタビューを受けた気象庁の係官は「東電が懸念する"猛暑日"は充分ありうる話だ」と答えた。

 NHKは、まあ、こんな話題もあるということで報道したのかもしれないが、現象の表面しか見ない浅はかな取材で、結果としては 「柏崎原発の停電で市民に不便が及ぶ可能性がある」「このように、原発はもはや日本の国民生活になくてはならない存在で、反原発なんてのは非現実的だ」 という半分脅しのアピールに手を貸す結果になってしまった。こうした公正を装った電力不足の訴えは、電力会社が電源確保の重要性(・・・ということで間接的に原発の必要性を訴える)常套手段だからだ。

 たしかに、年間の電力需要のピークは夏期の炎熱日にあるのだけれど、だからといって、東電がやっているように一般家庭に節電を呼びかけるなど、対策としては愚の骨頂・・・と、本当のジャーナリズムなら報道すべきなのだ。…とコジローがいう理由は以下の通り。 

 理由その1、まず電力需要のピークは真夏の炎熱日の午後2~3時頃なのだが、このピークは年間トータルでもせいぜい10時間程度しかない。一年は8760時間あるわけだから、その0.1%の時間に過ぎないのだ。このたった0.1%にあわせて電力供給を考えるという発想自体が元々どうかしている。

 そうした発想で電源開発をしてきた結果、日本の発電所の年間平均稼働率は58%に低迷している。つまり、最高需要期を除き4割以上の発電能力が遊んでるわけだ。これに対し、突出したピークを引き下げ、電力需要を均(なら)す方向で政策シフトしてきたドイツや北欧では、発電所の稼働率は72%に達している。つまり、ドイツ並みに既存火力・水力の稼働率を引き上げ、省エネを徹底すれば、日本の原発は現時点でも無用の長物と化す可能性があるわけだ。

 理由その2、で、その現状での電力需要ピークだが、これもよくよく見てみると面白いことが分かる。必ずしも、一番暑い日の一番暑い時間に一番電力が消費されているわけではないのだ
週末やお盆は、いくら気温が上がっても、不思議なことに、それ以外のウイークデーでは同じ気温で簡単に突破してしまう電力需要ピークを越えるようなことには絶対にならない。

 ・・・ということは、どういうコトか? そう、休日に市民が仕事を休んで、家でビールを飲みながらテレビで高校野球でも見て、クーラーをガンガンかけているときは、当の善良な市民の実感では、そりゃ電気使ってるだろうな・・・環境に悪いな、申し訳ないな・・・と思いがちだけど、ところがどっこい、工場やオフィスは閉まって電力を使わないので、差し引きでは、トータルの電力需要は小さくなるのだ。

 先のNHKニュースで東京電力も認めているとおり、電力需要は、家庭が3割、事業者が7割をしめているのだから、これは当然の結果。実は、電力消費のピーク、炎熱日の午後2時における家庭の電力消費は1割しかない。だからコジローは、その1割に節電を呼びかける東電の対策は愚の骨頂であるというのだが、にもかかわらずそんなキャンペーンに精を出すのは、きっと他の意図があるに違いないとも思う。

 ということで、夏の電力不足を回避するために最も効果的な対策は、電力需要のピーク時に事業者が使う電気を減らす社会政策を、どのように設計するかと言うことになる。

 その社会政策の例、欧米で実施されている方法はいくつかあるが、まず、トータルで電力需要を抑制するためには、今の日本の、使えば使うほど(大口需要ほど)安くなるという、電力料金体系を逆にすることが必要だ。 (いまの料金体系では、どうせ電気を使うなら、いっそ一気に使った方がトク・・・ってことになり、省エネへのインセンティブが全く働きません。)
 
 たくさん買ってくれるお客様にサービスするってのは、普通の商売なら当たり前かもしれないが、たくさん使うほど環境負荷が増えるような商品の場合、大口需要者にその分の環境コストを負担させようという考え方を採用すべきだろう。

第2、同じ電気でも、時間帯によって値段を変えることは、現に余った原発の電気を売るため夜間電力を格安にしたりしているのだから、今すぐにも実施可能。電力需要のピークが38度ラインにあるということがあらかじめ分かっているなら、例えば、36度か37度を超えた瞬間からこれを下回るまでの電気代は倍になるってことにすればいい。原価計算に厳密な日本企業のこと、これが今日、制度化されれば、電力ピークは明日にでも平準化されるだろう。

第3、これは、すぐには難しいが、電力会社が任意にエアコン電源を操作できる契約を結ぶことも可能だ。 (これはカリフォルニアで大成功している) つまり、エアコン電源は他の電源と区別して配線し、電力会社側が操作できるようにする。その代わり、契約料金はちょっと安くする。で、電力の需要ピークに近づくと、契約したオフィスや商店や工場のエアコンを、電力会社が1時間に5分だけ切っちゃうわけだ。

 5分間だけ電源を切れるとすれば、1時間に12回、つまり、契約相手のトータル消費電力の12分の1ずつ順々に契約者の電源をリレーで切っていくと、それだけ電力需要を均すことができる。エアコンでいったん冷えた室内は、5分程度電源を切っても、その気温は維持され、常人は、エアコンが働いていないことにまったく気づかないそうだ。

 そのほかにも、知恵の出し方はある。なんでも、すぐにお人好しの市民の心構えにツケをまわしてくる厚かましさは電力会社も政府も共通で、こういうのをみると、コジロー、無性に腹が立って、腹が立って・・・、とにかく噛みつきたくなる。電力不足キャンペーンは、眉につば付けてみることが必要だろう。情報操作に踊らされてはいけない。



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最終更新日  2007年08月24日 11時57分41秒
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