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江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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2021年12月23日
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​​     ​浮説  伊賀の蜜謀消えた徳川御用金 7​

   

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​      ​ 権田村での戦い 無念小栗忠順
  
  権田村に移った小栗忠順は、村に手習い塾を開き子供らに読み書き算盤を教え、水路を整備して、村人と新田開発の開墾にも着手した。
  一見すれば、権田村の農民たちと静かな余生を送っているような暮らしをしていた。
 だが、江戸から御用金を積んだ行列が鴻巣を過ぎたあたりで襲われ、千両箱の入った荷のほとんどが山賊らしきものに奪われたと知らされたとき、小栗忠順は愕然とした。
 ~もしかしたら、伊賀の黒破多呂兵衛の仕業ではないのか?~という疑いが消せなかったがその証拠はなかった。
  金が奪われたこともだが、幕府の中でも有能だった自分が騙されたことが悔しくてたまらなかった。
  だが、金を奪われてしまったのにかかわらず、小栗上野介は江戸から財宝と共にやってきたという風説が上州の村々に流れていたのである。
  小栗忠順は徳川御用金を隠し持っている、その金300万両ではないかと取り沙汰されていたのである。その金で小栗は官軍に再度挑むつもりだとか、観音山に城を築くつもりだとかの噂がまことしやかに流れていたのである。
  ~その噂とおりだ、金がちゃんと届けばそうするつもりであったのだ、伊賀の蜜謀にかかった儂が愚かだったのだ~
 小栗忠順は地団駄踏んで悔しがったのである。
  一方で、黒破多呂兵衛は小栗忠順に対しての最後の詰めを忘れてはいなかった。
 下忍の左玄太は小栗に関する風聞を上州の村々に広げ、鴻巣で使った雑多な浪人や無宿者、百姓崩れに声をかけ、さらに、博徒ややくざ者、流れ者、近村の百姓にも金を積んで人を集め、
 ~小栗の隠し持っている御用金300万両を奪おうじゃないか、一人当たり千両を手にできるぞ~
  と、焚きつけた、
  左玄太は欲につられた二千人を引き連れ、権田村の小栗忠順へ戦いを挑んだのだ。
 多種雑多に集まっためた者の中にはやくざ者や乱暴者も混じっていて、軍勢は暴徒となり、村へ放火し、略奪をする者までいた。それを見せつけられた小栗忠順が黙っていられる筈もなかった。小栗忠順は百戦錬磨の元徳川幕府の勘定奉行だった男でる。
  小栗側には数十人の家臣しかいなかったが、烏合の衆の暴徒など全く問題にしなかった。
  ~よいか、暴徒とはいえ、むやみに殺すでないぞ、蹴散らせばそれでよい、大砲の二三発ぶち込んでやれ~
 小栗にはフランス式の最新の小銃で訓練された家臣がいた。
 押し寄せる二千人を越える暴徒に対し、僅か数十名の小栗たちは、充分引き付けてから
 鉄砲隊が小銃を放つと、暴徒の先頭の男たちが足を撃たれてばたばたと数十名が倒れた。
 動揺した暴徒の真ん中へ大砲をズドーンっと一発放った。
 烏合の衆は胆を潰し、あっと言う間に戦意喪失した。
 ~最早ここまで、引けい、引けい~左玄太が叫ぶ、
 統制がとれていた群衆ではない、まして、金だけで集まった連中で、義理も恩義もない、それ逃げろと、我が身大切とばかりに、蜘蛛の巣を散らすように逃げ去ってしまった。
 誤報を撒き、人を誑かし、煽て、人心を操る。伊賀忍者左玄太の仕組んだ仕事だったのである。

  つづく  朽木一空






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最終更新日  2021年12月23日 10時30分05秒
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