|
カテゴリ:裏長屋よもやま話,
越後屋の貸し傘 ~越後屋の 前迄傘へ 入れてやり~ 御存知江戸本町1丁目の日本橋越後屋、 『現金安売掛値無』という今までの常識から新しい販売方法を産み出し、 従来の武家相手の掛売りをやめ、店頭に商品を並べ、町人相手の現金販売に改めて大成功し、なんと、1日の売上げ 1000両と称される繁盛ぶりとなったのでございます。後の三越呉服店、三越百貨店の前身でございますな。 その越後屋はお得意の方々に俄雨に遭った際、傘を貸すという粋なもてなしを致しておりました。 傘には、ちゃっかり丸に井桁に三という印が大きく描いてありまして、江戸の人はこの傘をさして町を歩くのが鯔背だと思っておりましたので、俄雨に遭いますと、わざわざ貸し傘をさして越後屋まで得意げに来るのでございます。 江戸っ子は見栄っ張りでございますな。 ~するが町江戸一番の傘やなり~ 皮肉ですかねえ、、 ~ごふくやのはんじょうを知るにわか雨~ 雨も店の宣伝にしてしまいます。 ~ごふくやの傘内心はかえさぬ気~ ふてえやろうだ、、 ~駿河町 めしを三石 一斗たき~ その、越後屋の奉公人の数は大変大勢です。番頭、手代、丁稚、女中合わせて、300人以上が働いている大所帯でございまして、その飯炊きだけでも大変でございますし飯にありつくのも大変でございますので、拍子木を打って飯時をしらせたのでございます。 ~ひやうし木で人をおろぬくごふく店~ 飯をおろのかれちゃたまりませんな、 ~いつめしを喰うやらしれぬごふく店~腹が減っては商いの戦ができませんよ、 ~若衆一群越後屋の飯~ 想像しただけでもすごい有様ですな、、 さらに越後屋では、10両以上の買い物をした上得意客様には御膳を出してもてなしておりまして、そのお客だけでも毎日20人以上はいたというのですから、飯の用意も容易ではありませんでした。 ~盗っ人に あって三井の 飯を喰い~ 泥棒に入られ、家中の着物を全部盗まれてしまいましたので、越後屋で10両以上の出費をし、極上客のお膳のご馳走に預かったという川柳ですが、この方も、お金持ちでございますね、、、 ~呉服見世 まけなさいよと ひつらこさ~ おかみさん、『現金掛値なし』が越後屋でございますんでご勘弁を、どこにでもいる、ずうずうしいおかみさん、ひつらこさ(しつこい)、粘ってますねえ、、 江戸一番の三井越後屋呉服店は駿河町の大通りを挟んで、真正面に富士山が見え、片側が絹物などの呉服、反対側が木綿物を扱っております。 ~ふじがよく 見えると天和 見世を出し~ ~本店と出店の間に不二が見へ~ 古着専科の某には越後谷なんぞに縁もなく、 暖簾をくぐったこともありませんがね、、、笑左衛門
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年05月02日 10時30分06秒
コメント(0) | コメントを書く
[裏長屋よもやま話,] カテゴリの最新記事
|