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江戸こぼれ話 笑左衛門残日録

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2024年03月18日
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 ​​​  辻番所3 辻番所は賭場だった
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陰山退助は三田の辻番所から逃げ失せたものの、
 前借りの三両が残っていてたので、口入屋天番屋権蔵に仁義を切らねばならなかった。
 口入屋天番屋権蔵は
 ~まあ、しょうがねえだろうな、今度はあぶねえ橋を渡らなくても
 いい辻番所だよろしく頼むぞ、わっはははは、、~
 権蔵から、本所の津軽屋敷の辻番所へ詰めるように言われた。
 本所南割下水に面した津軽越中守のお屋敷は広大な敷地と
 お屋敷で、辻番所も屋敷にふさわしく広くて立派な建物であった。
 辻番所の頭は夫婦者で辻番の奥で寝起きしていた。
 他に六人の番役人もいずれも還暦の近い足軽老人がいて、
 交代で警備に当たっていた。呑気な空気に包まれた辻番所だったのである。
 辻番所も徳川幕府開府以来二百年以上を過ぎた天保の頃になれば、
 太平安楽な江戸の空気に染まり、残忍な事件などめったに起きず、
 辻番の役割もほとんど消え、暇を持て余す形骸化した辻番所になり果てていたのだった。
 辻番にも幕府直轄の公儀辻番があるが、
 南割下水の津軽藩屋敷にある辻番所は津軽藩が管轄する一手持辻番(大名辻番)であった。
 だが、その津軽藩の辻番所にはある忍事が隠されていたのだった。
 暮れ六つを過ぎると、三々五々、遊び人風の者、商家の番頭か手代らしきもの、が集まってくるのだった。
 なんと、辻番所の中で賭場が開かれていたのだった。
 辻番所の賭場は本所の弁天一家の六蔵親分が仕切っていたのだ。
 いわば陰山退助は辻番と、賭場の番兵も兼ねていたことになったのだ。
 博打場としては津軽藩の武家屋敷の一角なので
 番屋の文字が浮き出た辻灯籠がぶら下がっていては、
 町方も手が出せない安全な賭場なので、博打打ちにとってはすこぶる安全場場所であったのだ。
 陰山退助にとっても、ちょいと、悪に目を瞑れば、暮らしも楽になる役目であり、
 弁天一家の六蔵親分は気の利く男で、賭場を仕舞う時には
 祝儀を忘れることはなかったし、夜泣き蕎麦に熱燗を馳走もしてくれるのだった。
 天下泰平が続いた江戸の辻番所九百三十個所の中には、津軽藩だけではなく、番所内で、博打や賭け将棋、酒盛り、俳句の会などが開かれることもあったという。
 幕府も取り締まるが大名支配の辻番所にまで
 目が届くことは少なかったようである。
 ま、いずれにしても天下泰平、平穏無事な江戸の町であったのだ。
  おしまい
  朽木一空





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最終更新日  2024年03月18日 10時30分09秒
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