『心の鏡 ダニエル・キイス傑作集』
心の鏡1993.12/単行本246p 【目次】■エルモにおまかせ 人類のために難問を解決するべく作られた万能コンピュータ、エルモ。 エルモ自信が、人類に難題を葺き替えている疑問が沸き起こるが。。 ■限りなき慈悲 人間は体のパーツ交換は一度までできる。人間の寿命と体のパーツ交換はすべてコンピュータで 管理される時代になった。■ロウエル教授の生活と意見 ロウエル教授は、コンピューターが自信で考えることができると教壇でうっかり口を滑らせた。 それが、全世界が注目する裁判へと発展していく。*********************************上の3つ全てに共通するのは、近未来でコンピューターが自分で考えるということ。その考えるコンピューターに人類が希望と恐怖を持ち合わせているということ。昔の作品なのに、知ってるような内容である。さしずめ、『リベリオン』が近いかな。あとは、「甲殻機動隊」や『ゴッド・ディーバ』、「ナチュラルシティ」いろいろありますね。ダニエルキイスがこういう作品を書くなんて初めてしりました。最初、感じを掴み取るのが少々困難ですが、それぞれ読み応えはあります。■アルジャーノンに花束を 知能が低いチャーリィーにアルジャーノン(ねずみ)と同じ脳手術を施す。 チャーリィーが自信を取り戻し、また元に戻るまでを日誌調に綴る心にしみる作品。*********************************傑作長篇『アルジャーノンに花束を』の原型でヒューゴー賞を受賞した中篇版。これは、日本でもドラマにもなったくらいのキイスの代表作とも言える作品。文字だけで、日記形式でこれだけ読み手に伝えられるというのは本当に凄い。 ■心の鏡 言葉を使わずに心と心で会話ができるテレパスの少女、心で物体を自由に操るテレキネシス能力 をもつ少年―。弁護士デニスは、そうした並はずれた能力をもつ子供たちを探しだし未来に送り だしていた。恐るべき能力をひめた少年マロと弁護士の運命的な出会いを描く*********************************この本のタイトルにもなっている作品。当時は、斬新な発想だったのだろうが今読んでもさほど目新しい内容でもないように思えた。■呪縛 父親に誰かが呪いをかけたのだろうか。 ■ママ人形 不幸な境遇に育った少女ヴィーナと母ローダとの関係を描く ★★★☆・ダニエル・キイスといえば、「アルジャーノンに花束を」か「24人のビリー・ミリガン」しか浮かばなかったが、あんなSF小説も書くんだなっと改めて思いました。少々、似たり寄ったりの話も出てきますが内容的には厚い1冊です。