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Constancy
今日は、Joseph Brodskyの同じ詩集から1989年製作の詩を取り上げて、考えよう。題はConstancy。本当に大切な名前だ。ひとは常に忘れるから。これは忘れないという意味である。また、ある行為を始めたら、止めないという意味である。ある状態を維持ずるという意味である。さて、詩人は、この抽象名詞に何を託したか、託したというのは日本語の慣用句、どのような意味を割り当てたのか、このシステムの中で。つまり、詩人はconstancyをどのようなシステムの性質として、これを考えたのか。詩人はどこにいるのか。諸行は無常である。しかし、変わってはならない。変えてはならない。So ForthでBrodskyが歌ったように、the pointを狙わなければならない。これが生きていることの証である。つまり、命と引換にしても、という意味である。命の引換券、それが詩だ。 Jack Derrida曰く、 Socrates, he who does not write ------ Nietzsche いまぼくたち私達は、文字を書く事を疑わず、その上で傲慢にも何かを書いている。書く事が傲慢なのではなく、書く事で傲慢になり得る。他方、文字の無い社会があって、そこでは、書かないと決心した、というよりも、書く事の意志のないひとたちの社会があって(ああ、時間横断的にだ、Brodskyよ!)、それは伝承、継承、承継ということを、毎日の時間の最も大切なことのひとつとしているのだ。そこから、規範が生まれ、道徳が生まれ、従って法も生まれる。しかしなお、文字で書かれていないのだ。いや、見えない文字で書かれているのだ。概念そのものが灼熱の文字そのものであるような社会よ。この社会にも傲慢な人間はいるだろうと誰かが反論することだろう。然り。しかし、そのような社会では、その人間の傲慢さが、ひとを傷つけることはないのだ。傷つける。この本質的なことを余りにも軽薄に、軽率に、価値を認めようとしない文字社会の有象無象よ。Script. 魂のscriptを。 その魂から迸(ほとばし)り出る、今日もなお執拗に、この段落、この言葉をぼくは引用する。 The khairein takes place in the name of truth: that is, in the name of knowledge of truth and, more precisely, of truth in the knowledge of the self. This is what Socrates explains (230a). But this imperative of self-knowledge is not first felt or dictated by any transparent immediacy of self-presence. It is not perceived. Only interpreted, read, deciphered. (Dissemination > Pharmakon by Jack Derrida) さて、自己を知るために、主語である支配者の秘密を知るために、今日も言葉の聖杯探究の旅に出よう。 今日は、Joseph Brodskyの詩集SO FORTHからConstancyを。これはベルリンの壁の崩壊した1989年の作品だ。やはり、どう考えても、政治の壁は、儚いものだとぼくは思う。すべて、このような無駄なことは、お金のためになされたことなのだということが、今よくわかる。そのようなもの達に災いあれ。本当に災いあれ。ひとの想像力を卑しめる勢力に必ずや罰あれ。ぼくは言葉の中へと旅する。ぼくは言葉の中へと旅するというこの文は、本当の災いからそのような種類の人間達を救うためではない。ひとりの人間を救うためである。さあ、今日もあなたと、あんたと、君と、お前と一緒に垂直の旅に出よう。 Six Years LaterやOn LoveやA SongやSo Forthのように、少しづつ、1連づつ解釈して、今日の解釈と翻訳を、こうして明日の種としたい。 瞠目すべきJoseph Brodskyを。酸素を吸い込んで、目を覚ますのだ。諸行は無常である。Trotzdem、にもかかわらず、文字によってあらわす、書く。 Constancyは、これで1つのまとまり。段落がない。毎日一文づつ考えることにしよう。最初に全文を、明日一文を。そうして、Joseph Brodskyが詩を何だと考えたのかを、ここでもまた、考えてみよう。形式の意味をあれほど命に大切なものであることをSix Years LaterやA Songで知った詩人が、この詩ではすべての段落も行も取払い、Constancyの題のもとに、ひとつにまとめたということの意味は一体何だろうか。今書き始める前にわかることは、constancyとは、そのような概念だということである。そうしてこの変数は、Brodskyの命の引換券なのだ。 【原文】 Constancy Joseph Brodsky Constancy is an evolution of oneユs living quarters into a thought: a continuation of a parallelogram or a rectangle by means --- as Clausewitz would have put it --- of the voice and, ultimately, the gray matter. Ah, shrunken to the size of a brain-cell parlor with a lampshade, an armoire in the メSlavie Gloryモ fashion, four studded chairs, a sofa, a bed, a bedside table with little medicine bottles left there standing like a kremlin or, better yet, Manhattan. To die, to abandon a family, to go away for good, to change hemispheres, to let new ovals be painted into the square --- the more volubly will the gray cell insist on its actual measurements, demanding daily sacrifice from the new locale, from the furniture, from the sihouette in a yellow dress; in the end --- from your very self. A spider revels in shading especially the fifth corner. Evolution is not a speciesユ adjustment to a new environment but oneユs memoriesユ triumph over reality, the ichthyosaurus pining for the amoeba, the slack vertebrae of a rain thundering in the darkness, past the mussed shells, tightly shut for the night, with their spineless, soggy, pearl-shrouding contents. 1989 【訳】 【解釈】 【語釈】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年12月18日 07時36分22秒
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